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the KLF / CHILL OUTの鑑賞録(曲目と感想と紹介を添えて)

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このアルバム

この「CHILL OUT」のオリジナルはサンプリング・クリアランス(ようは違法なサンプリングをし過ぎたってことです)の問題で廃盤になっており、現在入手できるのは再リリース版である。

ちゃんと許可とりゃいいのに…って、彼ら的にはそんな面倒なことをするのは無理なんだろうな。KLFの行動を考えれば仕方のないこと。

また、ジャケットの写真はピンク・フロイドの『原子心母』をパロッたもの。この辺りにも彼らの特異性が見える(良くいえば、商業ベースに対する批判精神とも受け取れるのだが。そんなことは考えていないでしょ、絶対に。)。

また、このアルバムの制作にはthe Orb(オーブ)のAlex Paterson(アレックス・パターソン)が関わっている。
さて…

本来は掲載の予定はなかった。というのも、アルバムタイトルが”CHILL OUT”となっているが、Jose Padilla若しくはCafe del Marを中心に発展してきた現在のChill Out(チル・アウト)とは系統を異にするものだからである。

むしろAmbient(アンビエント)として捉えるのが自然だと思う。

しかし、このアルバムタイトルが現在のChill Outの名前の由来であると一般的には言われているので、掲載することにした。

面白いのは、羊の鳴き声や虫の鳴き声(そういや、Alex Patersonも好きだなぁ)やモンゴルの伝統的な発声法であるホーミー、車のホーンなどのあまり使われない音をサンプリングしている点である。

そして、ある意味珍しいのだが、ハワイアン(そういえば、現在のChill Outにおいては、ハワイアンというのは耳にすることはない。どちらかと言えば、中南米や中東、アフリカ、インドというところが多い。)が取り入れられているのも新鮮である。

アルバムに流れる音には、総じて、自然に対する敬愛と産業社会に対する批判を感じる。

現在の意味において、このアルバムはChill Outとして捉えるのは厳しいが、一枚のアルバムとしては傑作の部類に入るものである。

※曲のリストをうまくご活用ください。きっとお目当ての曲が見つかると思います。良い音楽との出会いを楽しんでください。
※この年にリリースされたアルバムを下に方に載せておりますので、ご参考になさってください。

曲目

the KLF
1990
Album title
“CHILL OUT”
Label : Wax Trax

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1 Brownsville Turnaround On The Tex-Mex Border
2 Pulling Out Of Ricardo And The Dusk Is Falling Fast
3 Six Hours To Louisiana, Black Coffee Going Cold
4 Dream Time In Lake Jackson
5 Madrugada Eterna
6 Justfied And Ancient Seems A Long Time Ago
7 Elvis On The Radio, Steel Guitar In My Soul
8 3AM Somewhere Out Of Beaumont
9 Wichita Lineman Was A Song I Once Heard
10 Transcentral Lost In My Mind
11 The Lights Of Baton Rouge Pass By
12 A Melody From A Past Life Keeps Pulling Me Back
13 Rock Radio Into The Nineties And Beyond
14 Alone Again With The Dawn Coming Up

アルバムの評価

★★★★★★★☆☆☆
【評価の内訳】3.9
【構成・バランス】A=2
【飽きのこなさ】B=1.5
【曲の好み】Av.0.4
Aランク:-
Bランク:1曲目、2曲目、3曲目、4曲目、8曲目、9曲目

プロフィール

the KLF(ザ・ケーエルエフ)
Bill Drummond(ビル・ドラモンド)とJimmy Cauty(ジミー・コーティー)によるユニット。
KLFとはKopyright Liberation Front=著作権解放戦線の略といわれている。 当初The JAMs (The Justified Ancients of Mu Mu)として活動していた。彼らは過度のサンプリングによりABBAに訴えられたり、音楽賞の授賞式で偽物のマシンガンの空砲を撃ちながら客席に飛び込んだり、ホテルのロビーには羊の死体を置き去りにするなどの、過激かつ理解不能な奇行が目立つ。
そして、数々の伝説的な奇行をしでかして音楽業界を去った。

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