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(映画)女王フアナ(2001年)の考察と感想とあらすじは?

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感想/コメント

「FANATIC(熱狂的、狂信的)」の語源はフアナから来ているそうです。

本国スペインで記録的大ヒットとなった史劇ロマン。

女の嫉妬をひたすら描いた映画であるはずなのに、意外と時間を長く感じることがなく終わりました。

テンポが良いのか、役者の演技が良いのか…飽きの来ない映画でした。

主演は、スペインで絶大な人気を誇るピラール・ロペス・デ・アジャラ。

海外での活動はまだ少ないものの、初主演となる本作での迫真の演技でスペインのアカデミー賞に当たるゴヤ賞で「アザーズ」のニコール・キッドマンを抑えて最優秀主演女優賞、サンセバスティアン映画祭最優秀主演女優賞の二冠を受賞しました。

監督は「アマンテス/愛人」のヴィセンテ・アランダ。

主人公となっている王女フアナは、大航海時代にスペインを統一したカスティーリアのイサベル女王の娘にして、神聖ローマ帝国皇帝カール5世の母です。

カスティーリアのイサベル亡き後は、コロンブスの庇護者となり、同時にイスラム、ユダヤ、キリスト教徒が混在していたスペインで、ユダヤ教徒追放を行った女王でした。

それ以上に、彼女を有名にしたのが、フアナ・ラ・ロカ(狂女フアナ)の名前です。

狂気なまでの一途な愛をつらぬいた女王として、さまざまな伝説を残す女王フアナ。その伝説の信憑性は様々な疑問符が付き、スペインの歴史にミステリアスな光を放っています。

映画の始まりでは、フアナはあどけなさの残る可愛らしい女性でした。ですが、フェリペと出会い、徐々に嫉妬に駆られ、フアナの顔付きが変わっていく様子は恐怖です。

反対に、最初は颯爽としているフェリペが、だんだんと窶れていく姿が対照的です。

女の恐ろしさの一面を見せつけられる映画でもあります。

さて、衣装や撮影箇所が中世の雰囲気をよく伝えてくれています。

とくに、スペイン・ポルトガルの風景と、フランドルの風景の差が、それぞれの地域の服装や、特に城の造りや内装でよくわかります。

女王を主人公にした映画

この年に公開された映画やドラマを下に方に載せておりますので、ご参考になさってください。

あらすじ/ストーリー/ネタバレ

15世紀末。スペインを統一した女王イサベルは、自身の娘で16歳になるフアナ王女(ピラール・ロペス・デ・アジャラ)を、政略結婚のため大艦隊を従えてフランドルのハプスブルク家のフェリペ王子(ダニエレ・リオッティ)へと嫁つがせた。スペインとハプスブルグの国と国との政略結婚だった。

だが、たんなる政略結婚のはずが、彼女は、夫となる美貌の貴公子フェリペに出逢った瞬間に魅了されてしまう。やがてフアナはフェリペを狂信的に愛するようになる。

だが、政略結婚と割り切るフェリペは浮気を繰り返し、フアナの嫉妬は激しさを増していく。

その折り、母・イサベル女王が崩御。その遺言によりイサベルの夫でフアナの父フェルナンドを押しのけフアナが王位に就く。

フアナが王位を継ぐと、フェルナンドのみならずフェリペまでも権力奪取をうかがい、やがて王位継承問題は三者の対立へと発展していく。

フェリペの側近たちはフアナを狂女に仕立て、権力を奪おうとする。しかしフアナは、決して女王の座を譲ることはなかった。

不実な夫に対する悔しいほどの恋心と、女王の立場との狭間で、フアナは自らの炎のような情熱に焼かれる。時に感情を露わにするフアナを”狂女”として王座を追い落とそうという父と夫の策略。

やがて、フェリペが病に倒れた。フアナは愛する夫の死を認めず、その亡骸とともにスペインの荒野を彷徨い続けたのだった…。

映画情報(題名・監督・俳優など)

女王フアナ
Juana La Loca
2001

監督:ヴィセンテ・アランダ
製作:エンリケ・セレッソ
脚本:ヴィセンテ・アランダ
撮影:パコ・フェメニア
音楽:ホセ・ニエト
製作国・地域 スペイン/イタリア/ポルトガル

配役/出演:
フアナ/ピラール・ロペス・デ・アジャラ
フェリペ/ダニエレ・リオッティ
アイサ/マニュエラ・アーキュリ
アルバロ/エロイ・アソリン
エルビーラ/ロサナ・パストール
ド・ヴェイル伯爵/ジュリアーノ・ジェンマ

2001年前後の興行収入ランキング

歴代の興行収入ランキング

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