このアルバム
ジャケットのように、ダークで重い感のあるアルバム。
暗いところは、例えばTrip HopのPortisheadに通じる部分があり、Portisheadはどちらかといえば病的な暗さがあるが、”To Come…”の暗さは、詩人が心の内側に向かっているような、内向的な暗さである。深い心の闇を覗き見るような…。
さて、アルバムタイトルの5曲目は、シングルカットされている。力強いドラムとベースラインに、ミニマルなピアノが載っている。ストリングスも入り込んで重厚感あふれる曲となっている。MCが入り込むが、これが入ることによって曲が全体的に締まっている。
続く6曲目は、ラップが入り込むが、Silent Poetsの音楽の幅の広さを伺わせる一曲である。
ボーカルものが多いが、ボーカルも所詮楽器の一つというとらえ方で処理している感じ。ボーカルが出しゃばっていない点が高評価できる。
※この系統の音楽で他のアーティストを探したい場合は「チルアウトとラウンジとは」が多少なりとも参考になると思います。
曲目
Silent Poets
1999
Album title
“To Come…”
Label :Toy’s Factory
1 Fact
2 I Will Miss This Holy Garden feat. Verginia Astley
3 Someday feat. Anomolies
4 Where The Sidewalk Ends feat. Kirsty Hawkshaw
5 To Come…
6 Prisons feat. Anomolies
7 The Corner
8 Sugar Man feat. Terry Hall
9 Come Raising
10 Save The Day feat. Roba
11 A Fork In The Road
アルバムの評価
★★★★★★★★☆☆
【評価の内訳】4.1
【構成・バランス】A=2
【飽きのこなさ】A=2
【曲の好み】Av.0.1
Aランク:-
Bランク:5曲目、6曲目
アーティストの紹介
Silent Poets(サイレント・ポエツ)プロフィール:
下田法晴(pro、samples、keys)と春野高広(sax、pro、keys)からなるユニットだったが、現在は下田法晴のソロプロジェクトになった(はず、確か…)。
日本人アーティストの中では、最もクオリティの高い部類に入ると思っている。国内で、もっと評価が高くなってもおかしくないと思うのだが…。