映画「キングダム・オブ・ヘブン」(2005年)の観賞備忘録(感想とあらすじと情報を添えて)

歴史映画(西洋など)
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感想/コメント

★★★★★★☆☆☆☆

面白くなかったかというと、そういうわけではなく、ただ単にストーリーの構成に苦しさを感じたため。

おそらく、リドリー・スコットが言いたかったのは、最後のテロップに書かれている、「…1000年たっても状況は変わっていない…」といった内容のところだったのではないか。

そのために、2時間以上の時間を費やしたような気がする。だから、ストーリー云々というよりも、別のメッセージが映画に込められていたのではないかと思う。

リドリー・スコットはインタビューで、この十字軍の時代において、つかの間の奇跡的な平和があった時期を選んで映画化したと言っている。

たしかに、現在のエルサレムの状況はおせじにも平和の状態にあるとは思わない。そのことに対する思いをリドリー・スコットは映画化したかったのだろう。

リドリー・スコットが映画化する時代を十字軍に選んだのも理解できる気がする。現在を舞台に選んでしまうとあまりに血なまぐさくなってしまう。それに対して過去を舞台にすると、いくらかは客観的に物事が見られるようになるということも考慮しているのだろう。

(もし、リドリー・スコットの意図がそこにないというのであれば、見るのはちと厳しいかなぁ…。全体的に中途半端な印象になってしまうから…。)

印象的なシーンは、バリアンが「エルサレムには価値があるのか」と言った時の、サラディンが言うセリフ。「無。(だが、)全てである。」このセリフには色々な意味が汲み取れる感じがした。

それと、今回最もかっこよかったのが、バリアン(オーランド・ブルーム)でもサラディン(ハッサン・マスード)でもなく、騎士ティベリアス(ジェレミー・アイアンズ)だった。

彼が言うセリフも印象的。「人生の全てをエルサレムに捧げた。神の為に戦ってきたつもりだったが、結局は富と土地の為だった」。十字軍の一面を的確に述べている一言。

騎士が本来こんなことを口にしてはいけないのだろうが、こうした言葉が口から出てしまうほどにティベリアスの十字軍への失望が大きかったのだろう。彼はバリアンと行動を分かつことになるが、だからこそ、彼の前途に希望があらんことをと願ってしまった。

あと、宗教というものが苦手な(というより理解できない)日本人という国民性を考えると、エルサレムというユダヤ、キリスト、イスラムの聖地の攻防を描いた本作は、感覚的な部分でちと厳しいかもしれない。

映画とはまったく関係ないが、エルサレム王ボードワン4世の勇敢な行動やその人物像に戦国武将の大谷刑部少輔吉継に対する印象と同じ様なものを感じた。そういう意味(わかる人のみですが)においてエルサレム王ボードワン4世も名君だと感じる。

オーランド・ブルーム初主演だとか、リドリー・スコット監督の映画だとか、歴史スペクタクル映画だとかという単純な図式でしか見られないと、面白くない映画だと思うが、如何だろうか?

あらすじ/ストーリー/ネタバレ

十二世紀。十字軍の熱に取り憑かれているヨーロッパはフランス。

鍛冶屋のバリアン(オーランド・ブルーム)は、妻が自殺して失意のどん底にあった。カトリックでは自殺した人間は地獄へ行くことになる。

そのバリアンのもとに、実の父である騎士ゴッドフリー(リーアム・ニーソン)が訪れる。エルサレムへの同行を求められるが、バリアンにはその気はない。だが、やむを得ない事情ができ、エルサレムへ向かう。自分の犯した罪と、妻の贖罪を胸に秘めながら…

バリアンは父より騎士としての訓戒を受け、正式に騎士となり、苦難の末エルサレムへたどり着く。エルサレムでは、待っていた父の部下とともにエルサレム王ボードワン4世(エドワード・ノートン)への忠信を誓う。

エルサレムはボードワン4世とサラディンによる協定でつかの間の平和の状態にあったが、これを打ち破る出来事が起き始めていた。サラディンの軍勢は20万。まともに戦っては勝てない。バリアンは父に王を守り、そして民を守ることを誓っていた。

一方、バリアンはボードワン4世の妹シビラ(エヴァ・グリーン)と恋に落ちたが…

映画情報(題名・監督・俳優など)

KingdomOfHeaven

Kingdom of Heaven
キングダム・オブ・ヘブン
(2005年)

監督:リドリー・スコット
製作総指揮:リサ・エルジー、ブランコ・ラスティグ 、テリー・ニーダム
脚本:ウィリアム・モナハン
音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ

配役/出演:
バリアン/オーランド・ブルーム
シビラ/エヴァ・グリーン
ゴッドフリー/リーアム・ニーソン
ティベリアス/ジェレミー・アイアンズ
ボードワン4世/エドワード・ノートン

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