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(映画)柘榴坂の仇討(2014年)の感想とあらすじは?

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感想/コメント

桜田門外の変

江戸時代の幕末。桜田門外の変を題材にした映画です。

原作は浅田次郎による短編小説。短編集「五郎治殿御始末」(ごろうじどのおしまつ)に収録されています。

主人公の志村金吾と直吉(佐橋十兵衛)は浅田次郎による架空の人物です。

桜田門外の変(さくらだもんがいのへん)は、安政7年3月3日(1860年3月24日)に江戸城桜田門外(現在の東京都千代田区霞が関)で水戸藩からの脱藩者17名と薩摩藩士1名が彦根藩の行列を襲撃、大老井伊直弼を暗殺した事件。

wikipediaより

桜田門外の変が起きたのはこちら↓

江戸城(江城、千代田城)の訪城記-歴史と見どころは?(東京都千代田区)現在の皇居[国の特別史跡]
東京はこの江戸城を中心にして発展しました。現在の皇居です。千代田城とも呼ばれます。 時代小説の多くは、江戸時代を舞台にしますが、多くの時代小説に登場する江戸城を一度は訪れると良いと思います。 時代小説の世界観がより身近に感じられるようになる

井伊直弼

井伊直弼に対する評価というのは、良いものではありません。歴史は勝者が作るという典型例で、田沼意次の評価と同じなのかもしれません。

映画で語られますが、攘夷と開国は、結局のところ井伊直弼の進めた開国へと進んでいくことになります。

何のために井伊直弼が殺されたのかが分からない、という趣旨のセリフがありますが、権力闘争の中での事件だったということです。

オープニング曲

緊張感のあるピアノを主体としたオープニング曲がよかったです。久石譲の「悪夢」です。

柘榴坂

柘榴坂は今の品川駅のそばから始まる坂です。

品川駅を降りて、第一京浜にでて、右手にグランドプリンスホテル新高輪がありますが、グランドプリンスホテル新高輪の左側に走っている坂です。

映画では新橋駅から乗って、柘榴坂まで走っています。坂の下から上っているので、今の第一京浜をそのまま走ってきたことになります。

柘榴坂(ざくろざか)の歴史と見どころは?(東京都港区)高輪三丁目と四丁目の境界にある坂
品川駅を降りて第一京浜側へ出て信号を渡ってすぐの坂です。柘榴の木があったため柘榴坂と名付けられたといわれます。江戸時代はカギ形に折れ曲がる坂だったそうですが、明治時代に作り変えられて直線になりました。そのため石榴新坂とも呼ばれました。

最後の場面

二人の対決が終わって、志村金吾が佐橋十兵衛にかけるセリフは次の通りです。

「あのとき、掃部頭(かもんのかみ)様は仰せになった。かりそめにも命 をかけたる者の訴えを、おろそかには扱うな。
掃部頭様はの、よしんばその訴えが命を奪う刀であっても、甘んじて受けるべきと思われたのじゃ。おぬしら水戸者は命をかけた。
だからわしは、主の仇といえども、おぬしを斬るわけには参らぬ。」

この年に公開された映画やドラマを下に方に載せておりますので、ご参考になさってください。

あらすじ/ストーリー

雪の夜。
行列の前に、狐面をかぶった男が訴状を掲げて現れた。
何事かといぶかしがると、男は突然切り付けてきた。
志村金吾は慌てて刀を抜こうとするが、雪に柄が濡れないようにかぶせていたため、刀が抜けない。
そうこうしているうちに…。

夢だった。
うなされて起きた志村金吾の横には妻のセツが寝ている。

あれは13年前。

十三年前の春

志村家に彦根からセツが嫁入りしてきた。
金吾の両親もも大喜びだった。

そして、金吾は家督相続と、剣の腕を買われて大老・井伊直弼の籠番に推挙されていた。
井伊直弼への目通りがかない、金吾は紹介を受けた。

春。
井伊直弼は庭を見ながら何かを待っていた。
ウグイスが鳴いた。
井伊直弼は和歌を詠み、それを金吾に下した。
家督の相続と、籠番へ推挙が認められた。
金吾は身命を賭して井伊直弼に使える決心だった。

志村家は幸せに包まれていた。

冬の雪の日

冬。
雪の日。

志村金吾は井伊家の門に手紙が挟まれていることに気が付いた。
手紙には、本日、井伊直弼暗殺の企てがある旨の記載がある。
家老はそれを心配し井伊直弼に登城をやめるように進言するが、直弼は予定通り向かうといった。

雪の日のため、家臣には服等が濡れないように合羽を着ることが命ぜられた。
刀も槍も濡らさないようにとのことだった。

桜田門の近く

桜田門の近く。
ある男が訴状をもって現れた。
井伊直弼は命を賭して訴えたものを粗略に扱うなと志村金吾に命じた。

金吾は男に訴状を差し出すように、そして、身柄を確保する旨を伝えた。
その瞬間、男が切り付けてきた。これを合図に、男たちが現れた。
井伊家の家臣たちが懸命の反撃をしようとするが、雪の備えをしたために、すぐに刀や槍が抜けない。
つぎつぎと井伊家の家臣が倒れていく。

