それまでの壮絶な人生が嘘のような最期。それを描いたラストシーンは名場面です。
この映画は前作ゴッドファーザーPart IIより16年たって製作されました。
フランシス・フォード・コッポラ監督はゴッドファーザーをPart I、Part IIで完結すべきと考えており、三作目は外伝的な位置づけにしていたようです。
この外伝的な作品はマイケルの晩年を描いたもので、世界を揺るがした大スキャンダルであるロベルト・カルヴィ暗殺事件を筋のモチーフに用いた作品となりました。
ロベルト・カルヴィはイタリアの銀行家でヴァチカンの資金管理を行う銀行であったアンブロシアーノ銀行の頭取であったことから「教皇の銀行家」と呼ばれています。
同行の破綻直後に不可解な状況下で暗殺されたため20世紀最大の金融スキャンダルと称されました。
カルヴィ暗殺事件には様々な組織の関与が噂されています。
ヴァチカン、イタリア政財界、ユダヤ系金融家のジェームズ・ゴールドスミス、マフィア、カルヴィが所属したと言われている「ロッジP2」、CIA…などなどです。
この作品は結局アカデミー賞の受賞にはつながりませんでしたが、これはヴァチカンを巻き込んだ金融スキャンダルをモチーフにしたためで、タブーに触れてしまったためです。
シリーズ
- ゴッドファーザーPartI
- ゴッドファーザーPartII
- ゴッドファーザーPARTIII(本作)
マフィアを扱った映画なら、次の映画も面白いです。
あらすじ/ストーリー/ネタバレ
1979年。
コルレオーネ・ファミリーのドンの地位を継承したマイケルが、ファミリーの存続のため兄フレドを殺してから20年が経った。
マイケルはヴァチカンのギルディ大司教と手を結び、ファミリーの永続的な繁栄を図ろうとしていた。
「ヴィト・コルレオーネ財団」の名の下、「シシリー復興のための資金」との名目で多額の寄付を行った。
寄付の窓口となるギルディ大司教の莫大な損失の穴埋めと引き換えに、ヴァチカンと関係の深い投資会社の株を取得した。
これによって、ファミリーを違法なビジネス活動から引く決意する。
合法ビジネスへの路線変更を試みるも、オペラ歌手をめざす息子アンソニーは父と反目し合っている。
実はこの襲撃は、ジョーイ・ザザが単独で行ったわけではなく、自らも深い利権関係を持つヴァチカンとの関係を深めていたマイケルの追い落としを狙ったドン・アルトベロの肝煎りで行われたものであった。
マイケルのカトリック教会からの叙勲を祝うパーティーの席上で、マイケルは10年前に別れた妻ケイと再会する。
そこにはマイケルの妹コニーが連れてきた長兄の故ソニーの息子ヴィンセントの姿もあった。ファミリーが犯罪から手を引き、合法的な仕事に移ることを宣言したマイケルはザザの配下にいたヴィンセントを自分のもとに置き、後継者として育てようとする。
マイケルのファミリーの違法ビジネスの大部分を引き継いだジョーイ・ザザとヴィンセントの後見役となったマイケルの確執が悪化した。
アトランティック・シティのカジノホテルで行われた友好ファミリーの幹部会の最中にジョーイ・ザザの手下がヘリコプターで襲撃してきた。
ドン・アルトベロの友人でイタリア政界の大物でヴァチカンにも強い影響力を持つドン・ルケージによって、マイケルのインターナショナル・インモビリアーレの経営権の奪取は激しい妨害を受けた。
父と和解したアンソニーのオペラ・デビューが決まり、ファミリーはその発祥の地であるシシリーに集まった。
オペラの幕が上がろうとしている。だが、敵の手もすぐ近くに忍び寄っていた…。
映画情報(題名・監督・俳優など)
ゴッドファーザーPARTIII
(1990年)
監督: フランシス・フォード・コッポラ
脚本: フランシス・フォード・コッポラ、マリオ・プーゾ
音楽: カーマイン・コッポラ、ニーノ・ロータ
出演:
ドン・マイケル・コルレオーネ /アル・パチーノ
ケイ・アダムス / ダイアン・キートン
ビンセント / アンディ・ガルシア
コニー / タリア・シャイア
メアリー・コルレオーネ / ソフィア・コッポラ
アンソニー・コルレオーネ / フランク・ダンブロシオ
アル・ネリ / リチャード・ブライト
アンドリュー・ヘーゲン / ジョン・サヴェージ
ハリソン弁護士 / ジョージ・ハミルトン
グレース・ハミルトン / ブリジット・フォンダ
アルトベッロ / イーライ・ウォラック
ジョーイ・ザザ / ジョー・マンテーニャ
ヴァチカン銀行の会計士、フレデリック・カイシング / ヘルムート・バーガー
ランベルト枢機卿 / ラフ・ヴァローネ
ギルディ大司教 /ドナル・ドネリー
ドン・ルケーゼ / エンゾ・ロブッティ