シリーズ2の第1話。通算4作目。
ボヘミアの醜聞 “A Scandal in Bohemia”を下敷きとしています。
ボヘミアの醜聞 では結婚して開業医にもどっているワトソンが久しぶりにホームズを訪ねるところから始まります。
そこにホームズに依頼に来たボヘミア国王が現れ、かつて交際していたオペラのプリマドンナであるアイリーン・アドラーから脅迫されるという設定です。
シリーズ1のシャーロックは、鋭い観察眼をもつ非感情的な人間として描かれてきました。
ですが、このシリーズ2では、シャーロックの感情面も描かれています。
まずはこの話でシャーロックの恋心が描かれます。
シリーズ1の第3話で宿敵・モリアーティが現れ、思わせぶりな終わり方をしました。
その終わりの場面からシリーズ2は始まります。
さて、アイリーン・アドラーが持っている写真の中で、スキャンダル以上に重要な写真が一枚あります。
それこそが、マイクロフトが取り返してもらいたかった本当の写真です。
「コベントリーの悲劇」と知られる信ぴょう性に疑問符のつく逸話があります。
「コベントリーの悲劇」とは次のような逸話です。
第二次世界大戦中、イギリスはドイツの空襲に晒されていました。
当時の連合国はドイツの暗号「エニグマ」の解読を急いでおり、ついに解読できて、ドイツ軍がコベントリーの空襲を計画していることが分かりました。
ですが、解読できたことが分からないように、あえて空襲をさせて多くの犠牲者をだしたといいます。
イギリス政府が同じことを繰り返そうとしている。そうシャーロックは推測します。
なぜなら、アイリーンが持っていた写真には、ある特定の便の飛行機の座席を示すものが乗っていたのです。その座席に爆弾をしかけてあります。
イギリス政府は知っているが情報源を隠すため爆弾を放置する気だ、と判断しました。
ですが、この計画はイギリス政府の周到な計画によるものでした。というのは、乗客はすでに死んでいる死体ばかりです。本当の犠牲者はいないのです。
シャーロックの鋭すぎる観察眼が、計画の全てを無に帰してしまったのです。
シリーズ
- SHERLOCK/シャーロック第1話「ピンク色の研究」(シリーズ1第1話)
- SHERLOCK/シャーロック第2話「死を呼ぶ暗号」(シリーズ1第2話)
- SHERLOCK/シャーロック第3話「大いなるゲーム」(シリーズ1第3話)
- SHERLOCK/シャーロック第4話「ベルグレービアの醜聞」(シリーズ2第1話) 本作
- SHERLOCK/シャーロック第5話「バスカヴィルの犬(ハウンド)」(シリーズ2第2話)
- SHERLOCK/シャーロック第6話「ライヘンバッハ・ヒーロー」(シリーズ2第3話)
- SHERLOCK/シャーロック第7話「空の霊柩車」(シリーズ3第1話)
- SHERLOCK/シャーロック第8話「三つの兆候」(シリーズ3第2話)
- SHERLOCK/シャーロック第9話「最後の誓い」(シリーズ3第3話)
- 映画「SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁」(2015年)(第10話)
- SHERLOCK/シャーロック第11話「六つのサッチャー」(シリーズ4第1話)
- SHERLOCK/シャーロック第12話「臥せる探偵」(シリーズ4第2話)
- SHERLOCK/シャーロック第13話「最後の問題」(シリーズ4第3話)
あらすじ/ストーリー/ネタバレ
シャーロック・ホームズとジョン・ワトソンは、プールサイドでジム・モリアーティと対峙していた。
モリアーティは、これ以上首を突っ込むと破滅させるとして、シャーロックの頭に銃のレーザー光を設定している。シャーロックもまた、モリアーティに銃口を向けていた。
両者すくみ合いの中。モリアーティの携帯が軽快に鳴り、モリアーティは「今は死ねなくなった」と告げて消えた…。
後日、ジョンは、シャーロックが解決した事件の数々を、ブログにアップしていた。
ブログは今や、多くの読者を抱え、2人に仕事の依頼は続々押し寄せるが、シャーロックを刺激するような依頼は来なかった。
ハイキング中の男性が車のバックファイヤーを起こしたと同時に死亡した、という事件の現場検証中にジョンはヘリでバッキンガム宮殿へ連れて行かれた。
シャーロックも連れてこられていた。シャーロックは全裸にシーツを巻いた姿だった。下には何もつけていない。
シャーロックの兄マイクロフトが現れ、匿名の依頼人は「高名な方」で、国家の一大事だと告げる。
シャーロックの兄で、国家機密保持担当官マイクロフトによると、 “国家の一大事”とも言える事件の解決を、ある高名な御方が依頼しているから、ということだった。
依頼内容は、性的サービスを提供し、「あの女」と呼ばれる女性アイリーン・アドラーが持つ写真を奪うこと。ある若き女性の不名誉な写真だ。
シャーロックは、王室を相手に自ら写真の存在を知らせてきていながら、なにも要求していないアイリーンに猛烈な興味を抱く。
アイリーンの家を訪ねたシャーロックは、アイリーンとの会話と、鋭い洞察力と観察眼から、今いる部屋に問題の写真があることを突き止めた。そこにアメリカ人の一団が銃を手に押し入ってきた。
アイリーンが自分の命より大切にしていたのは、携帯だった。
そこに問題の写真があった。
だが、その携帯には、写真以上に重大な機密が隠されていたのだった。
映画情報(題名・監督・俳優など)
SHERLOCK/シャーロック
第4話「ベルグレービアの醜聞」
A Scandal in Belgravia
(シリーズ2第1話)
シャーロック・ホームズ/ベネディクト・カンバーバッチ
ジョン・ヘイミッシュ・ワトソン/マーティン・フリーマン
ハドソン夫人/ユナ・スタッブス
レストレード警部/ルパート・グレイヴス
マイクロフト・ホームズ/マーク・ゲイティス
モリー・フーパー/ルイーズ・ブリーリー
アイリーン・アドラー/ララ・パルヴァー
サラ・ソーヤー/ゾーイ・テルフォード
ジム・モリアーティ/アンドリュー・スコット