映画「素晴らしき哉、人生!」(1946年)の観賞備忘録(感想とあらすじと情報を添えて)

ファミリー映画,ドラマ映画
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★★★★★★★★☆☆

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感想/コメント

時と共に評価が上がった作品

アメリカでは不朽の名作として長年愛されているクリスマス映画である。第2次世界大戦が終わった1945年のクリスマスイブから始まる。

時代が反映されている映画でもある。映画が公開された1946年は東西冷戦が勃発する前夜で、ハリウッドでも共産主義者狩りが行われようとしていた時代だった。本作品は共産主義的だと、密かにFBIに目をつけられていたそうだ。

1940年代の製作費としては破格の370万ドルで制作されたが、初動興行収入はわずか330万ドルしか稼げず、興行成績としては惨敗に終わった。

そして、1946年度のアカデミー賞では5部門にノミネートされたが、1つも受賞できず、無冠に終わった。

だが、映画は1970年代から1980年代に見直され、不朽の名作といわれるようになった。

主演を演じているのは、ジェームズ・スチュアート。キャプラ監督は、1938年「我が家の楽園」と1939年「スミス都へ行く」と立て続けに主役に抜擢した。

そのジェームズ・スチュアートは、第二次大戦から帰還しハリウッドにもどったばかりだったそうだ。

クリスマス定番の映画

本映画はクリスマス定番の映画ということもあり、各誌でのベストの上位に名を連ねてきた。

アメリカの大手映画批評サイトRotten Tomatoesによる2014年版クリスマス映画ベスト25。
1位から10位までの順位は次の通り。

1.「素晴らしき哉、人生!」(1946)
2.「三十四丁目の奇蹟」(1947)
3.「桃色(ピンク)の店」(1940)
4.「スイング・ホテル」(1942)
5.「第十七捕虜収容所」(1953)
6.「アパートの鍵貸します」(1960)
7.「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」(1993)
8.「タンジェリン(原題) / Tangerine」(2015)
9.「ダイ・ハード」(1988)
10.「アーサー・クリスマスの大冒険」(2011)

https://www.cinematoday.jp/news/N0078937

2016年に「Empire」誌が、これまでに公開されたクリスマス映画から30本を選びランク付けした「The 30 Best Christmas Movies」を発表した。
1位から10位までの順位は次の通り。

1.「ダイ・ハード」(1988)
2.「素晴らしき哉、人生!」(1946)
3.「グレムリン」(1984)
4.「マペットのクリスマス・キャロル」(1992)
5.「大逆転」(1983)
6.「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」(1993)
7.「3人のゴースト」(1988)
8.「バットマン リターンズ」(1992)
9.「キスキス,バンバン」(2005)
10.「バッドサンタ」(2003)

https://rockinon.com/news/detail/171014

他のクリスマス映画

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あらすじ/ストーリー/ネタバレ

1945年のクリスマスイブ

いろんな人から助けを求める願いが天国に届いていた。それはある男を助けてほしいというものであった。天国では翼をまだ持っていない二級天使のクラレンスを呼んで指名を与えた。

一人の男を救うのだ。

病気から?

いや、絶望からだ。午後10時45分に自ら命を絶とうとするので、それを助けるのだ。

男はジョージ・ベイリー。

クラレンスはジョージの人生の回想を見せられることになった。翼を持たないクラレンスは、大天使の助けを借りてジョージの人生を見ることになった。

1919年 ジョージ12歳

ジョージが池のほとりでスコップを使ったそり遊びをしているとき、弟のハリーが凍った池に落ちてしまう。

池に飛び込んで弟を助けたジョージだったが、風邪をひいて左耳の聴力を失ってしまう。

薬局でアルバイト

ジョージは放課後にガウアーさんの薬局でアルバイトをするようになる。同級生の女の子2人が遊びに来て、ジョージにチョコ・アイスを頼んだ。一人の子が聞こえない耳に、好きよジョージとささやいた。

