映画「マリー・アントワネット」(2006年)の観賞備忘録(感想とあらすじと情報を添えて)

歴史映画(西洋など)
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感想/コメント

★★★★★★★☆☆☆

スタイリッシュでポップな映画である。

マリー・アントワネットの衣装が頻繁に替わるので、この当時の衣装が好きな人にはたまらない映画だろうと思う。
とはいえ、これは表面的な部分に過ぎない。

十四歳でフランス王家に嫁ぎ、二十四時間衆目の目にさらされる環視のなかで生きる孤独を描いている。

主題はこちらにあるのだが、華やかな衣装などに目を奪われがちである。

映画の最初で、フランス王家に嫁ぐマリー・アントワネットが「あなたが、私に幸せともたらしてくれるのですね」という意味の言葉を言う。

だが、彼女の期待する幸せは…。

オーストリアから嫁いだ事によるヴェルサイユ宮殿での陰口。これが、作中では本人にも聞こえるように演出されている。

そして懐妊の兆しがないことに対する侮りもマリー・アントワネットを追いつめていく。

彼女がギャンブルやパーティに走ったのは、こうした環境から一時的にでも逃れたいためだったのではないのか?

だが、派手な狂騒の後におとずれる虚しさは彼女の孤独をますます深めていく。パーティが終わった翌朝、食べ物の残った皿などを静かに片づけていく女中達の姿を、うつろな目で見ているマリー・アントワネットの姿が印象的である。

こうした、マリー・アントワネットが一人になるシーンは妙な虚しさが漂う。彼女が一人になり孤独を実感してしまうシーンだ。

フランス政府の協力の下、実際のヴェルサイユ宮殿での大規模な撮影が実現したことでも話題に。

マリー・アントワネットの心情のアップ・ダウンを表現しているのは、音楽である。ポップに詳しいソフィア・コッポラらしい選曲で、通常の歴史ものとはテイストが異なっている。

エンディングで流れるThe Cureの「All Cats Are Grey」とAphex Twin の「Jynweythek Ylow」はとてもいい。

「All Cats Are Grey」なんかは、流れた瞬間にいかにもThe Cureという感じだし、映画の予告で使われた「Jynweythek Ylow」なんかは、この映画のイメージを良く表している。

他にもDustin O’Halloranの「Opus 36」なんかも結構イイ。

あらすじ/ストーリー/ネタバレ

1769年オーストリアの皇女アントワーヌは、オーストリアとフランスの同盟関係強化のために、母マリア・テレジアの意向により十四歳にしてフランス王太子の元へ嫁ぐことになった。

結婚生活に胸を膨らませていたが、上辺だけ取り繕ったヴェルサイユ宮殿の人々と、愛情のない夫婦生活。朝から晩まで大勢のとりまきに監視され、「オーストリア女」とよそ者扱いされ、「不妊症かしら」と悪意に満ちた陰口を叩かれる日々だった。

ルイは必要な事以外はマリーと口もきかず、同じベッドに寝ていても、指一本触れない。世継ぎを求める声がプレッシャーとなってマリーにのしかかる。

孤独や不安を紛らわそうと、マリー・アントワネットはパーティやギャンブル、ドレスや靴のショッピングなど浪費に楽しみを見出すようになる。

フランスはアメリカ独立戦争への援助をきっかけに国の財政が窮乏し始める。

民衆の不満の矛先は豪奢な生活を送るマリー・アントワネットに向けられるようになる。

革命の気運が高まってきていた。

映画情報(題名・監督・俳優など)

MarieAntoinette

マリー・アントワネット
(2006年)

監督、脚本: ソフィア・コッポラ
製作総指揮: フランシス・フォード・コッポラ、ポール・ラッサム、フレッド・ルース、マシュー・トルマック
衣装デザイン: ミレーナ・カノネロ
編集: サラ・フラック
音楽監修、音楽プロデューサー: ブライアン・レイツェル

出演:
マリー・アントワネット / キルステン・ダンスト
ルイ16世 / ジェイソン・シュワルツマン
ルイ15世 / リップ・トーン
ノアイユ伯爵夫人 / ジュディ・デイヴィス
デュ・バリー夫人 / アーシア・アルジェント
マリア・テレジア女帝 / マリアンヌ・フェイスフル
ポリニャック公爵夫人 / ローズ・バーン
ヴィクトワール内親王 / モリー・シャノン
ソフィー内親王 / シャーリー・ヘンダーソン
ヨーゼフ2世 / ダニー・ヒューストン
メルシー伯爵 / スティーヴ・クーガン
フェルゼン伯爵 / ジェイミー・ドーナン
プロヴァンス伯爵夫人 / クレメンティーヌ・ポワダッツ

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