(映画)紅の豚(1992年)の感想とあらすじは?

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感想/コメント

ジブリ作品としては唯一のハードボイルドタッチの映画です。

「飛ばねぇ豚は、ただの豚だ。」というセリフは、まぁ、冷静に読めば間抜けなのですが、映画のワンシーンで見れば、かなりカッコいいです。男のダンディズムといってもいいのかもしれません。

レイモンド・チャンドラーの作品に登場するフィリップ・マーロウのセリフが頭をよぎります。プレイバックのセリフです。

If I wasn’t hard, I wouldn’t be alive. If I couldn’t ever be gentle, I wouldn’t deserve to be alive.

訳はいろいろあります。

清水俊二訳は「しっかりしていなかったら、生きていられない。やさしくなれなかったら、生きている資格がない」(早川書房、1959年)

生島治郎訳は「タフじゃなくては生きていけない。やさしくなくては、生きている資格はない」(講談社、1964年)

時代設定

イタリアのファシズムが台頭し始めた時期を舞台にしているのは、様々な解釈が出来そうです。

後年「ハウルの動く城」で描かれた舞台設定にも似ています。

そうした時代に生きることを余儀なくされる場合、人はどう動くのでしょうか。かつての仲間フェラーリンはポルコに向かってこう言い放ちました。「国家とか民族とかくだらないスポンサーを背負って飛ばなきゃならないんだ。」

この映画には名セリフが多いですが、次のセリフはアメリカのハリウッド映画に対する痛烈な批判のように聞こえました。

「ここではあなたのお国より、人生がもうちょっと複雑なの。」 。恋の国イタリアを舞台にすることによって、画一的な恋愛を描き続けるアメリカの単純さを、一刀両断のもとに切り捨てたセリフです。

名セリフ

さて、冒頭で紹介しました最も有名なセリフはどういう流れで出てきたかをおさらいをしましょう。

ジーナ「マルコ あなたなの?ケガは?今 船で捜しに行こうとしていたの。…そう よかった。」

マルコ「ほど良くやせたぜ。2日ほど無人島にいたからな。これから艇を直しにミラノへ行ってくる。あのアメリカ野郎が店に来たら伝えてくれねえか。今度また会おうぜってよ」

ジーナ「何よ!人を伝言板か何かと思ってるの!いくら心配しても あんた達 飛行艇乗りは女を桟橋の金具くらいにしか考えてないんでしょう…。」

ジーナ「マルコ…。今にローストポークになっちゃうから…。私イヤよ そんなお葬式。」

マルコ「飛ばねえ豚は ただの豚だ」

ジーナ「バカ!!」

舞台とも言われる要塞都市「ドゥブロヴニク」はアドリア海の真珠とも呼ばれるクロアチアの美しい港町

ドゥブロヴニクはクロアチアにある世界遺産の街。「紅の豚」「魔女の宅急便」の舞台とも言われています。

スルジ山の山頂からの景色は、「アドリア海の真珠」と言わしめた理由がわかります!

https://retrip.jp/articles/4163/

ドゥブロヴニクの楽しみ方
その1:中世の世界にどっぷり浸かる
その2:幻想的な夜の散歩
その3:旧市街を上から眺める
その4:もう一人の住人、猫たちと戯れる
その5:城壁を歩いてみる

宮崎駿関係アニメ(一部)

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あらすじ/ストーリー/ネタバレ

世界恐慌後のイタリアのアドリア海。

ポルコ・ロッソは第一次大戦時にイタリア空軍のエース・パイロットだった。彼はある事を機に自分に魔法をかけ、豚に姿を変えた。彼はアドリア海の空賊を捕らえる賞金稼ぎを生業としている。

この日、空賊・マンマユート団に襲われたバカンスツアーの女学校の生徒達を助けた。

そして、その夜に幼なじみのジーナが経営するホテルアドリアーノへ出かけた。

そこにはポルコを倒すため、空賊達が雇ったカーチスというアメリカ人がいた。彼の飛行技術はポルコも認めるほどの腕だった。

ジーナはアドリア海の飛行艇乗りの誰もが恋に落ちると言われる。

ジーナとポルコは昔からの仲間で、 ジーナの夫は3人とも飛行艇乗りだったが、皆死んでしまった。

ポルコの飛行艇のエンジンの調子が悪い。飛行艇の整備のためにミラノに向かうことにしたポルコ。

途中でポルコを待ち構えていたカーチスと遭遇した。

一騎打ちを挑むカーチスに対して、離脱を試みるポルコ。だが、エンジンが停止し、撃墜されてしまう。

一命を取りとめたポルコは、大破した愛機とともにミラノへ向かい、馴染みのピッコロ社に修理を依頼する。

ポルコの飛行艇の設計をするのはピッコロの孫娘・フィオ。ポルコはだめだというものの、熱意に負けてしまう。

ピッコロ社の息子達はみな出稼ぎにいっている。だから、ポルコの飛行艇はピッコロの一族の女性陣だけで行った。

完成した飛行艇は完璧だった。

飛行艇が完成するころに、イタリアのファシストの秘密警察がポルコを追っていることに気がついた。

完成した飛行艇とともに逃げるポルコ。そして、飛行艇をイタリア空軍が待ち構えている。

フィオはポルコ艇に乗り込み、彼と行動をともにする。

ジーナに一目惚れしていたカーチスは、ポルコがいない間に彼女に言い寄るが、私には待っている人がいると、あっさりかわされてしまう。

そこに、ポルコの飛行艇が現れた。ポルコは自分の無事を ジーナに見せにきたのだった。

ようやくアジトに戻ったポルコたちを待ち受けていたのは、空賊どもだった。

そして、なぜかフィオを賭けてカーチスとの一騎打ちをすることになってしまった。

決闘の前夜、ポルコはフィオにせがまれるままに、第一次大戦での体験を語った。

決闘当日、二人の対決を見ようと、大勢の空賊が集まってきた。

そして、大空中戦を繰り広げるポルコとカーチス。

映画情報(題名・監督・俳優など)

紅の豚
(1992年)

監督:宮崎駿
プロデューサー:鈴木敏夫
原作:宮崎駿
脚本:宮崎駿
音楽監督:久石譲
唄:加藤登紀子

声の出演:
ポルコ・ロッソ / 森山周一郎
マダム・ジーナ / 加藤登紀子
ピッコロおやじ / 桂三枝
マンマユート・ボス / 上條恒彦
フィオ・ピッコロ / 岡村明美
ミスター・カーチス / 大塚明夫

ジブリ音楽の紹介

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