映画「魔女の宅急便」(1989年)の観賞備忘録(感想とあらすじと情報を添えて)

08. アニメーション
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感想/コメント

ジブリ最初のヒット作品

スタジオジブリとして、本作よりも先に「となりのトトロ」や「天空の城ラピュタ」が公開されているが、本作が最初のヒット作品となった。

今となっては、「となりのトトロ」や「天空の城ラピュタ」の方が評価も人気も高いような気がするが、当時は違った。

アニメが子供向けのものという認識の時代だったのもなんらか影響しているのかもしれない。

また、前2作がオリジナル作品であるのに対して、本作が原作があるものだったというのも、影響したかもしれない。

そして、ヤマト運輸がスポンサーとなり、多くの宣伝ができたのも興行への好影響を与えたのだろう。

さて、ジブリ作品には同世代のキャラクターが多い。本作主人公のキキが13歳、トンボが14歳という年齢設定で、キキは「天空の城ラピュタ」のシータやパズーと同年齢、トンボは「火垂るの墓」の清太、「耳をすませば」の雫、「借りぐらしのアリエッティ」のアリエッティと同年齢となる。

音楽

オープニングとエンディングに荒井由実(=松任谷由実)の歌を使っている。

オープニングが「ルージュの伝言」、エンディングが「やさしさに包まれたなら」。

人気アーティストの楽曲を使ったのも、ヒットにつながったのかもしれない。この時代、歌と映画とのタイアップが主流な時期だった。

舞台は北欧をイメージしている

映画の舞台は北欧をイメージしている。第二次世界大戦の影響を受けなかった町というのが、一つのイメージ像だったようだ。

具体的には、バルト海のゴットランド島のヴィスビー、スウェーデンのストックホルムにある旧市街ガムラスタンである。

舞台とも言われる要塞都市「ドゥブロヴニク」はアドリア海の真珠とも呼ばれるクロアチアの美しい港町

ドゥブロヴニクはクロアチアにある世界遺産の街。「紅の豚」「魔女の宅急便」の舞台とも言われている。

スルジ山の山頂からの景色は、「アドリア海の真珠」と言わしめた理由がわかります!

https://retrip.jp/articles/4163/

ドゥブロヴニクの楽しみ方
その1:中世の世界にどっぷり浸かる
その2:幻想的な夜の散歩
その3:旧市街を上から眺める
その4:もう一人の住人、猫たちと戯れる
その5:城壁を歩いてみる

監督のカメオ出演とジブリバス

「STUDIO GHIBLI」と書かれたバスが登場する。

キキが町で車とぶつかりそうになるシーンと、警官から質問を受けているシーンである。

また、宮﨑駿監督も登場している。

キキがトンボを助けに行く場面で、街頭のテレビにたくさんの人が群がっている。この中に宮﨑駿監督が映っている。

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宮崎駿関係アニメ(一部)

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あらすじ/ストーリー

満月の夜

小さな田舎町。

魔女の一族であるキキは、13歳になった満月の夜に、魔女修行の旅へ出発することになっていた。

ラジオの天気予報によると、今晩は素晴らしい満月の夜になるという。次の満月は素晴らしい天気になるかわからない。今夜がいいとキキは決めた。

古くからのしきたりでは、魔女になる子は、13歳の満月の夜に故郷を旅立って、魔女の住んでいない町で1年間の魔女修行に出なければならなかった。

急に旅立つと聞かされ、キキの母親・コキリは呆れた。コキリは薬の調合を得意とする魔女で、町の人々から慕われていた。

父親は普通の人間で、次の満月の時に出発するものだと思って、キャンプの道具を借りてきた。今晩出発すると聞いて、残念そうだ。

だが、急な旅立ちにもかかわらず、両親はキキの旅立ちの準備をしてくれた。母親は修行用の黒服を用意し、父親は友人を集めて壮行会を開いてくれた。

キキは自分で作った箒で出発しようとしたが、コキリは自分の使っていた箒で旅立つようにと言った。使い込まれた箒の方が安心だからだ。不満顔のキキだったが、母・コキリの言うことに従った。

