このアルバム
全編を占めるのは、クラシック・ギターの音色と愁いのある女声ボーカルである。
19世紀に生まれたポルトガルの民族歌謡=ファドのエッセンスをとりいれているのが本作。
そのアコースティックな感じといい、ファドの特徴的な哀愁を帯びた旋律は、牧歌的でもあり、叙情的でもある。
さて、アコースティックな香りを漂わせながらも、デジタル処理をされた音楽を聞き続けている私にとって、完全にアコースティックな音というのは物足りない部分がある。
また、このアルバムにはベースやドラムに相当するリズムセクションがないため、さらに物足りなさを感じさせてしまう。
結果として、私の評価は低い。単に好みの問題でもあるし、音楽経験の違いにもよるし、今まで聞いてきた音楽的な背景にもよる。また、音楽に何を求めるのかにもよるのだが、やはり私には物足りないアルバムである。
出来は悪くないと思うし、コンセプトもはっきりしていて好印象である。だが、今の時点で私が音楽に求めるものとは方向性が違う。
時の経過とともに音楽の好みも変わるものなので、それまでは持っておこうと思うアルバムである。いつかは聞きたくなる事がありそうな予感がしている。
逆に純粋にアコースティックな音が好きな人にとっては良いアルバムといえる。
曲目
Madredeus
1997
Album title
“O Paraiso”
Label : Blue Note
1 Haja O Que Houver
2 Os Dias Sao A Noite
3 A Tempestade
4 A Andorinha da Primavera
5 Claridade
6 A Praia Do Mar
7 O Fim da Estrada
8 Agora (Cancao aos Novos)
9 A Margem
10 Carta Para Ti
11 Coisas Pequenas
12 Nao Muito Distante
13 O Sonho
14 O Paraiso
1997年の他のアルバム
アルバムの評価
★★★★☆☆☆☆☆☆
【評価の内訳】
【構成・バランス】C=1
【飽きのこなさ】C=1
【曲の好み】Av.
Aランク:-
Bランク:-
Madredeus(マドレデウス)プロフィール:
ポルトガル出身のグループ。ギターのペドロ・アイレスとキーボードのロドリーゴ・レアォンが女性ヴォーカル、テレーザ・サルゲイロに出会い、1986年結成。その後、チェロのフランシスコ・リベイロとアコーディオンのガブリエル・ゴメスが加わる。
1987年に、ポルトガルEMIから「マドレデウスの日々」をリリース。このアルバムは好評を得た。このアルバムとプロジェクト名だったのが、グループ名になる。