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(映画)ラスト サムライ(2003年)の考察と感想とあらすじは?

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感想/コメント

武士の描かれ方

この映画は、日本を舞台にして、日本人と武士道を偏見なく描こうとした、ほぼ初めての映画といわれています。

多くの日本人俳優が起用されたのも、違和感をなくすためでしょう。

ただ、日本人が描く武士道や侍像とは違うように思います。

日本人監督の場合、侍は御家(藩)や家族のために身を粉にして我慢する辛抱するものだと描いていることが多いような気がします。

一方で、この映画では、侍には独特のスピリットである武士道があって、武士道によって殉ずるという描き方のような気がします。

「葉隠」の「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」を間違って解釈したものが、映画化されてしまったかのような印象です。

また、武士のカッコ良さのとらえ方も違うようです。

これらへの回答として、20年後に真田広之さんが制作に強く関与したのが、2024年に放映されたドラマ「SHOGUN 将軍」です。

映画に映し出される景色

他に、違和感があるとしたら映画の中の「景色」がそうです。

村のシーンや戦闘シーンでの「野原や山の風景はどう考えても日本じゃねぇなぁ。」と見ている時に思ったほどです。

針葉樹ばかりで、しかも幹が太い。空の色も、少し霞みかかっている日本の空に比べて色が濃い。

海外のどこか、映画のロケとしてよく使われる、カナダかニュージーランドかと思っていたら、案の定、ニュージーランドで撮影したということです。

寺の風景は、姫路市にある古刹、書寫山圓教寺で撮ったそうです。

この寺の映像と、村での映像が、撮影している国が違うために質感が違って見え、不自然さを強調している感じでした。

モデルとなった出来事

さて、この映画は当然ながら実話ではありません。

実話ではありませんが、一八七七年の西南戦争がモデルとなっています。

渡辺謙さんが演じた勝元盛次は西郷隆盛をモデルにしているようですし、真田広之さんが演じた氏尾は、さしずめ桐野利秋といったところでしょうか。

ネイサン・オールグレンのモデルは、江戸幕府のフランス軍事顧問団として来日し、榎本武揚率いる旧幕府軍に参加して箱館戦争を戦ったジュール・ブリュネのようです。

俳優の明暗

「勝元」役を演じた渡辺謙さんが、ゴールデングローブ賞、ならびにアカデミー助演男優賞にノミネートされました。

対して、主演のトム・クルーズさんは…、何もありませんでした。

残念ながら、主役が食われる典型的な映画になってしまいましたので、仕方がありません。

西南戦争を舞台にした小説

あらすじ/ストーリー/ネタバレ

明治維新直後の日本。

南北戦争の英雄ネイサン・オールグレン(トム・クルーズ)は酒に溺れる日々を送っていた。

かつて戦った数々の戦闘も、今では取るに足りない出来事のように思える。

アンティータムとゲティスバーグで、名誉と国のために命を賭けた。しかし南北戦争以降の数年間に世界は変わってしまった。

実用主義が勇気に、利己主義が犠牲に取って代わり、名誉などどこにも見あたらない。インディアン討伐戦で果たした彼の役割が、失望と悔いに満ちあふれさせていた。

そして、ウォシタ川の川岸近くの苛酷な戦場のどこかで、オールグレンは魂を失った。そのオールグレンを近代化を目指す日本政府に軍隊の教官として招聘した。

彼はさっそく西洋式の武器の使い方などを教え始めるが、勝元盛次(渡辺謙)率いる侍たちの不穏な動きに焦る政府は、オールグレンの忠告を無視し、急造軍隊を侍掃討に送り出す。

しかし、経験不足の兵士は侍たちの反撃になすすべなく後退、ただ一人最後まで闘い続け、負傷したオールグレンは捕えられ、山深い勝元の村へ運ばれた。

勝元は近代化の波により、自分の信じる武士道が崩壊しかけていることを感じていた。

オールグレンも、遠く離れた地で、もう一人の戦士が、自分の生き方が今にも崩壊しようとしていることに気づいた。それはかつての自分を見ているかのようであった。

勝元や彼の妹たか(小雪)らと共に武家で生活することになったオールグレンは、外国文化を嫌う武士の氏尾(真田広之)らと対立しつつも、武士道に惹かれ、やがて侍たちとの絆を深めていく。

勝元は、天皇に忠義を捧げながら、武士の根絶を目論む官軍に反旗を翻していた。異国の村で、侍の生活を目の当たりにしたオールグレンは、やがて、その静かで強い精神に心を動かされていく。

そして侍たちが、政府軍を相手にした最後の戦いに臨む時、オールグレンもそこに参加。侍たちの反乱軍は圧倒的な数の政府軍に対し善戦するものの、結局は壊滅させられる。

この年に公開された映画やドラマを下に方に載せておりますので、ご参考になさってください。

映画情報(題名・監督・俳優など)

ラスト サムライ
(2003年)

監督:エドワード・ズウィック
製作:トム・クルーズ、トム・エンゲルマン、スコット・クルーフ、ポーラ・ワグナー、エドワード・ズウィック、マーシャル・ハースコヴィッツ
脚本:ジョン・ローガン、エドワード・ズウィック、マーシャル・ハースコヴィッツ
音楽:ハンス・ジマー

出演:
ネイサン・オールグレン大尉/トム・クルーズ
勝元盛次/渡辺謙
氏尾/真田広之
たか/小雪
信忠/小山田シン
飛源/池松壮亮
明治天皇/中村七之助
中尾/菅田俊
寡黙なサムライ/福本清三
大村/原田眞人サイモン・グレアム/ティモシー・スポール
ゼブロン・ガント軍曹/ビリー・コノリー
ベンジャミン・バグリー大佐/トニー・ゴールドウィン

2003年前後の興行収入ランキング

歴代の興行収入ランキング

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