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(映画)トロイ(2004年)の感想とあらすじは?

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感想/コメント

歴史叙事詩「イリアス」の映画化

世界最大最古の歴史叙事詩、ホメロスの「イリアス」を映画化した作品です。

神話を描いた作品らしく映像は美しいものに仕上がっています。

すべては神話の中の話ですが、描かれているのは、生身の人間たちの愛憎であり名誉です。

シュリーマンによるトロイ発掘

神話の世界を生身の人間の世界に描き直したのは、一つには、神話の世界の町であったはずのトロイ(ギリシア神話に登場する都市イリオスの別名)が、現実に存在したという事実かあるからでしょう。

シュリーマンによってトロイが発掘されたということは、ホメロスによって書かれた「イリアス」の世界も現実にあった可能性があります。

ならば、神話の英雄たちを生身の人間として描いてもおもしろいのではないでしょうか。

一騎討ちと木馬

映画の見所の一つはアキレスとヘクトルとの一騎打ちでしょう。

そして、もう一つの見所は”トロイの木馬”だと思います。

この木馬は、ギリシア軍の船を解体して作られており、一見して船の形を彷彿させてくれます。

挿絵等で描かれているような直線的な木馬ではありません。この映画の中の木馬の方が現実味があります。

ギリシア神話の英雄アキレス

さて、アキレスは、ギリシア神話に登場する英雄で、ホメロスの「イリアス」の主人公です。

英雄の構造についてはジョーセフ・キャンベルの「千の顔をもつ英雄」が参考になります。

プティア(プティーア)出身で、プティア王ペレウス(ペーレウス)と海の女神テティスとの間に生まれました。

足が速く、「イリアス」では「駿足のアキレス」などと形容されます。

テティスは、アキレスがトロイ戦争に加わると命を落とすことを予言しました。これは映画でも描かれているところです。

この後、テティスはアキレスをスキュロス島に送り、女の格好をさせます。

アキレスはここで、スキュロス王リュコメデスの娘デイダメイアとの間にネオプトレモスをもうけますが、ここは映画では割愛されています。

そこに、商人のなりをしたオデュッセウスが勧誘に来ました。オデュッセウスは女向けの商品に武器をまぜて展示しました。

女たちが見向きもしない中、アキレスだけが武器に手を出したため、正体をあばかれます。

そして、アキレスはトロイ戦争に引きずり出されてしまいます。この部分のいきさつは映画とは異なっています。

アキレスは、友人パトロクロスと共に、ミュルミドーン人たちを率いて50隻の船と共にトロイ戦争に参加しました。

トロイ戦争

ギリシア勢がトロイ戦争を開始してから十年目、ある事情により、戦利品で愛妾のブリセイスを総大将アガメムノンに奪われます。

理不尽な行為に腹をたてたアキレスは、それ以降戦いに参加しなくなります。

映画では短期間での戦いが描かれていますが、実際は十年かかる壮大な戦いだったのです。

アガメムノンの仕打ちに怒って戦いに参加しなくなったアキレス。このため、ギリシア勢は総崩れとなり、陣地の中にまで攻め込まれます。

これを見たパトロクロスは、ギリシア勢を助けてくれるようアキレスに頼みますが、アキレスは承知しません。

そこでパトロクロスはアキレスの鎧を借り、ミュルミドーン人たちを率いて出陣します。これに勇気を得たギリシア勢はトロイ勢を押し返します。

しかし、パトロクロスはトロイの王プリアモスの息子・ヘクトルに討たれ、アキレスの鎧も奪われてしまいます。

このあたりは映画と若干異なります。

アキレスの復讐

パトロクロスの死をアキレスは深く嘆き、復讐のために出陣することを決心します。

テティスはアキレスのために新しい鎧を用意し、アキレスに授けます。

出陣したアキレスは、トロイの名だたる勇士たちを葬り去ります。

トロイ勢が城内に逃げ去る中、門前に一人、ヘクトルが待ち構えていました。

このあたりも映画と若干異なりますが、大筋は押さえています。

アキレスはヘクトルを討ち、戦車の後ろにつなげて引きずりまわします。

ヘクトルの父プリアモスはこれを悲しみ、深夜アキレスのもとを訪れ、息子の遺体を返してくれるように頼みます。

アキレスはプリアモスをいたわり、ヘクトルの遺体を返します。

そして、ヘクトルの葬儀の記述をもって、ホメロスの「イリアス」は終わるのです。

トロイの劣勢

この後、アマゾーンの女王で、女神のごときペンテシレイアの加勢や、エチオピア勢を率いてきたメムノン(暁の女神エオスとティトノスの子)の加勢がありますがトロイの劣勢は変わりませんでした。

