映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」を観た感想と作品のあらすじや情報など

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感想/コメント

★★★★★★★★☆☆
長篇である。3時間49分。「夕陽のギャングたち」のレオーネ監督が10年以上の構想の末に製作した作品であり、遺作でもある。

ユダヤ系ギャングの半世紀に及ぶつかの間の栄光と挫折をノスタルジックに描く一大叙事詩的大作。

モリコーネの音楽が印象的につかわれている。画面自体も、その印象としてセピア色であることも音楽とのマッチングを考えてのことだろう。

レオーネ監督のゆっくりとした描写と、苦悩するデ・ニーロの演技が見る者の心を深くえぐる。デ・ニーロの笑顔で終わるラストも切ない。

本作は一回で映画の全体像を把握するには、長すぎる。だから、本当なら2度3度見た方がいい映画ではある。

だが、一回でも、この映画の印象は植え付けられる。ストーリーを把握するよりも印象を深く焼き付けることができるのは、監督の腕の見せ所であろう。

アメリカで公開された当初の評価は不評だったそうだ。

製作側の意図によって、物語の時系が整理されてしまい、モリコーネの音楽も挿入されていなかったからである。つまり、前代未聞の手抜き作品に変えられてしまったのだ。

この製作側の行為に、作品にかかわった人々は製作側を非難し、レオーネ自身も深く落胆したそうだ。

その後、レオーネ自身の編集によって完全版が作り上げられ、アメリカで公開される。

すると、傑作との評価を得るようになる。

このことは映画製作会社にいい教訓になるはずだ。

映画製作会社に勤めているからといって、映画を作る力があるわけではないことを身にしみて分かったはずだ。

勘違いした「自称映画の玄人」が映画をいじくると、悲劇的なことが起きるということだ。何とかの考え休むに似たり、ということである。

映画の製作は現場にゆだね、口を出さないのが、いい映画を作るコツだと思う。今でも、口を出したがる馬鹿はいそうである。

あらすじ/ストーリー/ネタバレ

1920年代のニューヨーク。

少年ヌードルス(デヴィッド・アーロンソン)はある日、マックスと運命的な出会いをする。ヌードルスはユダヤ移民の子である。

パッシィー、コックアイ、年少のドミニク、親が経営するバーを手伝うモー、ヌードルスが憧れているモーの妹デボラ、ケーキ1個で誰にでも身体を許してしまうペギー。

そして彼らは禁酒法の隙間をぬって荒稼ぎを続けた。その金を共同のものとして駅のロッカーに常置しておくことを誓い合った。

だが、地元のやくざバグジーたちの襲撃でドミニクが殺されてしまった。怒ったヌードルスはバグジーを刺し殺す。刑期は6年。

1931年。刑務所から出てきたヌードルスを迎えに来たマックスはすっかり成長していた。デボラも少女から成熟した美しい娘へと変貌していた。

再会の喜びにひたる間もなく、ヌードルスは新しい「仕事」にひき入れられた。

デトロイトのギャング、ジョーが持ってきたある宝石店襲撃プランを実行することになったのだ。

禁酒法時代はやがて終焉を迎えた。

彼らは次の仕事に移った。多発する労働争議の裏からの介入が新しい仕事だった。

ある時、マックスが全米一の警備を誇る連邦準備銀行を襲撃する計画を打ち明けた。ヌードルスは頑強に反対したが、マックスは言い出したらひき下がらない男だ。

マックスの愛人になっているキャロルは警察に密告してマックスの計画を潰す以外に彼の命を助ける方法はないとヌードルスに懇願した。

ヌードルスはキャロルの願いを聞き入れ、マックスを裏切った。

1968年。60歳を越したヌードルスは1通の墓地の改葬通知を手にしてニューヨークにやってきた。

彼は、密告によって警察に殺されたマックス、パッツィー、コックアイが眠る墓地で1個の鍵を発見する。それはあの駅のロッカーの鍵だった。

ロッカーの中には現金がつめ込まれた鞄が置いてあった。

マックスは生きている。ヌードルスは直感に従って女優として大成しているデボラに会いにいく。そして、デボラの子がマックスにそっくりなのに愕然とする。

マックスと30数年ぶりに会った。マックスは、今はベイリー財団の理事長として政財界に君臨していた。

ヌードルスの裏切りは全てマックスが計画したものだったのだ。ヌードルスはマックスの邸宅を辞し、彼のあとを追ってきたマックスは、清掃車の後部に身を投じた。

映画情報(題名・監督・俳優など)

OneceUponATimeInAmerica

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ
(1984年)

監督:セルジオ・レオーネ
製作:アーノン・ミルチャン
製作総指揮:クラウディオ・マンシーニ
原作:ハリー・グレイ
音楽:エンニオ・モリコーネ

出演:
ヌードルス/ロバート・デ・ニーロ
マックス/ジェームズ・ウッズ
デボラ/エリザベス・マクガヴァン
少女時代のデボラ/ジェニファー・コネリー
ジミー/トリート・ウィリアムズ
キャロル/チューズデイ・ウェルド
フランキー/ジョー・ペシ