両親や近所の人たちに見送られ、キキは話の出来る黒猫のジジとともに出発した。

箒で空を飛びながら、キキはどこに向かうかを思案していた。どこか魔女の住んでいない町を探さなければならない。

キキは途中で、オシャレに着飾った先輩魔女と出合った。彼女は占いで生計をたてているのだという。キキは空しか飛べないので、少し不安になった。どうやって生計をたてようか…。

港町とトンボ

キキは海の見える大きな町へ行こう決めていた。

急な嵐に遭遇して貨物列車に潜り込んだキキは、そのまま眠ってしまった。目を覚ますと列車から海が見えた。大きな港町だ。

港町には魔女がいないようだった。人々は魔女に慣れおらず、キキが話しかけても離れてしまう。そこに住む人間たちは冷たい人たちばかりに感じられた。

キキが箒で飛ぶと、箒が暴走してしまいちょっとした騒ぎを起こしてしまう。

警官に注意され困っていると、ある少年が、泥棒!、と叫んで警察の注意をそらしてくれた。少年はトンボと名乗り、人力飛行機の製作をしている飛行クラブに所属しているのだという。

トンボは空を飛べる魔女のキキに興味津々で、馴れ馴れしく話しかけてきた。あまりにも馴れ馴れしいので、キキはつっけんどんな態度をとった。

ついにはトンボから離れるために、箒で空に飛んでいってしまう。トンボはそんなキキを唖然として見送るが、さらにキキに興味を持った。

おソノとの出会い

キキが高台で落ち込んでいると、臨月の大きなお腹を抱えた女性がやってきて、坂下を歩くお客さんに声をかけた。だがそのお客さんには声が届かず、聞こえていなかったようだ。

女性はお客さんの忘れ物である子供のおしゃぶりを届けようとしていた。キキはおしゃぶりを届けるために箒で飛んでいった。

女性はパン屋のグーチョキパンの女将・おソノといった。忘れ物を届けてくれたキキに感謝してくれた。

おソノはキキの話を聞いてくれ、店の上の空き部屋に住んでいいと言ってくれた。部屋の窓からは海が一望できた。キキは空飛ぶ宅急便のお店を開きたいと考えていた。

おソノは、店を手伝ってくれるなら、部屋代と電話代はなし、朝ごはん付きで、空き部屋を貸してくれるという。キキはおソノの厚意に甘え、下宿することにした。

初めての仕事

ある日、パン屋の常連さんからお届け物を頼まれた。夕方までに甥の誕生日プレゼントを届けて欲しいというものだった。プレゼントは、鳥かごに入ったジジそっくりのぬいぐるみだった。

さっそくプレゼントを届けるために空を飛んでいたキキは、突風でバランスを崩し、鳥かごを落としてしまった。鳥かごが落ちた場所は、カラスの巣がある森だった。巣には卵があり、カラス達が騒いだ。

キキは大急ぎで鳥かごを持って飛び立ったが、中のぬいぐるみを落としてしまったらしい。カラス達はまだ騒いでいる。森に近づけない。

遅れるわけにはいかないので、キキはジジにぬいぐるみのふりをしてもらうようにお願いをして、とりあえず鳥かごを届けた。そして、すぐに森に戻って本物のぬいぐるみを探し始めた。

