劇場版第19弾です。
機巧は「からくり」と読みます。絡繰などの漢字を当てることもありますが、かな表記の方をよく見ます。
マギアナは、500年前の発明家によって誕生した人造ポケモンです。どことなく、江戸時代のからくり人形を思わせるような設定です。
江戸時代ほど古くはなくとも、なんとなく明治時代・大正時代をモチーフにしたスチームパンクっぽいです。
相方のボルケニオンも、蒸気をエネルギー源とするので、さらにそうした雰囲気になります。
ですが、スチームパンクっぽさが中途半端なので、もうちょっと設定にスチームパンクっぽさを入れ込んでもよかったように思います。
こうしたスチームパンクの設定の他に、別の要素をこの映画から感じました。
映画冒頭の飛行艇が雲から浮かび上がってくるシーンは、宮崎駿映画を思い起こさせるのです。風の谷のナウシカや、天空の城ラピュタなどで見かけるシーンです。
古い時代の技術を悪用しようとする設定などはラピュタに似ています。
スチームパンクとラピュタの設定を、足して割った設定に、ポケモンの世界観を注ぎ込んだのが本作という印象です。
あらすじ/ストーリー
ボルケニオン
雲の中から飛行艇が浮かび出てきた。その飛行艇を追いかけてきた赤い大きなポケモン。
飛行艇から追いかけてきたポケモンを撃退するために、メガ進化させたオニゴーリたちを放った。そして、ポケモンの足に、不思議な輪をはめた。輪をはめられたポケモンは落下していった。
オンバーンとコルビー、レントラーとピカチュウのバトル。ポケモンのトレーニングをしていたサトシたちの前に空からポケモンが落ちてきた。
そのポケモンの足についていた輪がサトシのお腹に巻き付いた。不思議な輪の電磁パルスのせいで、サトシとボルケニオンと一定の距離を離れるとすごい力で引き付け合った。謎のポケモンとサトシは離れられなくなってしまった。
ポケモンの名はボルケニオン。ボルケニオンは人間が嫌いだ。信用ができないからだ。だから、サトシに近づかれることを嫌がるが、電磁パルスのせいで離れたくても離れられない。
ボルケニオンはアゾット王国に向かった。嫌ながらもサトシを連れて行くしかない。
アゾット王国とマギアナ
アゾット王国はカラクリの街。巨大な歯車がまわり続ける超カラクリ都市。昔、エリファスという発明家がポケモンの能力を元に様々な発明をし、アゾット王国は豊かだった。
この国のラクル王子が、あるポケモンをボルケニオンの元から連れ去ったのだ。マギアナというポケモンだ。
マギアナはエリファスが造った世界でただ一体の人造ポケモンだ。500年前に行方不明になっていた。それまでは王族に仕えていた。
ボルケニオンとサトシはラクル王子の前に降りた。アゾット王国の大臣ジャービスもいる。ボルケニオンは、マギアナを連れ戻しにやってきたが、ジャービスたちが応戦した。
オニゴーリやゲンガーたちがメガ進化した。本来、メガ進化はトレーナーとポケモンの絆によってできる進化だ。だが、ジャービスたちはメガウェーブという力を使い、人工的にメガ進化させていた。
ネーベル高原
マギアナを奪還することに成功したサトシ達はその場から離れた。セレナ達仲間と合流し、ひとまずアゾット王国から離れることにした。
ジャービスたちはロケット団を使いマギアナを捜索させた。マギアナを見つけたロケット団が攻撃を仕掛けてきた。ピンチになった時、キミア王女が助けに現れた。王女によるとエリファスに憧れるラケル王子は、発明が得意な大臣ジャービスをとても信頼しているらしい。
サトシたちはボルケニオンたちが暮らすネーベル高原に向かった。そこは人間達に傷つけられた過去を持つポケモンたちが暮らしていた。ネーベル高原のポケモンたちは警戒してサトシたちに心を開かない。サトシたちは自分たちのポケモンを出して、ネーベル高原のポケモンと交流を図った。そして、次第にポケモン達は心を開いていった。
シトロンは、何でも溶かす特殊な胃液を持つゴクリンの力を借りて、ボルケニオンとサトシのに付いていた電磁パルスの輪を外した。
