鳥羽亮の「はぐれ長屋の用心棒 第15巻 おっかあ」を読んだ感想とあらすじ

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覚書/感想/コメント

シリーズ第十五弾。

今回は十五、六歳の伊達若衆と呼ばれる若者たちが強請りをするところから始まる。「伊達」がつくくらいだから、いでたちが奇抜で派手な若者たちである。

その伊達若衆に長屋の仙吉が入ってしまったから大変である。源九郎らはなんとか仙吉を伊達若衆たちとの関係を断ち切らせようとするが、この伊達若衆の背後には思わぬ大物が潜んでおり…。

さて、「はぐれ長屋」は竪川にかかる一ツ目橋を渡った先の相生町一丁目にある。裏手は回向院。

一度、両国周辺に足を延ばしてみて、この界隈の雰囲気を体験してみてはどうだろう。

内容/あらすじ/ネタバレ

五十八歳の華町源九郎がお吟の浜乃屋を出て長屋に戻る途中、派手な弁慶格子や棒縞の模様の着物を着た若者たちが一人の娘に絡んでいた。

いずれも十五、六歳と思われる若者たちである。最近盛り場で目にするようになった伊達気取りの若い衆である。

長屋では仙吉と母・おとせの親子げんかが始まっていた。最近仙吉の素行が良くないことで、親子が言い争っているのだ。

源九郎は気にしていなかったが、お熊が気にしているようだ。お熊が言うには、仙吉の仲間が悪いという。米屋の磯六と八百屋の茂助である。

いずれも十五、六の若者で、近頃の同年齢の若者同様に伊達者を気取って派手な着物を着ている。仙吉はなかでも茂助と仲が良いらしい。

土田屋の番頭清蔵が源九郎を訪ねてきた。半年ほど前に源九郎と菅井紋太夫は土田屋に因縁を付けに来た浪人を追い返したことがあった。それが頼みがあるという。

河島屋という船宿で会うことになった。店の外で会うこと自体に源九郎は不審をおぼえた。

話を聞くと、十五、六歳と思われる若い衆が土田屋に乗り込んできて、強請ってきたというのだ。

この被害は土田屋だけではないらしい。老舗の松崎屋でも同じ被害があって土地の岡っ引き・徳造に談判をしてもらったという。だが、その徳造の行方が分からなくなったという。恐らくは…。

「亀楽」で源九郎、菅井、孫六、茂次、三太郎のいつもの面子が集まった。土田屋からは五十両の礼金を貰っている。

磯六が仙吉を誘ってひょっとこの辰の異名のある辰造が開いている千鳥屋という小料理屋に飲みに行った。

辰造は気前がよく、金はあとでいいからと言ってくれる。

店には他にも兄ぃ分の宗次郎や玄助がいた。そして奥では仙吉らと同年代の若い衆が遊び半分で博打をやっていた。ここでの兄貴分は利根助である。他に嘉次、弥助、三五郎といる。

土田屋を強請りに来た若い衆を源九郎と菅井が追い返した。若い衆は利根助らである。

なんてえ、ざまだ!すごすごと帰ってきた利根助を辰造が平手で頬を張った。辰造の顔が豹変している。

辰造は利根助らを追い返した源九郎、菅井のことを知っている仙吉らを呼びだした。

仙吉が源九郎に、命を大事にした方がいいですぜ、そのうち首が飛ぶかもしれねえよ、といった。

孫六は町方が動いているかもしれないと思い、勝栄の栄造を訪ねた。

栄造は孫六から話を聞き、それとなく探ってみようといった。

源九郎が浪人に襲われた。

この五日間、仙吉が長屋に戻ってきていない。おとせがひどく心配している。

磯六、茂助、仙吉が辰造に呼ばれて初仕事だと言われた。その仕事が強請りであることを知った仙吉は、顔がこわばり、全身に鳥肌が立っていた。

利根助は、食いついたら離さねえのが流儀だという。仙吉は自分が逃れられないのではないかと思った。

仙吉は辰造が洲崎の狛蔵の片腕であることを知った。洲崎の狛蔵は仙吉でも名を知っているくらいの大親分である。

菅井が襲われた。それを影で見ていたのが辰造と渋沢小十郎である。渋沢は洲崎の狛蔵の用心棒をしている浪人である。

孫六が老齢の地まわり五六造を訪ねた。伊達若衆の背後にいる黒幕を聞くためである。

分かったのは、伊達若衆が集まるのが千鳥屋という小料理屋であること。そして、その店をやっているのが辰造という男であること。なにより孫六を驚かせたのが、辰造と洲崎の狛蔵の関係であった。

平野屋を強請るという。それを聞いて茂助の元気がない。仙吉が聞くと家の近所に住むおあきが勤めているのだという。

平野屋の強請りは失敗した。茂助がおあきに刃を向けた仲間を突き飛ばしてしまったのである。

それを聞いた辰造は茂助を痛めつけた。茂助は辰造に人を一人殺せば許すといわれたが、それができず、川へ身を投げた…。

源九郎は仙吉が強請りの一味であることを知り、なんとか抜け出させようと考えている。そのためには洲崎の狛蔵との対決もあるだろう。だが、狛蔵の塒がつかめていない。

本書について

鳥羽亮
はぐれ長屋の用心棒15
おっかあ
双葉文庫 約頁
江戸時代

目次

第一章 伊達者
第二章 強請り
第三章 悪の道
第四章 制裁
第五章 母子
第六章 奇襲

登場人物

華町源九郎
菅井紋太夫
茂次…研師
孫六…元岡っ引き
三太郎…砂絵描き
お吟…浜乃屋女あるじ
お熊…長屋の住人、助造の女房
元造…飲み屋「亀楽」の主
おみよ…孫六の娘
栄造…岡っ引き
お勝…栄造の女房
村上彦四郎…南町奉行所定廻り同心
仙吉
おとせ…仙吉の母
磯六
茂助
辰造
宗次郎
玄助
利根助
嘉次
弥助
三五郎
渋沢小十郎
洲崎の狛蔵
久左衛門…土田屋の主
清蔵…土田屋番頭
五六造
おあき

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