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(映画)ナルニア国物語/第2章カスピアン王子の角笛(2008年)の感想とあらすじは?

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「ナルニア死す」。

前作「ライオンと魔女」から1,300年の歳月が流れたナルニア。

角笛(前作でスーザンがサンタクロースから贈られた魔法の角笛)に呼ばれて四人兄弟が再びナルニアへ呼ばれます。

ですが、そこで四人が見たナルニアはかつての生きとし生けるもの全てが幸福に包まれていた魔法の国は、もはや存在していませんでした。

ナルニアの民は侵略者であるテルマール人に追われ、深い森の奥で息を潜めて滅亡を待つのみだったのです。

ナルニアの危機に「英雄王」の長男ピーター、「やさしの君」の長女スーザン、「正義王」の次男エドマンド、「頼もしの君」の次女ルーシーが立ち向かいますが、そこにはナルニアの創造主であるアスランの姿はありませんでした。

「ライオンと魔女」では最初から「魔法の国」であったナルニアですが、本作では前半ではその面影が見えません。ですので、前作のような魔法ファンタジーを期待している人にとって前半部分は物足りなさを感じることでしょう。

前半では「魔法の国」のナルニアは遙か昔のおとぎ話の世界になっており、描かれている世界はむしろヨーロッパ中世の世界観です。

アスランが登場する後半になって、ようやく前作のような「魔法の国」ナルニアになります。アスランあってこそのナルニアであることがよくわかります。

アスランの登場だけでなく、絶対的な悪の象徴である白い魔女が登場することでもナルニアらしくないです。アスランと白い魔女の関係が相互補完的な点からもそういえます。

前半では王座をめぐる醜い権力争いが描かれ、その王座をめぐっては様々な人間の思惑が入り乱れます。

この権力争いに巻き込まれるのが、本作の題名ともなっているカスピアン王子です。

彼も最初はナルニアの存在を信じられなかったのですが、その現実を目の当たりにして信じるようになります。

そして彼は魔法の国ナルニアに共鳴し、ナルニアの民と人間たちとの和解を願うようになります。

「ライオンと魔女」でもそうでしたが本作でも頼もしいのは「頼もしの君」ルーシーです。

後半アスランが登場する場面で、これ以上勇敢だったら雌ライオンになってしまうとからかわれる位だが、いやいや、本当に頼もしいです。

前作ではすきっ歯がチャーミングな恐いものなしの女の子だったのが、さらにパワーアップした感じでした。

いっそのこと「勇敢女王」にでも名を変えればいいのに。

「ライオンと魔女」から成長したと言えば次男のエドマンド。ぶんなぐってやりてぇ、と思っていた前作からはすごく成長しました。

ひねた部分は見られなくなり、理性的な面が強くなっています。兄妹の中でもルーシーに対する理解が一番あるようです。

この映画で、かわいいキャラクター(おっと、かわいいと言ってはいけないんだった)といえば、ネズミのリーピチープ。

誇り高いナルニアの騎士で、どんな巨大な敵にも臆することなく立ち向かっていきます。

特に残念なのは、前作で劇中に流れた音楽が使われていないことです。

あの曲を使ったほうがよかったのに。

さて、ナルニア国の歴史について少々。

ナルニア暦

元年 :アスランが世界を創造 「魔術師のおい」年代記I
900年:白い魔女の冬の支配始まる
1000年:ペベンシー兄妹がアスランとともに春をもたらす 「ライオンと魔女」年代記II
1014年:アーケン国が隣国を撃退 「馬と少年」年代記III
1998年:テルマール人がナルニアを支配
2305年:カスピアン王子が森に逃亡 「カスピアン王子のつのぶえ」年代記IV
2306年:カスピアン10世大航海へ 「朝びらき丸、東の海へ」年代記V
2356年:リリアン王子を探す旅へ 「銀のいす」年代記VI
2555年:ナルニア国滅亡 「さいごの戦い」年代記VII