アキレスはトロイのスカイアイ門の前で戦いましたが、急所のアキレス腱をトロイの王子パリス(一説によるとアポロン)に射られ、瀕死の重傷を負って倒れてしまいます。

しかしアキレスは再び立ち上がり、トロイ勢を追い回します。

しかし予言通り、ついに死の運命が彼を捉えるのです。

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あらすじ/ストーリー/ネタバレ

スパルタとトロイの同盟

ギリシアのスパルタとトロイの間に無血同盟が結ばれた。

スパルタのメネラウス王は、長年にわたる敵であるトロイの王子ヘクトルを和解の宴に招いた。

それを祝うための宴がスパルタで催されていた。

パリスとヘレンの恋

二人の指導者が長年続いた戦争と破壊の終結を祝った日の夜、ヘクトルの弟で数々の浮き名を流してきていたパリスは、メネラウスの妻ヘレンの寝室に忍び込んだ。

二人は出会った瞬間から、禁断の恋に落ちていた。そして、パリスは情熱のままに、ヘレンをメネラウスの宮殿から奪い去る。

トロイへの侵攻

トロイ侵攻の口実を得たギリシア王アガメムノンは、屈辱に燃える弟のスパルタ王メネラオスとともに、全ギリシアを挙げての進軍を開始する。

アキレスとアガメムノン

アガメムノンは、対トロイ戦争に参戦させるために、アキレスを呼び出す。

アキレスは、敵がその名を耳にしただけで恐怖に凍りつくといわれる無敵の戦士だった。

人々はアキレスの母親は女神であり、彼が母親から不死の力を与えられていると噂したほどだった。

だが、このアキレスとアガメムノンは不仲である。

ギリシア軍の上陸

千艘ものギリシア軍の船がトロイの海岸に上陸し、アキレスがその超人的な能力で攻勢をかけると、ギリシア軍はたちまち海岸を占領した。

ヘレンは、自分が幸福を手に入れた代償に心を痛めるが、どうすることもできない。

パリスの愛が彼女を支えていたが、パリスも自らが同胞にもたらした災厄に打ちひしがれていた。

アキレスとプリセウス

アキレスは、個人的な利得のためだけに行動するアガメムノンに対する軽蔑を隠そうとしない。

アキレスは自分以外の誰かのために戦うことはなかった。

トロイとの戦いはギリシア勢の思うようには進まなかった。

その中で、アキレスはブリセウスと出会う。プリセウスはヘクトルの従姉妹である。

アキレスの功績に対する戦利品として与えられたものだった。

アキレスを怒らせるアガメムノン

アガメムノンがアキレスへの怒りと嫉妬からブリセウスをさらってしまう。

激怒したアキレスは王のために戦うことを拒否する。

アキレスを欠いたギリシア軍は苦戦を強いられることになる。

映画情報(題名・監督・俳優など)

トロイ
2004

監督:ウォルフガング・ペーターゼン
製作:ゲイル・カッツ/ウォルフガング・ペーターゼン/ダイアナ・ラスバン/コリン・ウィルソン
製作総指揮:ブルース・バーマン
脚本:デヴィッド・ベニオフ
撮影:ロジャー・プラット
音楽:ガブリエル・ヤーレ
原作:ホメロス

出演:
アキレス/ブラッド・ピット
ヘクトル/エリック・バナ
パリス/オーランド・ブルーム
ヘレン/ダイアン・クルーガー
オデュッセウス/ショーン・ビーン
アガメムノン/ブライアン・コックス
プリアモス/ピーター・オトゥール
メネラウス/ブレンダン・グリーソン
テティス/ジュリー・クリスティ
ブリセイス/ローズ・バーン

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