スター・ウォーズ・シリーズの記念すべき最初の上映作品。
当初はタイトルが「スター・ウォーズ」のみだったのですが、エピソード1からエピソード3までが上映されることで、タイトルが変更となり「エピソード4/新たなる希望」となりました。
もともと、9作品の構想で練られたという大河ドラマであり、1977年から続く本作を含む最初の三部作はその真ん中(第4話~第6話)を映画化したものです。
1999年からエピソード1~エピソード3までが上映されることで、エピソード1からエピソード6まである壮大なサーガとなりました。
しかし、残るエピソード7からエピソード9について、ジョージ・ルーカスは撮らないと明言しました。
これが変わったのが、2012年にルーカス・フィルムがディズニーに買収されてからです。
ディズニーがエピソード7からエピソード9を製作すると発表し、2015年から順次公開されることになりました。メガホンはジョージ・ルーカスではありません。
これにより、壮大なサーガが完成を迎えるのです。
Disney+(ディズニー・プラス)の会員になれば、常時見ることができます。
スター・ウォーズヒストリー(時系列)
スター・ウォーズ(=スカイウォーカー・サーガ)は正史(カノン)の順番通りに見るのがおススメです。
「千の顔をもつ英雄」で分析されましたように、サーガは3段階を経ます。
ミクロの視点での初代アナキン・スカイウォーカーの3段階、2代目ルークとレイアの3段階、3代目レイとカイロ・レンの3段階、そして、マクロの視点ではスカイウォーカー一族としての3段階です。
- 本編スカイウォーカー・サーガ
- 32 BBY – スター・ウォーズ1ファントム・メナス
- 22 BBY – スター・ウォーズ2クローンの攻撃
- 本編スカイウォーカー・サーガ
- 19 BBY – スター・ウォーズ3シスの復讐
- スター・ウォーズ カノン
- 13-10 BBY – ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー
- プレ・スカイウォーカー・サーガ
- 1 BBY – ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
- 本編スカイウォーカー・サーガ
- 0 BBY/0 ABY – スター・ウォーズ4新たなる希望 (本作)
- 3 ABY – スター・ウォーズ5帝国の逆襲
- 4 ABY – スター・ウォーズ6ジェダイの帰還
- 本編スカイウォーカー・サーガ
- 34 ABY – スター・ウォーズ7フォースの覚醒
- 34 ABY – スター・ウォーズ8最後のジェダイ
- 35 ABY – スター・ウォーズ9スカイウォーカーの夜明け
感想/コメント
黒澤明からの影響
エピソード4~エピソード6について、黒澤明監督の「隠し砦の三悪人」からの影響を強く受けた作品といわれています。
「隠し砦の三悪人」に登場する百姓コンビはがC-3POとR2-D2のモデルとなり、雪姫もレイア姫のモデルといわれています。
他にも、ダース・ベイダーのマスクが明らかに兜を意識したものである所や、それまでのハリウッドでは採用されなかった刀をモチーフにしたライト・セイバーや、ジェダイの服装が作務衣に酷似しているなど、日本映画の影響を強く受けています。
(アクションの完成度がエピソード1~エピソード3のほうが凄いのは、撮影した時代の差であり、エピソード1~エピソード3のアクションは強くカンフーの影響を受けています。)
世界観に影響を与えた本たち
その他にも、ルーカスは、エドガー・ライス・バローズ、E・E・スミス、フランク・ハーバートなどのSF作品、グリム童話やC・S・ルイス、J・R・R・トールキンなどのファンタジー、金枝篇や各地の神話などを読み込んで構想を練ったそうです。
エドガー・ライス・バローズは「火星シリーズ」「金星シリーズ」「ムーン・シリーズ(月シリーズ)」などのSF作品のほか、「ターザン・シリーズ」があります。
E・E・スミスは「レンズマン」シリーズや「スカイラーク」シリーズで知られています。「スペースオペラの父」と呼ばれます。
フランク・ハーバートは6作品から構成される「デューン」シリーズで知られています。「デューン」シリーズはSF作品としてだけでなく、文学としても古典的名作とされます。
C・S・ルイスは「ナルニア国ものがたり」シリーズなどのファンタジー作品で知られます。(映画:「ナルニア国物語/第1章ライオンと魔女」「ナルニア国物語/第2章カスピアン王子の角笛」「ナルニア国物語/第3章アスラン王と魔法の島」)
J・R・R・トールキンは「指輪物語」などのファンタジー作品で知られます。(映画:「ロード・オブ・ザ・リング1」「ロード・オブ・ザ・リング2/二つの塔」「ロード・オブ・ザ・リング3/王の帰還」)