ウルスラとの出会い

なかなかぬいぐるみが見つからない中、キキは一軒の小屋を見つけた。その小屋の窓には、探していたぬいぐるみがあるのを見つけた。

キキは小屋に入り、誰かいないか訪ねた。すると、カラスを写生している女性がいた。女性は絵描きでウルスラという。

ぬいぐるみのことをウルスラに話すと、事情を理解してくれ返してくれたが、ぬいぐるみはカラスに突かれ破れていた。

ウルスラは小屋の掃除と交換条件で、ぬいぐるみを修理してくれた。ぬいぐるみが直ると、キキは急いで配達先の家へ向かった。

そのころ、ジジはびくびくしていた。この家には大きな老犬が住んでおり、ジジは怖かったのだ。

キキが配達先の家に着くと、老犬はそれに気が付き、ジジを優しく咥え、外に出てキキが現れるのを待った。

老婦人との出会い

しばらく暇な日が続いたが、久しぶりにお届け物のお客さんから注文の電話が入った。約束は4時半だ。

そのあとすぐにトンボが店にやってきて、6時からのパーティーにキキを招待した。

更に、そのあとに重い荷物を届けて欲しいというお客さんがやってきた。忙しい一日になりそうだ。

キキは急いで配達へ出かけた。重い荷物の配達を終えると、約束の4時半に屋敷に向かった。

バーサという使用人の老婆がキキを迎え入れた。依頼人は上品な老婦人だった。老婦人は、温かいパイ料理を孫のパーティーに届けてもらうつもりだった。

だが、電気オーブンが故障してパイはまだ焼けていなかった。老婦人はキキに無駄足を踏ませたので、お代を支払うという。

キキは受け取れないと思ったが、ふと見ると電気オーブンの隣に薪のオーブンが残っているのを見つけた。何年も使っていないというが、キキは薪のオーブンの使い方を知っていた。

バーサとキキが手伝い、急いでパイを焼き始めた。

時計を見ると5時40分だったので、6時の約束に間に合うと思ったが、老婦人は時計が10分遅れているのだと言う。キキは慌ててパイを持ってジジと一緒に出発した。

さっきまで天気が良かったのに、配達の途中で突如豪雨となり、キキはずぶ濡れでパイを届けた。しかも老婦人の孫は全く喜ばず、キキは老婦人がかわいそうだと思った。

そのころ、トンボはずっと店の前でキキを待っていた。ずぶぬれで戻っていたキキは、諦めて帰るトンボを見かけたが、声をかけなかった。

キキはこんな格好ではパーティーになど行けないと思っていた。キキはそのまま布団をかぶって寝た。

トンボと飛行船を見に行く

翌日、熱が出た。雨に降られてずぶぬれになったせいだ。おソノのおかげで熱は下がるが、キキの心は晴れなかった。

おソノはキキに近所への配達を頼んだ。荷物の受取人はトンボだった。おソノが気を利かせてくれたのだ。キキはパーティーの件をトンボに謝った。

トンボはキキに制作中の人力飛行機の機関部を見せてくれた。それはプロペラ付きの自転車だった。そして、これに乗って二人で海岸に不時着した飛行船を見に行こうと誘った。

二人は自転車で海沿いの道を疾走したが、途中で道の下に転落してしまう。自転車はめちゃくちゃになってしまったが、二人は無事で、キキはなぜか笑い出した。トンボも笑い出した。

そこに、トンボの遊び仲間が現れ、その中に老婦人の孫がいることを知ったキキは落ち込んだ。

魔力が弱まる

ある朝、キキはジジが言葉をしゃべらないことに気が付いた。まさか…。キキは箒で空を飛ぼうとするが、ほとんど飛べなくなっている。魔法の力が弱くなってしまったのだ。

飛ぶことしか特技のないキキは、落ち込んだ。しばらくは空飛ぶ宅急便を休むしかない。

トンボから電話がきたが、落ち込んでいるキキは電話を切ってしまった。

ある日、ウルスラが買い出しのついでにキキのところへ寄ってくれた。キキの話を聞き、ウルスラはキキを自分の小屋に誘った。おソノの許可をもらい、キキはウルスラの小屋へ泊りに行った。