聞こえないジョージは口笛を吹きながら、チョコ・アイスを作っていたが、ガウアーにうるさいと怒られる鵜。

カウンターに電報があるのを見つけたジョージは偶然にもガウアーの息子がインフルエンザで亡くなったことを知ってしまった。

慰めようと思ったジョージだったが、ガウアーに薬の配達を頼まれた。

だが、薬は息子を失くして悲しみに暮れるガウアーが誤って処方したもので、劇薬だった。

ジョージはどうしていいかわからず、父が営む住宅金融会社に立ち寄って父に相談しようと思った。

そこに町一番の富豪ヘンリー・ポッターがいた。ポッターは町の嫌われ者だった。

ポッターは父に金を貸した相手から取り立てろと迫っていた。だが、父は失業している者が多く、できないと反論した。

薬局に戻ると、薬が届けられていないことを知ったガウアーがジョージを叱責した。ジョージはガウアーが動転して薬を間違えたことを告げ、ガウアーはジョージに謝った。

1928年 ハリーの高校卒業の夜

ダンスパーティに行く前の家の中で、ジョージは父と将来の話をしていた。

父は住宅金融を手伝ってほしいようだったが、ジョージには夢があった。世界中を回り、大学に進学して、父と別の道を歩みたかったのだ。

パーティに向かったジョージは、そこでメアリー・ハッチと再会した。二人は良い雰囲気となり、メアリーを家に送るために一緒に帰っていた。

ジョージはハリーが高校を卒業すると同時に旅に出て、戻ってきたら大学へ進学して、建築家になるつもりだった。ジョージはそうした夢をメアリーに語りながら歩いていた。

人が住まなくなった屋敷の所で、父の危篤の知らせが飛び込んできた。

父が急死し、ポッターが住宅金融会社の清算を迫った。

だが、株主を前にしたジョージの演説が皆の心を動かし、住宅金融会社は存続することになった。条件があった。それはジョージが社長に就任することだった。

ジョージは世界旅行も大学への進学も、建築家になる夢もあきらめて、父の跡を継ぐことにした。そして、代わりにハリーを大学へ通わせた。

ハリー戻る

ジョージは弟が大学を卒業して会社を継ぐのを待った。

町に戻ってきたハリーは結婚相手を連れて帰ってきた。

結婚相手の娘は、父がハリーを気に入り、営む工場で働いてもらうことになったと言った。弟の結婚を祝福するジョージだったが、夢は再び消えた。

メアリーと再会

幼馴染のメアリーが町に帰ってきたと母から聞いた。ジョージはしぶしぶ彼女の家に向かった。

メアリーの母はメアリーがジョージを好きなのを知っていたが、ニューヨークで成功しているハリーとの結婚を望んでいた。

だが、メアリーの気持ちが通じ、ジョージとメアリーは結婚することとなる。

2人は豪華な新婚旅行へ出かけるはずだった。

だが、住宅金融会社にたくさんの人だかりがあることを知り、ジョージは何事が起きたのかと見に行った。

取り付け騒ぎが起きていた。ポッターが仕掛けたものだった。客が次から次へと預金の引き出しを求めてきた。

ジョージとメアリーは新婚旅行費用を引き出し費用に充てた。

会社の預金を全額支払ってしまうと、住宅金融会社は営業ができなくなる。会社の営業終了時間まで現金が残っているかが勝負だった。

そして、わずかな金額が手元に残すことができて、住宅金融会社は存続することができた。

だが、ジョージとメアリーの新婚旅行はできなくなった。ジョージとメアリーの新婚旅行を新居で友達が演出してくれた。そこはかつてハリーの高校卒業のパーティの帰りに通りかかった人の住んでいない屋敷だった。

