映画「リバティーン」(2004年)の観賞備忘録(感想とあらすじと情報を添えて)

歴史映画(西洋など)
この記事は約5分で読めます。

感想/コメント

★★★★★★★★☆☆

「リバティーン」をみました。

ジョニー・デップ主演による17世紀のイギリスを生きた実在の放蕩詩人。

ジョニー・デップが脚本冒頭の三行で、出演を即決したという映画。

その前に、リバティーン:Libertineには道徳的(性的)に束縛されない人、放蕩者、放埒者、道楽者、宗教上の自由思想家といった意味合いがあるそうです。

映画冒頭でロチェスター伯爵が独白する部分から、妙に惹きつけられるのがこの映画。

『初めに断っておく。諸君は私を好きになるまい。

男は嫉妬し、女は拒絶し、物語が進むにつれてどんどん私を嫌いになる。

淑女たちに警告。私はところ構わず女を抱ける。

紳士諸君も嘆くことなかれ。私はそっちもいけるから気をつけろ。

私はジョン・ウィルモット、第二代ロチェスター伯爵。

どうか私を好きにならないでくれ…』

どんな奴かと思ってしまう。

と同時に、とんでもなく卑猥な映画なのかと思ってしまう。

まさか、そんなはずもなく…

ストーリーの部分部分に分かりづらい箇所がある。これは、カットされた部分の影響によるのかどうか分からないが、ストーリーに破綻を感じさせる部分でもある。

だが、これを補って余るほどに惹きつける力がある映画である。

ストーリーが破綻しているかどうかは別として、主人公のロチェスター伯爵が破綻しているのは間違いない。

映画も、一歩間違えれば、退廃的な雰囲気だけを伝える破綻した映画になりかねない。際どいところであると思った。

それが妙に惹きつけられる映画になっているのは、まずは主人公のロチェスター伯爵を演じたジョニー・デップであろう。そして、マイケル・ナイマンによる音楽だと思う。

ジョニー・デップは個人的に好きな俳優の一人である。

彼の出演する映画を全て見た、というわけではない。だが、見た作品の中で、彼は見事に別の人間を演じきっている。

よく見れば、ジョニー・デップであることは分かるのだが、映画の中では、その配役の人物になりきっている。

この映画も、ジョニー・デップは自分の色を消し去り、ロチェスター伯爵になりきっている。

役作りのスゴイ俳優だと思うし、役者とは、こうあるべきだとも思う。

話がずれたが、この映画はジョニー・デップの演技なしには成立しない映画だろうと思う。

ロチェスター伯爵の破綻した人生が、悲劇的要素を帯び始めるのも、この卓越した演技ゆえんだろう。

そして、悲劇的要素を盛り上げる音楽も素晴らしい。

淫靡になりかねない描写も、音楽の悲愴な旋律が卑猥を許さない。ロチェスター伯爵の放蕩も、その時代に生きざるを得なかった人物の不幸として、音楽は語ってくれる。

さて、映画の中で男には生涯三人の女性がいるという。

一人目は初恋の相手、二人目は結婚の相手、三人目は死に水を取ってくれる相手だというのだ。ロチェスター伯爵にとっての三人の女性とはどういう意味をもたらしたのだろうか。

あらすじ/ストーリー/ネタバレ

1660年代。王政復古のイギリスのロンドン。国王チャールズ二世とも親しい第二代ロチェスター伯爵は、挑発的な言動で人々の注目を集め、民衆に与える影響も小さくない。

彼の才能を評価する王の期待を敢えて欺くかのように、重要な客人の前で猥褻な詩を披露するなどして、王の怒りを買うことも日常茶飯事だ。

王から追放の命を受け、三ヶ月。ジョン・ウィルモットは恩赦を受け、ロンドンへ戻ることになる。

悪友たちがたむろするバーに立ち寄ったジョンは、自分が追放された武勇伝を語って聞かせる。国王チャールズ二世の親族の前で詩を頼まれた際、きわどい性描写に溢れた政府批判の詩を詠んだというのだ。

そして、いつものように一同は、芝居小屋へ繰り出した。

劇場には国王もやって来た。王はジョンに、むやみに反抗的な態度を取らぬよう忠告する。

舞台が始まると、消え入りそうな声で台詞を吐く女優に、客席は大ブーイング。だがジョンは、彼女の才能に気がつき、自分が演技指導をしたいと申し出る。

翌日から、一対一の舞台稽古が始まった。来る日も来る日も、執拗なほど熱心に稽古をつけるジョン。舞台初日。情感のこもったエリザベス・バリーの演技に、会場は騒然となり、拍手喝采を浴びせかける。彼女は様々な誘いを断り、楽屋でジョンを待ちわびるが、彼が帰ったと聞き、失望に打ちひしがれる。

ジョンに手を焼きながらも、彼の才能を高く評価している国王が、フランス大使を招く歓迎式典で、ジョンの戯曲を上演したいと申し出る。かの国からの援助を引き出す、重要な会になるという。

舞台稽古が始まったが、あまりの衝撃的な内容に、辞退する者が続出する。それでも初日を迎えた劇場には、王やフランス大使などが顔を揃えた。

だが、ジョンが用意した戯曲は、女性器と男性器に象徴させた、政府をこき下ろす内容のものだった。そして、途中で中止に追い込まれる。王自らが舞台に上がって怒りをぶちまけるが、ジョンは捕まるより先に舞台から消えうせてしまった。

数ヵ月後、悪友たちは場末のバーで酔いつぶれているジョンと再会をする。ジョンは顔に何かデキモノができており、なにかの病にかかっているようだ。

ますます病気がひどくなりながらも、なおも王からの逃亡生活をおくっているジョン。そこへ、彼を見つけ出した王の追っ手が捕らえにやって来る。

しかしジョンの姿を見た王は、死刑でもなく、ただ今後一切、お前を無視する、という罰を与える。

もはや自由に歩けなくなったジョンが、意を決して、弾劾裁判にやってくる。そして脚を引きずりながら、聴衆の注目を集める中、彼は口を開いた。

映画情報(題名・監督・俳優など)

Libertine

リバティーン
(2004年)

監督: ローレンス・ダンモア
製作:リアンヌ・ハルフォン/ジョン・マルコヴィッチ/ラッセル・スミス
原作戯曲:スティーヴン・ジェフリーズ
音楽:マイケル・ナイマン

出演:
ロチェスター/ジョニー・デップ
エリザベス・バリー/サマンサ・モートン
チャールズ二世/ジョン・マルコヴィッチ
エリザベス・マレット/ロザムンド・パイク

タイトルとURLをコピーしました