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(映画)スミス都へ行く(1939年)の感想とあらすじは?

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メディアによる世論操作の恐ろしさというものを伝える映画です。

スミスという名前は、世間を代表する名前として使われたのでしょう。アメリカで最もポピュラーな姓だそうです。

いわば、主人公は国民そのものであり、その国民をいかにしてメディアが欺いてるかを描いているのです。

名も出てこない上院議員たちも、スミスと一緒です。彼らも巨大メディアによって、騙されているのです。

この映画で語られるのは、世の中の実際の支配者は表に出てこず、その影だけがチラつくというものです。情報を制する者が、世を制するということでしょう。

しかし、この映画の時代から進み、メディアによる支配構造が変わろうとしています。

20世紀終盤から始まった情報革命(現在も進行中ですが)によって、巨大メディアの影響力というものは、相対的に弱まってきているからです。

依然として影響力は強いですが、次に情報を制する者は、メディアであり続けるのか、それとも、別のものになるのかは、まだ見えてきていません。

内田樹氏は「ハリウッド映画で学べる現代思想-映画の構造分析-」で1940年代のアメリカに深く根を下ろした映画として紹介しました。

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あらすじ/ストーリー

上院議員の急死

州の選出上院議員が急死した。

ホッパー州知事は次の上院議員を誰にするかを、もう一人の上院議員ペインと新聞社を経営するジム・テイラーとで相談していた。

州には新規ダム建設の計画がある。テイラーは偽名を使って周辺の土地を買い占めている。

あとは法案の成立が必要だった。そのためには、言うことを聞く上院議員の選出が必要である。

後継者選びは難航した。ホッパー州知事は迷った挙句、自分の子供たちに絶大な人気のあるボーイスカウト団長のジェフ・スミスを推薦した。

親からの票が望めることも選出の理由だが、政治には無知なため、何も言わないだろうという思惑があった。

テイラーは勝手に決められたことに腹を立てたが、御しやすいと判断して、スミスの選出に同意した。

スミスが上院議員に選出

スミスは上院議員に選出され、首都ワシントンにペイン上院議員らと向かった。

その道中、スミスの父親クレイトンとペインは志を同じくする親友だったことが分かり、ペインはスミスに親近感を感じた。

クレイトンはジャーナリスト、ベインは弁護士として不正と戦っていた。そして、その戦いの中、クレイトンは嫌がらせを受け、殺された。

ワシントンに到着したスミスにマスコミが群がり、面白く書き上げてメディアで報じた。

スミスは激怒し、自分を辱めた記者たちを一人ひとり殴っていったが、記者が集う酒場で記者たちに、己の無知を指摘されて反省した。

スミスはペインに相談した。そしてペインは法案を提出してはどうかと提案した。スミスには少年のためのキャンプ場を作りたいという夢があった。

法案の提出と妨害

スミスはさっそく秘書のサンダースの助けを借りて少年のためのキャンプ場を建設する法案を作った。

だが、その建設予定地を聞いて、サンダースは筆を止めた。それはテイラーらがダムの建設に予定している土地だったからだ。

議会でスミスは法案を提出した。

法案を読み上げるなかで、ペインは血相を変えた。そして、傍聴席で議会を見物していたテイラーの手下も慌てて議場を後にした。

もしスミスの法案が可決されたら、ダムの計画は終わりになる。

すぐにテイラーらはスミスを陥れるための動き始めた。

やがて、スミスがダムの不正に気が付いた。ペインがテイラーとグルであることも気が付いた。
テイラーらはスミスに対して脅迫に近い説得を行ったが、屈しなかった。

すると、翌日の議会でペインがスミスを告発した。

スミスはキャンプ場予定地に私有地を持っていて、法案は彼自身に利益誘導をするためのものだというのだ。

狐につままれたようなスミスだったが、これはテイラーたちによるでっち上げだった。

スミスの反撃

スミスは無力を感じ、故郷へ帰ろうと考えた。

だが、リンカーンの記念碑でサンダースがスミスに覚悟を問うと、一緒に最後の抵抗を試みることにした。

翌日、議会ではスミスの上院からの追放が満場一致で可決される見込みだった。

だが、スミスは議会に現れ、スミスは演説を始めた。

規定により、彼が発言を譲らない限り、彼に発言権を有することになる。

その間に世論に訴えようという作戦だ。

テイラーらは巨大メディアを使って、世論を作り上げた。

わずかに少年団らがスミスの味方をしたが、それさえもテイラーらによって妨害された。

議会には州からスミスへの抗議の手紙が大量に届いた。

それを見てスミスは絶望するが、最後の力を振り絞ってペインの良心に訴えた。そして、失神して倒れた…。

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映画情報(題名・監督・俳優など)

スミス都へ行く
(1939年)

監督:フランク・キャプラ
製作:フランク・キャプラ
原作:ルイス・R・フォスター
脚本:シドニー・バックマン
撮影:ジョセフ・ウォーカー
音楽:ディミトリ・ティオムキン

出演:
スミス/ジェームズ・スチュアート
サンダース/ジーン・アーサー
ペイン上院議員/クロード・レインズ
ジム・テイラー/エドワード・アーノルド
ホッパー州知事/ガイ・キビー
ディズ・ムーア/トーマス・ミッチェル

映画賞など

アカデミー賞

  1. 原案賞

ニューヨーク映画批評家協会賞

  1. 男優賞

映画100選

  1. AFI選 偉大なアメリカ映画ベスト100 2007年版
  2. AFI選 偉大なアメリカ映画ベスト100 1998年版

AFI選 映画スターベスト100

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