このアルバム
映画「駆け込女と駈出し男」のサントラ。音楽は富貴晴美。
メインテーマの「駆込み女と駆出し男 -メインテーマ-」では胡弓を使っており、印象的な音色になっている。胡弓は和楽器であるが、音色は中国の二胡に似ている。そのため、東洋的な音色となる。
メインテーマは映画の中で季節の移ろいや人との別れなどで使われている。とても重厚な曲である。
このメインテーマをベースとしていくつものアレンジがある。
2曲目の「禁から生まれる華もある」
8曲目の「薬草夫婦旅」
11曲目の「べったべった、だんだん」
15曲目の「滑稽本と戯作者」
17曲目の「成就への道」
18曲目の「強味と渋味はちょんぼしだけど、素敵な男です」
上記の曲の中で、胡弓が使われてない15曲目の「滑稽本と戯作者」が好みである。低音だけになるので、なんというか、腹に染み入る。映画の、いわゆる「いいシーン」で流れるので、なおさらである。
17曲目の「成就への道」は前半部分に独特の唄が入っている。とても民族的な感じだが、日本の節回しなのだろう。海外DJが見つければ、ちょっと使ってみたいと思うような曲だと思った。
さて、タイトルを見れば、どのシーンで使われたのかが分かるようになっている。こうした細かい工夫で映画を思い出すことができる。
音楽を担当した富貴晴美は国立音楽大学の作曲科を首席で卒業。多くのドラマの曲を担当しており、映画音楽も担当している。映画がとても好きで、学生時代は映画をとてもよく見ていたらしい。多くの映画音楽を聴いているわけで、どういう音楽が映画にふさわしいのかを研究したに違いない。
「駆込み女と駆出し男」の監督・原田眞人作品で曲を担当することが多いようだ。感性が近いのだろう。富貴晴美は大河ドラマ「西郷どん」の担当もしている。
※曲のリストをうまくご活用ください。きっとお目当ての曲が見つかると思います。良い音楽との出会いを楽しんでください。
曲目
- 駆込み女と駆出し男 -メインテーマ-
- 禁から生まれる華もある
- 今生の別れと提灯
- 東慶寺入山
- 花魁の足抜け
- 野犬のごろつき侍
- 仇討ちの決意
- 薬草夫婦旅
- 命のやり取り
- 新しい季節へ
- べったべった、だんだん
- 院代様と見習い医師
- 御用宿の離縁調停人
- 24ヶ月の総決算
- 滑稽本と戯作者
- 鉄練りとの別れ
- 成就への道
- 強味と渋味はちょんぼしだけど、素敵な男です