その中、徳川家康から拝領した槍が訴状を持ってきた男に奪われた。
志村金吾は男を追いかけた。
対峙している中で、遠くから、不吉な音がした。
慌てて戻る金吾は、途中で、井伊直弼を討ち取ったという声を聴いた・・・。

世にいう桜田騒動(桜田門外の変)だ。

下命

井伊家の家臣は皆討ち死にした。
一人生き残った志村金吾は、井伊家家老に呼びつけられ、下手人の一人の首でも挙げて来いと命ぜられた。
両親は息子の不始末を詫びて自害していた。それに免じて打ち首は免ぜられた。
切腹は許されず、家禄も没収された。

下手人たちは水戸藩の者たち。
十八名のうち、五名の行方が分からない。このうちの一人でいいから首を挙げる必要があった。

志村金吾とセツは長屋に移り住み、セツは飲み屋で働きながら家計を支えた。
金吾は毎日のように、行方を追っていた。

明治

やがて、
月日は流れ、
時代は明治になっていた。
廃藩置県で彦根藩はなくなっていた。
家禄が戻ることもない。帰るところもなくなった。

五人のうち行方が知れないのはただ一人、佐橋十兵衛のみとなった。

井伊直弼の月命日。
志村金吾は必ずお参りに来るが、墓前に手を合わせることはしなかった。
門の外で手を合わせていた。

金吾が去ったあと、車引きの男がやってきて、同じく門の外で手を合わせていた。
男は住んでいる長屋へ戻った。男は直吉といった。
向こう隣りにはマサとミチの母娘が住んでいる。その女の子・ミチは直吉を慕っていた。

旧友との再会

明治維新により、世の中は急激に変化していた。
侍は職を失い、服装も洋装になろうとしている。

いつものように佐橋十兵衛を探す志村金吾は、ばったりと剣術道場の同門で親友の内藤新之助に在った。
内藤新之助は制服を着て、警察の仕事に就いていた。

新之助は金吾に仇討ちはもう止めないかと言った。
セツにも苦労を掛けているのだろう。彦根藩もない。
新しい人生を踏み出せと言うが、金吾はそういうことではないのだと言った。

新之助は武士の矜持を持ち続け生きている金吾の姿を見て心動かされた。
そして、秋元和衛に相談した。

仇討ち禁止令

ある日、長屋の志村金吾の家に手紙が差し込まれていた。
秋元和衛からのものだった。
翌朝、金吾は秋元和衛邸に向かった。
雪が舞い始めていた。

途中、布告が出ているのを目にした。
仇討ちを禁ずる内容だった。

新橋駅

夜。
新橋駅。

雪が積もる中、車引きたちは帰り支度をしていた。
直吉は号外を見えていた。仇討ちを禁ずる内容が書かれている。

その直吉の前に志村金吾が立った。

直吉は志村金吾を乗せて、雪道を走った。
行先はない。

道々、金吾は直吉にいろいろ訪ねた。
互いに、相手が何者かを知っている。金吾は秋元和衛から教えてもらっていたのだ。
直吉は以前、佐橋十兵衛と名乗っていたと話した。ようやく見つけた。

坂に差し掛かった。
坂の名は柘榴坂という。

柘榴坂

坂を上りきったところで、金吾は直吉に立ち会えと言った。
直吉は刀を捨てている。金吾は自分の太刀を貸した。
二人の立ち合いがはじまった。

直吉は金吾にとどめを刺してくれと言った。
あの日、怪我で直吉は切腹出来なかったのだった。

金吾は直吉を殺さなかった。
そして、井伊直弼がどういう思いでいたかを告げて別れた。

長屋に戻った直吉は金平糖を持って、マサを訪ねた。ミチへのお土産だった。
部屋に戻る直吉が振り返って、今度三人でどこか出かけないかと誘った。

セツが店じまいのために戸を開けると、外に金吾が待っていた。
驚いたセツだったが、うれしかった。
二人は一緒に夜道をかえっていった。

映画情報(題名・監督・俳優など)

柘榴坂の仇討
(2014年)

監督:若松節朗
原作:浅田次郎「柘榴坂の仇討」(『五郎治殿御始末』所収)
脚本:高松宏伸,飯田健三郎,長谷川康夫
撮影:喜久村徳章
美術:小川富美夫
編集:阿部亙英
音楽:久石譲
殺陣:宇仁貫三
照明:長田達也
装飾:中込秀志
録音:小野寺修
助監督:山田敏久

出演:
志村金吾/中井貴一
直吉(佐橋十兵衛)/阿部寛
セツ/広末涼子
内藤新之助/高嶋政宏
マサ/真飛聖
財部豊穂/吉田栄作
稲葉修衛門/堂珍嘉邦
小野寺覚馬/近江陽一郎
ユキ/木崎ゆりあ
本多昌衛門/津嘉山正種
秋元和衛/藤竜也
井伊直弼/中村吉右衛門

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