塩野七生の「銀色のフィレンツェ メディチ家殺人事件」を読んだ感想とあらすじ(面白い!)

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覚書/感想/コメント

今度の舞台はフィレンツェ。マルコの口を通して語られているが、ヴェネツィアとフィレンツェを比較した場合、その政治体制もさることながら、美に対する意識の差が顕著なのも特徴的であろう。フィレンツェの持つ美に対する意識の高さは、この時代突出していたかも知れない。そう感じさせるような内容になっている。

さて、マルコとオリンピアは再会したものの、意図せずにメディチ家の権力争いに巻き込まれてしまう。どの程度の関わりを持つのかは本書にてご確認頂きたい。

この、マルコとオリンピア、次はどこへ向かうのやら。

シリーズは次のように進んでいく。

緋色のヴェネツィア 聖マルコ殺人事件
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「>銀色のフィレンツェ メディチ家殺人事件」
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黄金のローマ 法王庁殺人事件

内容/あらすじ/ネタバレ

マルコ・ダンドロがヴェネツィアでの三年間にわたる公職追放の処分を受けてから、まだ一年しかたっていない。心身共に欲していたはずの休養だったのに、マルコはその生活に厭きてしまっていた。

そこで、マルコはイタリアを旅して廻ることに決めた。西はイギリスから東はトルコまで知っているマルコだが、言語や風習ならば同じのイタリアを知らないことに気が付いたためである。

目的地に選んだのはフィレンツェであった。ヴェネツィアとフィレンツェは全く反対の性格を持つような都市である。一つの家門の権勢を許さないヴェネツィアとメディチ家の権勢が突出しているフィレンツェ。

マルコは期待を胸にフィレンツェへと向かう。途中、聖ミケーレ修道院に立ち寄り、付近でアレッサンドロ公爵の部下が殺されたことを聞いて、それからフィレンツェに入った。

そして、半月館という宿に腰を落ち着かせることにした。主人のジョヴァンニは、マルコに親しく接してくれた。というのもジョヴァンニはトルコに居たことがあり、ヴェネツィア人をよく知っていたのだ。

ジョヴァンニの好意により、翌日からフィレンツェを案内してくれるが、ある教会でマルコはメディチ家の面々を遠くから眺めることが出来た。悪評のあるアレッサンドロ公爵に、ロレンツィーノ、コシモ…。

マルコがメディチ家の面々を見ていたら、驚くべき人間と遭遇した。ヴェネツィアでの公職追放の原因となったオリンピアが居たのである。マルコはオリンピアに対しての恨みは持っていなかった。だから、二人の再会はかつてのようなものになった。

オリンピアとの再会からしばらくして、半月館の主人ジョヴァンニが逮捕された。アレッサンドロ公爵の部下殺人の嫌疑が彼にかけられているのである。

本当にジョヴァンニが犯人なのか?そして、これとは別にフィレンツェに蠢くメディチ家を巡る権力争い。マルコはフィレンツェの地で何を見るのか?

本書について

塩野七生
銀色のフィレンツェ
メディチ家殺人事件
朝日文芸文庫 約三三〇頁
16世紀 イタリア

目次

聖ミケーレ修道院
イリスの香り
半月館
メディチ家の人々
晩秋の一日
監獄・バルジェッロ
硬石の器
一つの考え
皇帝の間諜
刑場の朝
トレッビオの山荘
家族の団欒
ラファエッロの首飾り
冬晴れのフィレンツェ
『プリマヴェーラ』(春)
フィレンツェ魂
陰謀の解剖学
壁の中の道
反メディチの若き獅子
糸杉の道
反逆天使
遠方の光
アルノの向こう
エピファニアの夜
二人のマキアヴェリスト
エピローグ

登場人物

マルコ・ダンドロ…ヴェネツィア貴族
オリンピア…ローマから来た謎の女
アレッサンドロ公爵…フィレンツェ公爵
マルゲリータ…アレッサンドロ夫人
ロレンツィーノ…メディチ家
ラウドミア…ロレンツィーノの妹
コシモ…メディチ家
マリア・サルヴィーアーティ…コシモの母
フランチェスコ・ヴェットーリ…ヴェットーリ家当主
聖ミケーレ修道院長
ジョヴァンニ…半月館の主人

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