映画「明日に向って撃て!」(1969年)を観た感想と作品のあらすじや情報など

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感想/コメント

★★★★★★★★★☆

青春グラフィティ

原題は「Butch Cassidy and the Sundance Kid」。主人公二人の名前が映画タイトルになっている。実在の銀行強盗ブッチ・キャシディとザ・サンダンス・キッドをモデルにしている。舞台となるのは1890年頃のアメリカ西部。

1969年のアメリカ映画。アメリカン・ニューシネマの傑作として知られているので、反体制的な色合いの強いギャング映画なのかと思っていた。それこそ、権力に屈せず、ひたすらあがく姿が描かれるのかと思っていた。

全く違っていた。主人公二人の青春グラフィティの要素が強いように感じた。

特にそう感じたのは、ブッチとエッタが自転車に乗ってデートするシーンである。ここで有名な「雨にぬれても」(Raindrops Keep Fallin’ On My Head)が使われるのだが、開放的で牧歌的な音楽はギスギスするギャング映画とは程遠い印象を与えた。この映画はやはり青春グラフィティなのだと感じた。

ブッチ・キャシディとザ・サンダンス・キッドの二人は、そもそも権力に立ち向かうという気はなく、追われれば逃げる。生き延びて、自分たちが勝手気ままに生きられる土地へ行くことを夢見る。アメリカを追われボリビアへ行き、最期の時にはオーストラリアを夢見る。彼らの理想郷はどこだったのだろうか。

色使いも特徴的で、セピア色を効果的に使っている。始まりのシーンからしばらくセピア色。そして、転換点となるボリビア行のシーンもセピア色。

ラストシーンのストップモーションは映画史に残る屈指の名シーンとして知られる。

主題歌「雨にぬれても」

主題歌は「雨にぬれても」、原題「Raindrops Keep Fallin’ On My Head」。有名な曲なので、知っている人が多い曲だと思う。

曲は以前から知っていたが、この映画の主題歌だとは知らなかった。流れ始めたときには正直びっくりした。

作詞はハル・デヴィッド(Hal David)、作曲はバート・バカラック。歌はB・J・トーマス。ビルボード誌で1970年1月3日に週間ランキング第1位を獲得。同誌の1970年の年間ランキングで第1位。

Butch Cassidy and The Sundance Kid 明日に向かって撃て / 雨にぬれても

感想

ロバート・レッドフォードはこの映画で抜擢されてスターダムを駆け上がることになる。そのチャンスを与えたのが、ポール・ニューマンだった。

この映画で共演したポール・ニューマンとロバート・レッドフォードはのちに「スティング」で再共演を果たした。

それにしても、若い頃のロバート・レッドフォードとブラッド・ピットは雰囲気がよく似ている。全てのアメリカ人が理想とする美男の典型が若き日のロバート・レッドフォードと言われるくらいだったので、ブラッド・ピットが出てきたときに、アメリカで受け入れられた理由がとてもわかる。

二人の雰囲気はよく似ているが、雰囲気で違うところと言えば、ロバート・レッドフォードには知性を感じるところがあり、ブラッド・ピットにはワイルドさを感じさせるところがある、というくらいだろうか。

さて、ロバート・レッドフォードの方が知性を感じさせ、かつ、優男な感じなのに、知性担当のブッチはポール・ニューマンで、腕っぷし担当のサンダンスがロバート・レッドフォードである。

この二人は完璧なコンビに見えるが、映画が進むにつれ、二人それぞれに弱点があることがわかる。ブッチは人を撃ったことがない。サンダンスは泳げない。このために、笑うに笑えない状況で、困ったことになる。だが、二人は互いを見捨てることなく、助け合いながら生き延びようとする。

こんな二人が追い詰められいく転換となるのが、列車強盗である。行きと帰りで襲うという計画だった。この列車強盗で奪われたのが、行きも帰りもユニオン社の金だった。

図らずも、いずれの場合もお金を守っていたのが金庫番のウッドコック。気の毒なのだが、コミカルに見えなくもない。ブッチもサンダンスもウッドコックのことが嫌いではないらしい。できれば手荒なことはしたくないように見える。

だが、2回も金を奪われて怒ったのがユニオン社の社長。追跡名人のバルチモア卿と、凄腕保安官のレフォーズらを雇って、二人を始末させるために執拗に追いかけさせた。

ここで二人が立ち向かうことをせずに、さっさと逃亡してボリビアへ逃げていく。ボリビアを選んだのは、ブッチの情報では、好景気に沸いているからと聞いていたからなのだが、これが全然好景気でなく、しけていたから大変。サンダンスは憮然としてしまう。しかもスペイン語圏で、二人とも言葉に苦労する。

映画情報(題名・監督・俳優など)

明日に向って撃て!
(1969年)

監督 / ジョージ・ロイ・ヒル
製作 / ジョン・フォアマン
製作総指揮 / ポール・モナシュ
脚本 / ウィリアム・ゴールドマン
撮影 / コンラッド・L・ホール
特撮 / L・B・アボット
美術 / フィリップ・M・ジェフリーズ,ジャック・マーティン・スミス
編集 / ジョン・C・ハワード,リチャード・C・メイヤー
作詞 / ハル・デヴィッド
音楽 / バート・バカラック

出演:
ポール・ニューマン / ブッチ・キャシディ
ロバート・レッドフォード / サンダンス・キッド
キャサリン・ロス / エッタ・プレース
ストローザー・マーティン / パーシー・ギャリス
クロリス・リーチマン / アグネス
ジョージ・ファース / ウッドコック
ジェフ・コーリイ / ブレッドソー保安官
テッド・キャシディ / ハーヴェイ・ローガン
ケネス・マース / マーシャル
ドネリー・ローズ / メイコン
チャールズ・ディアコップ / 鼻ぺちゃカリー
ティモシー・スコット / ニュース・カーヴァー

受賞

第42回アカデミー賞
撮影賞:コンラッド・L・ホール
脚本賞:ウィリアム・ゴールドマン
作曲賞:バート・バカラック
主題歌賞:『雨にぬれても』

第27回ゴールデングローブ賞
音楽賞:バート・バカラック

第24回英国アカデミー賞
作品賞
主演男優賞:ポール・ニューマン,ロバート・レッドフォード
主演女優賞:キャサリン・ロス
監督賞:ジョージ・ロイ・ヒル
脚本賞:ウィリアム・ゴールドマン
作曲賞(アンソニー・アスクィス映画音楽賞):バート・バカラック
撮影賞:コンラッド・L・ホール
編集賞:ジョン・C・ ハワード,リチャード・C・マイヤー
音響賞:ドン・ホール,デヴィッド・ドッケンドルフ,ウィリアム・エドモンソン

1970年 グラミー賞
最優秀映画/テレビ作曲賞:バート・バカラック

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