映画「天地明察」(2012年)の観賞備忘録(感想とあらすじと情報を添えて)

時代劇映画や歴史映画(日本)
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感想/コメント

★★★★★★★☆☆☆
原作は冲方丁の2010年本屋大賞受賞の同名小説。

舞台は江戸時代。主人公は安井算哲、のちに改名して渋川春海となる人物で、初代幕府天文方となる。

安井算哲が改暦に挑む姿を描いている。

算哲の暦は貞享暦(じょうきょうれき)といわれる。太陰太陽暦で、初めて日本人の手によって編纂された和暦である。貞享2年1月1日(1685年2月4日)に宣明暦から改暦され、宝暦4年12月30日(1755年2月10日)までの70年間使用された。

この後、宝暦暦に改暦されるが、出来が悪くこの後、約50年単位で数回改暦が行われ、明治へと至る。

映画で描かれるのは、いつの時代にもある既得権益との争い。この物語の場合、既得権益を持っているのが公家である。

これを打ち破る方法は「科学的手法」である。実験・観察と理論に基づき導かれる正しい推論を突きつけることによってのみ、現状を打破できる。

映画では、それをなした遂げた男と、その妻、仲間の奮闘が描かれている。

なぜ暦がここまで重要だったか?

いまだに我々も使っているある暦に影響するからだ。

それは先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口の六曜(ろくよう・りくよう)である。

仮に、暦が間違っており、1日違っているとどうなるか。

上記の順番を見てもらえばわかるが、大安だと思っていたものが実は仏滅だったという事態が起きるということである。

つまり、日常的な吉凶に影響するのだ。

さて、この映画の配役がとても良い。

徳川幕府の初期において名宰相と言われた保科正之役に松本幸四郎、ご存じ水戸黄門こと水戸光圀役に中井貴一。

天才算術家(数学者)で後に関流の祖となる関孝和役に四代目市川猿之助。

その他、笹野高史、岸部一徳らがきちっと脇を固めており、コミカルとシリアスが上手くブレンドされている。

あらすじ/ストーリー/ネタバレ

安井算哲は徳川家に仕える碁打ち衆の名家の息子として生まれた。

囲碁の対局よりも星の観測と算術の設問を解いているときが一番幸せで、時間を忘れてのめり込んでしまう事もしばしばだった。

形ばかりとなった囲碁の勝負に疑問を感じ、いつも真剣勝負の場に身を置きたいと願う熱い思いを心にひめていた。

若き将軍・徳川家綱の後見人である会津藩主・保科正之は、算哲に日本全国で北極星の高度を測り、その土地の位置を割り出す北極出地を命じた。

旅の出立前に、村瀬えんにある約束をしていた。

この旅の中で知己となったのが建部伝内と伊藤重孝。いずれも高名な学者だ。

そして旅の途上でそれまで使われてきた暦の重大な誤りに気付く。

算哲が一年半の任務を終え戻ってきた。

だが、えんは嫁いでいた。

時は江戸前期、800年にわたって使われていた中国・唐の時代の暦がずれ始めていた。

保科は算哲に、暦の誤りを正し、新しい暦を作るように命じたのだ。

これには、大きな難問が二つ待ち受けていた。

ひとつは、星や太陽を観測するだけで途方もない時間と労力がかかること。

ふたつめは、改暦が朝廷の司る聖域であると同時に、莫大な利権が絡むものであり、そこに幕府が口をはさむことは、朝廷を敵に回すも同然なこと。

算哲を想い続け、やがて妻となったえんや、彼のよき理解者であった水戸光圀、算術や天文学に魅入られた多くの仲間たちの支えを受け、権力から度重なる理不尽な仕打ちを受けながら、算哲の生涯を賭けた挑戦が始まる。

映画情報(題名・監督・俳優など)

tenchimeisatsu

天地明察
(2012年)

監督:滝田洋二郎
原作:冲方丁
音楽:久石譲
ナレーション:真田広之

出演:
安井算哲(渋川春海) / 岡田准一
村瀬えん / 宮崎あおい
村瀬義益 / 佐藤隆太
関孝和 / 市川猿之助
建部伝内 / 笹野高史
伊藤重孝 / 岸部一徳
安藤有益 / 渡辺大
山崎闇斎 / 白井晃
本因坊道策 / 横山裕
宮栖川友麿 / 市川染五郎
水戸光圀 / 中井貴一
保科正之 / 松本幸四郎

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