2人の生活はその屋敷で始まった。2人は4人の子供を授かった。

ポッター

良心的な経営を行う住宅金融会社は順調だった。

貧しい人々のためにベイリーパークという宅地開発を行う。

ポッターが法外な値段で貸し付けていた賃貸住宅から移り住む者が増えていた。

ポッターはジョージを呼んで、自分のところで働かないかと誘った。

あまりにも良い条件だったので、ジョージは驚きすぎて、ポッターに握手を求めてしまうが、ふと我に返って申し出を断った。

1945年のクリスマスイブ

ジョージは耳の障害で免除された。弟のハリーは海軍のパイロットとして活躍し、名誉勲章に輝いた。

1945年のクリスマスイブの朝、町は英雄ハリーの歓迎準備でにぎわっていた。

叔父のビリーは銀行に向かって住宅金融会社のお金8,000ドルを預けようとしてた。だが、その預金を紛失してしまった。

このままでは監査官に見せる帳簿に問題が生まれてしまう。二人は必死に探しまわるが、預金が見つからない。

切羽詰まったジョージはポッターに借金を頼みに向かった。だが、ポッターは横領罪でジョージを告発すると言う。

途方に暮れたジョージは家族へ八当たりをし、バーで喧嘩に巻き込まれ、荒れに荒れた。

ついに、ジョージは橋から投身自殺をして保険金を手にいれることを考えた。

だが、ジョージが飛ぶ直前に老人が川へ飛び込み、ジョージが老人を助けた。

助けた老人はクラレンスと名乗った。ジョージの守護天使だという。

そんな話を信じないジョージは絶望して、生まれなければよかったと言った。

それを聞いたクラレンスはあることを思いついた。

それは、ジョージが生まれなかった場合の世の中を見せることだった。

別の世界

ジョージが町に戻ると、町はポッターズビルという名の町に変わっていた。そして誰も自分のことを知らなかった。

荒れた感じ町になり、温厚なバーテンダーは気性が荒くなっており、ガウワーは子供を毒殺した罪で刑務所に入れられていた。

家へ帰っても荒れ果てた空き家のまま、妻のメアリーも子供もいなかった。

母は宿を営んでおり、叔父は失業して精神病院に入院してる。

ベイリーパークは墓地になっていて、弟は1919年に9歳で溺死していた。

メアリーを探しだしたジョージは、メアリーが独身を通していることを知る。

クラレンスは本物の天使だった。

元の世界

人生は素晴らしかった、と気づいたジョージは橋にもどって、元の世界に戻してくれ、もう一度生き直したいと願った。

元の世界に戻ったことを知ったジョージは大喜びで家へ帰り、妻や子供たちと抱き合う。

そして奇跡が起きる。メアリーの呼びかけで町民や友人たちが寄付に集まり、紛失した8,000ドルが工面できた。

弟のハリーや検事、監査官も混じって、家の中で町民たちは祝いの歌を歌う。

寄付金に交じって「トム・ソーヤーの冒険」が置かれていた。

そこには、ジョージよ、覚えておけ、友ある者は決して失敗しない、翼をありがとう、というクラレンスからのメッセージが書かれていた。

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映画情報(題名・監督・俳優など)

素晴らしき哉、人生!
(1946年)
IT’S A WONDERFUL LIFE

監督 / フランク・キャプラ
脚本 / フランセス・グッドリッチ,アルバート・ハケット,フランク・キャプラ
原作 / フィリップ・ヴァン・ドーレン・スターン「The Greatest Gift」
製作 / リバティ・フィルムズ,フランク・キャプラ
音楽 / ディミトリ・ティオムキン
撮影 / ジョセフ・ウォーカー,ジョセフ・バイロック
編集 / ウィリアム・ホーンベック

ジョージ・ベイリー / ジェームズ・ステュアート
メアリー・ハッチ / ドナ・リード
ヘンリー・ポッター / ライオネル・バリモア
クラレンス / ヘンリー・トラヴァース
ビリー・ベイリー / トーマス・ミッチェル
ジョージの母親 / ボーラ・ボンディ
アーニー / フランク・フェイレン
バート / ワード・ボンド
バイオレット / グロリア・グレアム
ガウワー / H・B・ワーナー
サム・ウェインライト / フランク・アルバートソン
ハリー・ベイリー / トッド・カーンズ
ジョージの父親 / サミュエル・S・ハインズ
ティリー / メアリー・トリーン
ルース・ダキン / ヴァージニア・パットン
ユースタス / チャールズ・ウィリアムズ
ニック / シェルドン・レナード
不動産会社の販売員 / チャールズ・レイン

受賞

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