電磁パルスの輪が外れたのでボルケニオンはサトシに帰れと言うが、サトシは帰らないと言った。ボルケニオンは、ポケモンは嘘をつかないが、人間は嘘をつく。人間は信用できない、といった。ピカチュウはサトシは嘘をつかないと必死で訴える。
マギアナ連れ去られる
黒い霧が現れてジャービスたちが現れた。ジャービスはネーベル高原のポケモンを痛めつけ、マギアナにポケモンを傷つけたくなかったら来い、と脅した。マギアナはポケモンたちを守るため、ジャービスの言いなりになった。
マギアナを取り戻したラケル王子は喜んだ。だが次の瞬間ジャービスはマギアナからソウルハートを取り出してしまう。このソウルハートこそジャービスの目的だった。
ラケル王子は話が違うと怒るが、ジャービスのゲンガーによって催眠術をかけられてしまう。ソウルハートを奪ったジャービスは、もぬけの殻となったマギアナの身体をネーベル高原に捨て、去っていった。
500年前
サトシとボルケニオンはマギアナの身体を拾い、ソウルハートを取り戻すためジャービスの跡を追った。
ソウルハートは、マギアナの身体を動かすだけでなく、兵器を作動させる鍵の役割も持っていた。ジャービスの真の目的はこれだった。
マギアナはかつて国を守る護衛役として造られた。ソウルハートを使うと王国に防御壁ができ、空中要塞になる。500年前、エリファスは国が危機に陥った時のために造ったが、マギアナの力を狙って争いが起きた。エリファスはそのことをマギアナに伝えると身を隠すように言ったのだ。
空中要塞
ジャービスはソウルハートを使って空中要塞を動かし、ネーベル高原にめがけてビームを放とうとする。
マギアナのソウルハートはジャービスに抵抗した。だが、ネーベル高原に向かってビームが放たれた。
高原のポケモンたちが力を合わせビームに抵抗した。そして、プニちゃんがジガルデ・パーフェクトフォルムになってビーム消滅させた。
ボルケニオンはジャービスを倒すことに成功した。だが、動力を失った要塞はネーベル高原に落ちようとしていた。ネーベル高原を守る為には要塞を爆発させるしかない。
ボルケニオンは要塞のど真ん中で力を使うことを決意した。それは自身も無事では済まされないことを意味していた。ボルケニオンはマギアナに、守ってやれなくてすまなかった、と詫びて力を開放した。要塞は大爆発を起こした。
マギアナとボルケニオン
ネーベル高原に降りたサトシ達。ジャービスの杖を奪ったサトシは、杖についている魔石を壊した。メガ進化が解除され、敵ポケモンたちの目が醒めた。
ソウルハートを再びマギアナ戻すが、心は壊れたままだった。
その時、濃い霧が発生した。その中から傷ついたボルケニオンが姿を現した。ボルケニオンの元へ歩み寄るマギアナ。ボルケニオンを癒そうと手から花束を出した。マギアナの心がよみがえった瞬間だった。
再び高原に平和がもたらされた。
ボルケニオンはサトシたちに感謝の意味を込め、全員ネーベル高原の名誉ポケモンにしてやる、と言った。そしてピカチュウには、サトシはどーも危なっかしいから、ちゃんと面倒を見るように言った。
映画情報(題名・監督・俳優など)
ポケモン・ザ・ムービーXY&Z 「ボルケニオンと機巧(からくり)のマギアナ」(2016)
監督/湯山邦彦
アニメーション監修/小田部羊一
エグゼクティブプロデューサー/岡本順哉,宮原俊雄
アニメーションプロデューサー/亀井康輝
原案/田尻智
脚本/冨岡淳広
キャラクターデザイン/一石小百合,松原徳弘,広岡トシヒト
総作画監督/佐藤和巳,中野悟史
音響監督/三間雅文
音楽/宮崎慎二
主題歌/YUKI『ポストに声を投げ入れて』
ナレーション/石塚運昇
声の出演/
サトシ/松本梨香
ピカチュウ/大谷育江
セレナ/牧口真幸
シトロン/梶裕貴
ユリーカ/伊瀬茉莉也
ムサシ/林原めぐみ
コジロウ/三木眞一郎
ニャース/犬山イヌコ
ボルケニオン/市川染五郎
キミア王女/松岡茉優
ラケル/中川翔子
ジャービス/山寺宏一
オニゴーリ/あばれる君
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