初めてウルスラの絵を見たキキは、その素晴らしさに感動する。そして、ウルスラは自分のスランプの話をして、キキを元気づけてくれた。

そんな時、老婦人に呼ばれて家に行くと、キキはケーキをプレゼントされた。老婦人はキキのためにケーキを焼いてくれたのだ。キキはとてもうれしい気持ちになった。

横ではバーサが、テレビ中継を見ていた。飛行船が映し出されていた。バーサは飛行船に夢中だった。

飛行船事件

中継の途中で、突然の突風が吹き始めた。そして、飛行船「自由の冒険号」をつないでいたロープが切れた。

飛行船を安定させるために、多くの人がロープを引っ張っていたが、そのうちの一人にトンボがいた。そして、画面にはロープと一緒に宙吊りになったトンボが映し出された。

その様子を見ていたキキは夢中で現場へ向かった。

キキは掃除夫のおじさんにデッキブラシを貸してもらい、必死で飛べと念じた。

キキは魔力を取り戻し、デッキブラシは空高く飛び立った。だが、慣れないデッキブラシを、うまく操れない。

その頃、飛行船は町の中央のシティタワーに近づいていた。やがて飛行船はタワーにぶつかり、本体が破けてしまい、中から急速にガスが抜けいった。浮力を失った飛行船は倒れ始めた。

ロープにはトンボが何とかしがみついていた。だが、頑張りが効かなくなってきている

デッキブラシに乗ったキキは、近づいてトンボを助けようと手を伸ばすが、デッキブラシが言うことを聞いてくれない

ついに、トンボが耐え切れずにロープを離してしまった。キキは急降下して間一髪でトンボの手を掴んだ。

そして、ゆっくりと二人は地上へ降り立った。その様子を見ていた町の人々から歓声があがった。

キキは、魔法の力を取り戻し、仕事も軌道に乗った。キキは両親へ手紙を書いた。

「落ち込むこともあるけれど、私、この町が好きです。」

ジジには白猫の奥さんと数匹の子猫が生まれていた。キキはジジと子猫を乗せて、宅急便の仕事に出ていた。

映画情報(題名・監督・俳優など)

魔女の宅急便
(1989)

監督 / 宮崎駿
製作 / 徳間康快,都築幹彦,高木盛久
企画 / 山下辰巳,尾形英夫,瀬藤祝
プロデューサー / 宮崎駿
制作 / スタジオジブリ,原徹
原作 / 角野栄子
脚本 / 宮崎駿
キャラクターデザイン / 近藤勝也
作画監督 / 大塚伸治,近藤勝也,近藤喜文
撮影 / 杉村重郎
美術 / 大野広司
色彩設計 / 保田道世
編集 / 瀬山武司
音楽 / 久石譲

声の出演:
キキ/ウルスラ / 高山みなみ
ジジ / 佐久間レイ
おソノ / 戸田恵子
トンボ / 山口勝平
老婦人 / 加藤治子
バーサ(老女中) / 関弘子
マキ(デザイナー) / 井上喜久子
ケットの母(マキの姉) / 土井美加
ケット / 渕崎ゆり子
ケットの祖母 / 浅井淑子
ケットの父親 / 土師孝也
時計番のおじさん / 西村知道
ドーラ婆さん / 斎藤昌
おソノの旦那/警官/アナウンサー / 山寺宏一
ホテルのフロント係 / 辻親八
ケーキの少女 / 鍵本景子
飛行船の船長 / 大塚明夫
デッキブラシのおじさん / 田口昂
先輩魔女 / 小林優子
赤ん坊 / 坂本千夏
コキリ(キキの母) / 信沢三恵子
オキノ(キキの父) / 三浦浩一

受賞

第13回日本アカデミー賞話題賞

第44回毎日映画コンクールアニメーション映画賞

第7回ゴールデングロス賞

  1. 最優秀金賞
  2. マネーメイキング監督賞
  3. 予告編コンクール賞

エランドール賞特別賞

キネマ旬報

  1. 読者選出日本映画1位
  2. 読者選出日本映画監督賞

ジブリ音楽の紹介

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