「金枝篇(きんしへん)」(The Golden Bough)は、未開社会の神話・呪術・信仰に関する集成的研究書です。イギリスの社会人類学者ジェームズ・フレイザーによって著されました。
千の顔をもつ英雄
神話の中で特に大きな影響を与えたのが、神話学者ジョセフ・キャンベルの「千の顔をもつ英雄」だったといわれています。
この本は英雄の物語の構造について書かれています。英雄の物語は、旅立ち(セパレーション)、通過儀礼(イニシエーション)、帰還(リターン)という構造を経るといいます。
これはスター・ウォーズだけでなく、ロード・オブ・ザ・リングなどでも見られる構造だそうです。マトリックスもそうだといいます。
フォースのヒント
また、「フォース」の概念については、カルロス・カスタネダの「未知の次元」から影響を受けたといいます。
具体的には、オビ=ワン・ケノービが消失してフォースと一体化するというアイデアは「未知の次元」から得たそうです。
なお、カルロス・カスタネダの書はヤキ・インディアンの呪術師ドン・ファン・マトゥスの下での経験をもとに書かれています。
C-3POとR2-D2の出会い
エピソード4で興味深いのは、C-3POとR2-D2は始めて会ったようになっていることです。エピソード1~3までを見ていれば、当然互いに既知であるはずなのですが…。
どうやら、C-3POの方の記憶装置が消去されたためのようです。となると、R2-D2のほうは分かっていてしらばっくれているということなのでしょうか。食えないやつです。
同じように、オビ=ワン・ケノービもC-3POとR2-D2に始めてあったように接しているので、こちらも食えない爺様です。
雑談
当初、スター・ウォーズはコケル(失敗する)と思われていた作品でしたので、上映された映画館は極端に少なかったそうです。
ですが、上映した映画館のほぼ全てで売り上げ記録を更新し、上映館は順次拡大し、映画史上に名を残す作品の仲間入りをすることになりました。
さて、デス・スター内でハン・ソロが勢い良くつっこんて行くものの、大勢のストーム・トルーパーがいて、これまた勢い良く戻ってくるシーンは、後年「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」でパロディとして使われました。もちろん演じているのは、同じくハリソン・フォードです。
あらすじ/ストーリー/ネタバレ
オープニング・クロール
遠い昔、遥か彼方の銀河系…
内戦のさなか。秘密基地から反乱軍の宇宙船が奇襲を仕掛け、邪悪な銀河帝国に初勝利を得ていた。
戦闘中、反乱軍のスパイが帝国の最終兵器デス・スターの設計図を盗み出すことに成功した。デス・スターは惑星全体を破壊するのに十分な力を持つ宇宙要塞だ。
邪悪な帝国軍に追われながら、レイア姫は盗み出した設計図を持って母星に向かっていた。人々を救い、銀河に自由を取り戻すために…。
レイア姫を捕まえるダース・ベイダー
<共和国の守護神だったジェダイは絶えた。だが、ここでは救世主伝説と同じように、「復活」への希望が最初から語られる。>
反乱同盟軍のスパイが帝国の誇る宇宙要塞デス・スターの設計図を盗み出す事に成功した。
デス・スターは惑星をも完全に破壊できる力を持った人工惑星である。
銀河帝国皇帝パルパティーンはダース・ベイダー卿にデス・スターの設計図奪還と同盟軍本拠地の早期発見を命じた。
帝国軍の戦艦に追われていた反乱同盟軍の宇宙船には指導者の一人レイア・オーガナ姫がいた。
レイア姫はオビ=ワン・ケノービに助けを求めるべくR2-D2に救援メッセージとデス・スターの設計図を託した。
R2-D2は相棒のC-3POと共に船から脱出した。
密命を帯びたR2-D2、くっついていくC-3PO
R2-D2とC-3POは砂漠の惑星タトゥイーンに漂着した。
さまよっているところをジャワ族につかまり、セリ市に出されてしまう。
2体はオーウェン、ベルーのラーズ夫妻と甥のルーク・スカイウォーカーに購入された。
ルークは偶然にもR2-D2が内部に記録していたレイアのホロ・メッセージの一部を見てしまう。
彼女はオビ=ワン・ケノービという人物に助けを求めており、R2-D2も自分の本当の主人はオビ=ワンだと言う。
ルークは砂漠の端に住む変わり者の隠者ベン・ケノービのことかと思った。
R2-D2は夜中にラーズ家を抜け出し単身でオビ=ワンにそのメッセージを届けようとする。
そうと知ったルークは、R2-D2を追った。だが、ルークらとは襲撃に遭う。
そこを助けたのは老人ベン・ケノービだった。
ルークはベン・ケノービに事情を説明した。
R2-D2がオビ=ワン・ケノービという人物を探しているということを。
そして、ベン・ケノービこそが、共和国のジェダィ騎士団の生き残りで、レイア姫がメッセージの中で助けを求めたオビ=ワン・ケノービだったことがわかる。
ベン・ケノービはジェダイの騎士だった。
