映画「ニュー・ワールド」(2005年)の観賞備忘録(感想とあらすじと情報を添えて)

歴史映画(西洋など)
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感想/コメント

★★★★★★★★☆☆

伝説化されてしまったネイティブ・アメリカンのポカホンタスの波乱に満ちた生涯を描いている映画。

波乱に満ちた人生のはずなのに、なぜか全体的に静謐な印象を受ける。

映画の最初に小川のせせらぎの音に始まり、最後も小川のせせらぎで終わるのもそうした印象を与える要因になっているかも知れない。

評価は両極端の映画だろうと思う。監督が伝えたいメッセージに何かの意味を見いだして見るのであれば、それなりに楽しめる映画だろうが、娯楽性には乏しい。

個人的には、メッセージに何かの意味を見いだして楽しむことも出来たが、それ以上に、映画の根底に流れる静謐な雰囲気が気持ちのいい映画だった。見終わったところで、心安らぐ気持ちよさがあった。それだけで充分である。

愛の映画。として紹介されていたが、そういう見方もあるだろうが、映画が与える印象を考えると、愛よりも別のものをイメージとして伝えたかったのではないかと強く感じてしまう。

ネイティブ・アメリカンの描かれ方が正確なのかどうかは知らない。だが、彼らが自然と供に生き、自然を崇拝し、その姿勢はどこにいても、どのような状況においても捨てようとしない姿を伝えたかったのではないか。

現在の物質至上主義の世の中へのアンチテーゼのような気がするのだ。

映画の前半でポカホンタスが儀礼をするシーンがある。さながら巫女のようであり、自然への畏敬と感謝を表しているような姿には、現在では失われたものを見るようだった。

そして、ポカホンタスがイギリスに渡ったときにポカホンタスに随行するネイティブ・アメリカンの男が、物質至上主義の世の中へのアンチテーゼとしてとても象徴的である。

彼は西洋の服を着ない。ネイティブ・アメリカン本来の姿のままイギリスに渡る。

彼にあえて西洋の服を着させなかったところにも意味があるのだろう。それは、ポカホンタスの心を代弁させているのかも知れない。このイギリスに渡るシーンでは、ポカホンタスは西洋の服を日常的に着て過ごしている。

だが、心までは西洋化していないというのを暗示するために彼をそうさせたのかも知れない。

ポカホンタスが死んだあと、彼が姿を消すシーンなども、ポカホンタスの心が遠くへ旅立つような印象を与えた。
映画の前半と後半でクッキリとストーリーの流れが変化している。

前半ではジョン・スミスとの出会い、そして別れというものがはっきりと描かれているが、後半でジョン・ロルフと結婚してからのポカホンタスの描かれかたはスピリチュアルですらある。

スピリチュアルなのは特にイギリスに渡ってからである。特に最後の方では象徴的で抽象的な映像表現をとっている。

とても、愛の映画とはいえない。この文句はあくまでも映画宣伝用だと思う。

さて、不満が強いことが一つある。それは、ジョン・スミス役のコリン・ファレル。どうみてもミスキャスト。興行面から、この映画制作時において人気のある俳優を使ったのだろうが、違和感ばかりが残った。

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あらすじ/ストーリー/ネタバレ

1607年、イギリスを出航した船が北米ヴァージニアに到着する。しかしそこにはすでに、ネイティヴ・アメリカンの人々が暮らしていた。

船には反乱罪で繋がれていたジョン・スミス大尉がいた。補給物資調達のためにイギリスに戻ることになった船長により、この地の指揮官に指名されたのは反乱罪で裁かれるはずだったジョン・スミスだった。

彼はアメリカン・ネイティヴとの揉めごとが起きないようにしていたが、砦の環境は徐々に悪化し、揉め事や不満が表出していた。

スミスはアメリカン・ネイティヴの長と交渉のために、川上へと向かうが、逆に囚われの身となり、命を奪われそうになる。

その彼の命を助けたのが王の娘ポカホンタスだった。やがて二人は恋に落ちるが、やがてスミスは砦に戻らなくてはならない日が来て、二人の恋は終わる。

ポカホンタスはスミスとの愛を失い、英国人紳士ジョン・ロルフと結婚して母となる。やがて英国に招かれて国王に謁見する…。

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映画情報(題名・監督・俳優など)

NewWorld

ニュー・ワールド
The New World
(2005)

監督:テレンス・マリック
脚本:テレンス・マリック
音楽:ジェームズ・ホーナー

出演:
ジョン・スミス/コリン・ファレル
ポカホンタス/クオリアンカ・キルヒャー
ニュー・ポート船長/クリストファー・プラマー
ジョン・ロルフ/クリスチャン・ベイル

受賞

  1. 英BBC 21世紀最高の映画100本 2016年版
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