このアルバム
ジャケットと題名からも分かるように、ネイティブ・アメリカンをモチーフにしたアルバムである。
ネイティブ・アメリカンとクラブミュージックを融合させた感じといえる。
アルバムコンセプトがハッキリしており、なおかつ、アルバムの構成が始まりから終わりまで計算され尽くしているのが素晴らしい。これはお薦めのアルバム。
2曲目:太鼓の音によるリズムと、ネイティブ・アメリカンの歌声、それを盛り上げるシンセが見事に融合している。
3曲目:ゆったりとしたリズムの中に笛の音が響く。ネイティブ・アメリカンのダンスとはこういう感じなのだろうか。アメリカの大地を踏みしめる音が聞こえてくる。
5曲目:ストリングスから入る。西洋的な音楽にネイティブ・アメリカンの音楽がどう交わるのか。個人的にはこのアルバムで最も好きな曲。ディープな瞑想が出来るような、深遠な感じを与える曲。乾いたネイティブ・アメリカンの音楽に、ストリングスはしっとりとした潤いを与えるかのようでもある。
6曲目:フロア向き。トライバルもしくはエスノな感じの曲をかけるDJがいるのなから、これと組み合わせて欲しい。
7曲目:これも5曲目同様、ストリングスが強く出ている。ただし、この曲はネイティブ・アメリカンの音程をストリングスで表現している。
なお、プロデューサーであるClaus Zundel(クラウス・ズンデル)はイビサとも深い関わりがある。多くのアーティストが引きつけられるイビサは、音楽発信の聖地とも言えるのかもしれない。
※この系統の音楽で他のアーティストを探したい場合は「美しき曲たち ワールドでファンタジックな音色」が多少なりとも参考になると思います。
曲目
Sacred Spirit
1994
Album title
“Chants and dances of the native Americans”
Label : Survival
1 Intro & Prelude (How the West was lost)
2 Tor-Cheney-Nahana (Winter ceremony)
3 Ly-O-Lay-Ale Loya (The counterclockwise circle dance)
4 Ya-Na-Hana (Celebrate wild rice)
5 Dawa (The cradlesong)
6 Gitchi-Manidoo (Advice for the young)
7 Yeha-Noha (Wishes of happiness & prosperity)
8 Ta-Was-Ne (Elevation)
9 Heya-Hee (Intertribal song to stop the rain)
10 Shamanic Chant No5 (Heal the soul)
11 Yo-Hey-O-Hee (Brandishing the tomahawk)
アルバムの評価
★★★★★★★★★★
【評価の内訳】5.0
【構成・バランス】A=2
【飽きのこなさ】A=2
【曲の好み】Av.1.0
Aランク:2曲目、5曲目、7曲目
Bランク:1曲目、3曲目、6曲目、8曲目、10曲目
Sacred Spirit(セイクレッド・スピリット)プロフィール
Claus Zundel(クラウス・ズンデル)によるプロジェクト。
Claus Zundel(クラウス・ズンデル)はハイデルベルグ大学でマーケティングと帰納統計学を専門に経済学を専攻し大学から哲学の博士号を授与された経歴を持つ。その後、音楽業界に身を置く。Sacred Spirit以外のプロジェクトとして有名なのはB-Tribeである。
現在はEnigmaのMichael Cretu(マイケル・クレトゥ)同様、スペインのイビサ島に住んでいる。