ルーク・スカイウォーカーとオビ=ワン・ケノービの出会い
ベン・ケノービはルークの父親が共に共和国のジェダイの騎士であったことを教えた。
ルークの父はベン・ケノービの弟子だったダース・ベイダーによってやられたことを教えた。
ダース・ベイダーはフォースの暗黒面に落ちたのだ。
そして、ルークに父の形見のライトセイバーを手渡した。
<西欧において、騎士といえば、その武器はサーベルや槍であり、刀ではない。サーベルは相手を付くことを主眼とした武器で、斬るという武器ではない。だが、ここに登場するライトセイバーは相手を斬る武器であり、その使い方は、日本刀のそれを踏襲している。>
帝国軍がR2-D2に残されたデータを探していることを知ったルークは家に急いで戻った。
だが、家は燃やされ、叔父と叔母は帝国軍に殺害されていた。
ルークは惑星に留まる理由がなくなり、父のようにジェダイの騎士になる事を誓って、ベン・ケノービとオルデランへ行く事を決意する。
ハン・ソロとチューバッカ登場
彼らは宇宙船調達のため、タトゥーイン惑星の宇宙空港のある街モス・アイズリー宇宙港で腕のいいパイロットを探した。
そこで出会ったのが、密輸船長ハン・ソロとその右腕チューバッカだった。
宇宙船ミレニアム・ファルコン号は見た目はポンコツだが、速さ自慢の船である。
皆が船に乗り込もうとすると、ジャバ・ザ・ハットがハン・ソロを待ち構えていた。
借金を返せという。ハン・ソロは少し待てと交渉した。
ジャバ・ザ・ハットはハン・ソロに念押しをして去っていった。ボバ・フェットも一緒だった。
一行は帝国軍の追跡を振り切ってオルデランへ向かう。
船内でルークはベン・ケノービからフォースの修行を受けた。
デス・スターの威力
その頃、レイア姫は故郷のオルデランを破壊すると脅された。
反乱軍の本拠地を教えろと迫られたのだ。そして、教えたにもかかわらずデス・スターによってオルデランを消されてしまう。
だが、レイア姫が教えたのはすでに放棄された反乱軍の基地だった。
オルデランが消滅した頃、ベン・ケノービはフォースに異常な乱れが起きた事を感じた。
ミレニアム・ファルコン号がオルデランのあるはずの座標に到着するが、オルデランはなかった。
そして、デス・スターに拿捕されてしまう。
帝国軍は船内の徹底調査を開始したが、ルークらはストームトルーパーに変装してデス・スターに潜入出した。
デス・スターから逃げ出す方策を探すためだ。
レイア姫救出
R2-D2にデス・スターのコンピュ-ターから情報を引き出させた。
そして、R2-D2の解析によりレイア姫がここに監禁されている事が分かり、ルークはハン・ソロとチューバッカを説得し救出に向かう。
レイア姫の救出に成功し、ファルコン号へと戻る。
格納庫のそばで、ベン・ケノービとダース・ベイダーが対峙していた。
ベン・ケノービ、それはかつてのオビ=ワン・ケノービだが、力が衰えていた。
ルークらが逃げることに成功しそうなのを確認すると、ベン・ケノービはダース・ベイダーに隙を見せた。
ダース・ベイダーのライトセイバーがベンのローブを切り払う。
だが、ベンの死体はなく、消え去った。
ベン・ケノービは若き弟子・ルークに未来を託し、ダース・ベイダーのライトセイバーを受けてフォースと一体となったのだ。
デス・スター攻撃
ミレニアム・ファルコン号はレイア姫の案内で惑星ヤヴィンの第4衛星へたどり着く。
そして、R2-D2が持っているデス・スターの設計図から、唯一の作戦を導き出した。
デス・スターは大規模な攻撃を想定して作られているが、戦闘機による襲撃は想定していない。
そのため、戦闘機による攻撃作戦が立案された。
そして、デス・スターには致命的な欠点が1箇所だけある。
それは、反応炉の排熱口が表面に直結しているのだ。そこにミサイルを撃ち込めば、デス・スターが破壊できる。だが、排熱口は直径わずか2メートル。
ハン・ソロは礼金をもらって去ろうとした。ジャバ・ザ・ハットへ借金を返さなければならない。
だが、ルークは一緒に戦ってくれると思っていたので、がっかりした。
そして、ルークはパイロットの一員として出撃した。
映画情報(題名・監督・俳優など)
スター・ウォーズ4/新たなる希望
(1977年)
監督、脚本: ジョージ・ルーカス
音楽: ジョン・ウィリアムズ
出演:
ルーク・スカイウォーカー / マーク・ハミル
ハン・ソロ / ハリソン・フォード
レイア / キャリー・フィッシャー
オビ=ワン・ケノービ / アレック・ギネス
モフ・ターキン / ピーター・カッシング
C-3PO / アンソニー・ダニエルズ
R2-D2 / ケニー・ベイカー
チューバッカ / ピーター・メイヒュー
ダース・ベイダー / デヴィッド・プラウズ
声の出演:
ダース・ベイダー / ジェームズ・アール・ジョーンズ
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