映画「蒼き狼 地果て海尽きるまで」を観た感想と作品のあらすじや情報など

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感想/コメント

★★★☆☆☆☆☆☆☆
大規模な合戦シーンは、昨今の映画には珍しく人を使って撮影している。馬もサラ系の長身ではなく、サラ系に比べて小さなモンゴルの馬を使っているのは良心的といえる。

このモンゴルの馬を使った合戦シーンは、規模こそは違えど、かつて日本でも見られたものに近かったのだろうかと思いながら見た。もっとも、弓は全然違うのだが…。

金をかけているシーンだとは思うが、撮影方法と編集方法を変えた方が良かったと思う。遠方からのアングルが多く、迫力に乏しかったように思う。

見所は、この合戦シーンだけのこの映画だが、遊牧民族の場合、弓の扱いは上手だったと思われる。にも関わらず、どうも弓の射ち方がよくない。よくないというのは、俳優によって射ち方にばらつきが見られたということだ。

弓の扱いが上手ければ、射ち方にばらつきが見られることはない。この点はもう少し練習させてから撮影に望んだ方がよかった。

綺麗に射っていたのは、ハサル役の袴田吉彦くらいか。弓をやっていたことがあるのだろうか?

さて、騎馬戦のシーンは、まぁ金かけただけあって…という感じはあるが、キャスティングはひどい。

特にテムジンの妻ボルテ役は完全にミスマッチ。大根役者なのは分かっているはずなのに起用した意図が分からない。またクラン役もなんだかなぁ…。女性陣でよかったのは母ホエルン役だけ。

雄大なモンゴルの景色を堪能できたのはよかったが、エンディングで流れる主題歌が雄大な景色に合わず邪魔。

タイアップを狙っているのだろうが、このタイアップの手法自体が古いということに気がついていないのだろうか?
映画は、その映画にあったサウンドや音楽を使うべきであって、タイアップを目的として歌謡曲(失礼、歌謡曲にしか聞こえなかったもので…)を挿入してしまうと、全体がくずれてしまうのが分からないのだろうか?

もっとも、この映画、すでに構成等々が崩れているから関係はないのだけれど…。金持ちのボンボンが趣味で作った作品から逸脱できないのは、角川映画の毎度のことだが、ちと成長して欲しいものだ。

さて最後に。

原作は森村誠一の「地果て海尽きるまで 小説チンギス汗」だが、ラストで井上靖の「蒼き狼」に謝辞が述べられていた。多少とも映画に反映されているのだろうか?

少年時代のテムジンの逸話に関しては、井上靖の「蒼き狼」にそっくりだったが、森村誠一版でも同じなのだろうか?いつか原作を読んでみようと思う。

あらすじ/ストーリー/ネタバレ

12世紀モンゴル。モンゴルでは部族間の闘争が激化していた。

モンゴル部族ボルジギン氏族の長イェスゲイ・バートルはメルキト部族の男から妻を略奪した。その妻ホエルンが出産し、テムジンと名付けられた子こそ、後のチンギス・ハーンである。

14歳になったテムジンはオンギラト部族族長デイ・セチェンの娘ボルテと婚約した。そして、ボルテの幼なじみジャムカと生涯の友情を守る按達(アンダ)の誓いを交す。

だが、父親が対立する部族に殺害されると、母親が敵から略奪された身である事を理由に、部下たちから見捨てられてしまう。家族の結束を壊す義理の弟をやむなく殺し、一族をまとめていった。

7年ぶりにボルテと再会し、2人は結ばれるが、その2年後メルキト部族のイェケ・チレドがテムジンの集落を襲撃してボルテを奪って復讐を遂げた。10カ月後、テムジンは再びボルテを奪い返すが、その時、彼女は妊娠し臨月を迎えていた。

生まれた子が自分の子かどうかわからないテムジンは子によそ者の意味であるジュチと名づける

勢力は年々拡大していった。

メルキトの残党と遭遇したテムジンは、兵士のひとりが女だと気付き命を助ける。テムジンは、クランと名乗る女を部下に取り立て、クランは戦利品ではなく人として扱ってくれるテムジンに惹かれる。

テムジンは按達(アンダ)の誓いをしたジャムカと決戦をよぎなくされる。テムジンの冷静な戦術にジャムカは次第におされ、テムジンは勝利をおさめた。

そして、丘の下を埋め尽くす諸部族の人々が見守るなか、テムジンはモンゴルの王チンギス・ハーンとして即位した。

即位したチンギスは、永遠の宿敵・金国を討つことを決意し、息子ジュチとともに金国へ向かおうとする。だが、ジュチはその命令に従わない。チンギスは、ジュチが謀反を起こしたと激怒するが…。

映画情報(題名・監督・俳優など)

Aokiookami

蒼き狼 地果て海尽きるまで
(2007)

監督:澤井信一郎
製作総指揮:角川春樹
原作:森村誠一「地果て海尽きるまで 小説チンギス汗」
音楽:岩代太郎
主題歌:mink「Innicent Blue~地果て海尽きるまで~」

出演:
テムジン/チンギス・ハーン/
反町隆史
ボルテ/菊川怜
ホエルン/若村麻由美
クラン/Ara
ハサル/袴田吉彦
ジュチ/松山ケンイチ
ボオルチュ/野村祐人
ジャムカ/平山祐介
テムジン(少年時代)/池松壮亮
イェスゲイ・バートル/保阪尚希
チャラカ/苅谷俊介
コアクチン/今井和子
イェケ・チレド/唐渡亮
タルグタイ/神保悟志
ダヤン/永澤俊矢
デイ・セチェン/榎木孝明
ケクチュ/津川雅彦
トオリル・カン/松方弘樹