(映画)女帝(エンペラー)(2006年)の感想とあらすじは?

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感想/コメント

唐の後の五代十国時代。絢爛豪華な中国の宮廷で、シェイクスピアの「ハムレット」をベースにして、愛と欲望の交錯する復讐劇が繰り広げられる歴史ドラマです。

「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ(To be, or not to be: that is the question.)」

be動詞が「存在する、ある、いる」などの実在性を示すことがあるという例文として習ったこと人も多いのではないでしょうか。シェイクスピアの「ハムレット」の有名な台詞です。

「ハムレット」(Hamlet)は、シェイクスピア作の悲劇。正式名称は、「デンマークの王子、ハムレットの悲劇」(The Tragedy of Hamlet,Prince of Denmark)。シェイクスピアの四大悲劇の一つ。他の三つは「オセロー」「マクベス」「リア王」です。

デンマーク王子ハムレットが、父を殺し王位を簒奪し、母を奪った叔父に復讐するという物語。

映画は大まかにこのハムレットの筋をなぞっています。ですが、題名の通り、主人公は王妃のワンです。ハムレットに相当する皇太子ウールアンは重要な役として登場します。

この映画、舞台を見ている感じです。映し出される場面は、一部外の風景があるものの、ほとんどが宮廷内部。舞台で表現できる場面構成となっています。

もちろん、舞台と違うのは、カメラアングルが様々に変わることと、カメラが様々な方向から役者に迫ることです。この点が映画と舞台の最大の違いでしょう。

この特性を大きく利用したのが、ワンとウールアンが久しぶりに再会し、剣舞を舞うシーンでしょう。見事な踊りをみせてくれるチャン・ツィイーとダニエル・ウー。

前半のこのシーンを見て、この映画は舞台をそのまま映画化しようとしているのだなと感じました。

ラストのチャン・ツィイーの一人芝居は見応えがありました。

ただ、その後にすぐ流れるテーマ曲が…。挿入音楽は重厚なもので、映画にマッチしていたのに…。歌を入れちゃうなんて…。

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あらすじ/ストーリー/ネタバレ

(公式サイトから)

古代中国の五代十国時代。

唐王朝が滅び、国と国とが絶え間なく争い、皇室内部でも実の父と子、兄と弟が殺し合っていた戦乱期。類い希なる美しさと聡明さで、皇帝の愛と絶対的な権力を得た王妃ワン(チャン・ツィイー)の国も例外ではなかった。

ある日突然、皇帝が謎の死を遂げたのだが、それが新帝に即位した弟リー(グォ・ヨウ)の策略であることは誰の目にも明らかだった。

リーが皇太子ウールアン(ダニエル・ウー)の暗殺も企んでいると知ったワンは、歳の近い義理の息子である皇太子を守るため、夫を殺したリーとの結婚に同意する。ウールアンとワンはその昔、秘かに思いを寄せ合っていたのだ。

ワンへの想いを断ち切るため、呉越の地に隠遁し、歌と踊りの世界に生きていたウールアンは、父の死去の知らせを聞き、都へと馬を走らせる。

恋いこがれていた王妃ワンを手に入れた新帝リーは、夜ごと尽きることのない欲望に溺れ、ワンに命をささげると約束する。

しかし太陽が昇る頃には、己の権力を完璧にするために、皇太子側につこうとする者を容赦なく粛清するのだった。臣下たちの前でリーに忠誠を迫られたワンは、自分の身を守るため、世界で一番憎い男の前にひざまずく。

しかしその瞬間、ワンは豊かな胸の奥で脈打つ気高く強い魂を、復讐の神にささげたのだった。

一方、都に帰郷した皇太子ウールアンは、怒りに震えていた。父が毒蠍に噛まれて死んだなどという話はとうてい受け入れられなかった。

また、あっさりと新帝リーの妻になったワンへの嫉妬と不信にも苦しんでいた。ウールアンのいいなづけのチンニー(ジョウ・シュン)だけは一途にウールアンを慕い、その気持ちを伝えるが、ウールアンにはそんな彼女の純粋さえ疑いの目を向けるのだった。

王妃ワンの身体だけでなく、心も得たと信じた新帝リーは、王妃の盛大な即位式を執り行う。皇太子ウールアンは式の演舞の代りに父の毒殺を告発する芝居を披露する。

怒りを秘めた拍手を送ったリーは、皇太子を隣国に派遣すると宣告。両国友好のために互いの王子を人質として交換しようという申し出を受けるというのだ。その瞬間、新帝、王妃、皇太子の三人の心は、それぞれの決意、暗殺、復讐、仇討を固めていた。

隣国への旅の途中、またしてもリーの皇太子暗殺計画は失敗に終わる。ワンがチンニーの身柄を盾に、彼女の兄イン・シュン将軍(ホァン・シャオミン)に阻止させたのだ。

血に染まったウールアンの芝居用の仮面を手に宮廷に戻り、彼は死んだと偽りの報告をするイン・シュン。喜んだリーは、国を挙げての夜宴の開催をすると宣言する。

時は満ちた。広大な宮廷を満たす舞を踊る男女と群臣、高い天井のこだまする雅な音楽、酌み交わされる美酒。

新帝に捧げる盃に、そっと蠍の猛毒を溶かす王妃ワン。

皇帝が盃に口を付けようとした瞬間、チンニーが歌舞団を引き連れて現れる。愛するウールアンが殺されたと思いこんだチンニーは、彼への追悼の意を込めて舞を踊り始める。その一途な想いに心を打たれた新帝リーは、自らの盃をチンニーに与えようとするが。

この機に権力を横取りしようと画策するチンニーの父と兄、剣を隠して歌舞団に紛れ込む皇太子ウールアン、そして復讐を目前にした王妃ワンが息をのんで見守る中、はたして、様々な欲望で満たされた盃は誰の手に…。

映画情報(題名・監督・俳優など)

女帝(エンペラー)
(2006年)

監督:フォン・シャオガン
アクション監督:ユエン・ウーピン
衣装デザイン:ティミー・イップ
音楽:タン・ドゥン

出演:
ワン/チャン・ツィイー
ウールアン/ダニエル・ウー
リー/グォ・ヨウ
チンニー/ジョウ・シュン
イン・シュン将軍/ホァン・シャオミン

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