最後に。全編の約2/3がニュージーランド、チェコ、ポーランド、スロベニアでの大規模なロケ撮影です。

「ヨーロッパのハリウッド」と呼ばれるチェコのバランドフ撮影所では最大6つのスタジオが「カスピアン王子の角笛」に占拠されたといいます。

テルマール人の城は実際に200人のスタッフが15週間をかけて作りあげた実物でです。

監督は引き続きのアンドリュー・アダムソン。

そうそう、エンドロールが流れ始めたら、帰っても大丈夫。お楽しみはなしです。

ナルニア国物語を理解するうえでジョーセフ・キャンベルの「千の顔をもつ英雄」が参考になる。

シリーズ

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あらすじ/ストーリー/ネタバレ

ナルニア暦2,303年。

この国に「伝説の四人の王」ペベンシー兄妹が統治した黄金時代の面影はなかった。

ロンドンからナルニア国に現れ、創造主アスランと共に白い魔女を破った彼らがもたらした平和と繁栄は、彼らが現実世界へと戻ったその後、戦闘民族テルマール人の侵略によって奪われた。

長きに渡る迫害の末、生き残ったナルニアの民は深い森の奥に追いやられた。偉大なるアスランも去り、絶望のうちに息をひそめたナルニアの民と、「魔法の国ナルニア」は歴史から完全に葬られ、もはや単なるおとぎ話にすぎなかった。

テルマール人が支配するナルニアに君臨しているのは、先王亡き後、摂政を務める弟のミラースだった。

そして、ミラースに待望の男児が誕生したその夜、彼は長年秘めてきた欲望をついにあらわにし、王位を奪うべく、兄王の正統な世継ぎであるカスピアン王子の暗殺を命じた。

王子は彼の家庭教師であるコルネリウス博士の助けによって、刺客たちの魔の手から危うく難を逃れる。コルネリウスは、馬に跨るカスピアンに、テルマール人が忌み嫌う森へ逃れるようにと指示する。

そして、本当の危機が訪れた時に使うようにと、何かの包みを手渡した。

テルマール人兵士の追っ手が迫る中、カスピアンは森の奥深くへと愛馬を走らせた。森を恐れる兵士たちを引き離したことを確認しようと、王子が振り返ったその時、彼は木々をよけた愛馬から投げ出されてしまった。

その衝撃で、意識朦朧とするカスピアンの目の前で、近くの木に取り付けられた小さな扉が開き、不思議な生き物たちが姿を現した。

それは、コルネリウス博士が王国の禁を破って王子に語り聞かせた、ナルニアの伝説上の生き物たちだった。

彼らは、自分たちを迫害するテルマール人に姿を見られてしまった失敗を、どう取り戻そうか会話を交わす。彼らの姿に、衝撃を受けたカスピアンは、コルネリウス博士に渡された包みを開き、中から出てきた小さな象牙の角笛を引き寄せた。

そして、その角笛を見たナルニアの民の目が驚愕によって見開かれたその時、再びミラースの追っ手が現れ、カスピアンはその角笛を吹き鳴らした。

カスピアンの手に渡ったその角笛こそ、かつてスーザンに与えられた魔法の角笛であり、その音はナルニアに危機が迫る時、「伝説の四人の王」を呼び戻すと信じられていた。その角笛の音が、今、ナルニアの森から時を超えて鳴り響く。

それは、ナルニアの危急を告げ、戦いが迫ったことを告げる合図だった。果たして、長きにわたり闇に包まれたナルニアは、再び光を取り戻せるのか?

すべての運命は、カスピアン王子に握られていた…。

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映画情報(題名・監督・俳優など)

ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛
(2008年)

監督:アンドリュー・アダムソン
製作:マーク・ジョンソン、アンドリュー・アダムソン、フィリップ・ステュアー
製作総指揮:ペリー・ムーア
原作:C・S・ルイス
脚本: アンドリュー・アダムソン、クリストファー・マルクス、スティーヴン・マクフィーリー
音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ

出演:
ルーシー・ペベンシー/ジョージー・ヘンリー
エドマンド・ペベンシー/スキャンダー・ケインズ
ピーター・ペベンシー/ウィリアム・モーズリー
スーザン・ペベンシー/アナ・ポップルウェル
カスピアン王子/ベン・バーンズ
コルネリウス博士/ヴィンセント・グラス
トランプキン/ピーター・ディンクレイジ
グレン・ストーム/コーネル・ジョン
アステリウス/シェーン・ランギ
ミラース/セルジオ・カステリット
グロゼール/ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ
ソペスピアン卿/ダミアン・アルカザール
ニカブリク/ワーウィック・デイヴィス
声の出演:
アスラン/リーアム・ニーソン
リーピチープ/エディ・イザード
松露とり(トリュフハンター)/ケン・ストット

シリーズ

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