佐藤雅美の「幕末「住友」参謀-広瀬宰平」を読んだ感想とあらすじ

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覚書/感想/コメント


★★★★★★☆☆☆☆

住友中興の祖とされる広瀬宰平の話。

別子銅山を中心として発展した住友にとって別子銅山がなくなることは家業を衰退に導くことになる。

しかし、本店の人間と別子銅山の現場の人間とに認識の差が生まれる。本店の人間は別子をたたんでこぢんまりと商売を続ければいいじゃないかという発想である。

一方、別子銅山の人間は、たたむのであればそれこそ住友の看板すら捨ててしまえばよいと考える。

本業をおろそかにしてしまう若しくは軽んじてしまうと屋台骨が揺らいでしまう。苦しくとも本業にしがみついて、打開策を見つけられればさらなる成長が望めるというものだ。

さらなる成長は、本業から上げた収益を他の事業へ転換することでもある。そのことを考えさせられる本である。

しかし、広瀬宰平は銅山にこだわりすぎたために、住友の金融業への進出を遅らせてしまうという愚行を犯している。

もし、この事がなければ住友の発展はもっと早かったであろう。広瀬宰平という偉大な経営者が犯した唯一のミスである。

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内容/あらすじ/ネタバレ

住友にとって、四国の別子銅山は住友最大かつ唯一の家財であった。

幕末に近くなった時代、住友は銅山経営に喘いでいた。というのも、産出するために坑道を深く掘る必要があり、技術的困難性が増し、経費が一層かかっていたからである。

そのため、住友日勤老分の鷹藁源兵衛は幕府に銅の買い上げ金額を高くしてもらう交渉をしていた。当時幕府にとって銅は欠くことの出来ない輸出品目であった。

そこを逆手にとって、買値を高くしてもらえなかったら、休山止むなしとの強気の交渉であった。

住友は、銅山経営に関してのみ成らず、本店支店問わず借金が多額に上っていた。

一つの要因は、当主の道楽にあった。家業が大変な状態にもかかわらず、湯水のように金を使うため、追い打ちをかけるような状態にあった。

鷹藁源兵衛は当主を諫めるも、聞き入られず、逆に隠居させられてしまう。

広瀬宰平は別子銅山一筋で生きてきた男である。本店の悪化はそのまま別子銅山の死活問題にもなる。

銅の買い取り価格はあげられ、住友の願いは叶う形になり、一息入れることが出来た。

しかし、時代は幕末へと向かい、幕府が崩壊すると土佐藩がこれを機に乗っ取ろうとする。

この頃には別子銅山の支配役になっていた広瀬宰平は乗っ取られてたまるかと、担当役人の川田小一郎に掛け合う。

川田も別子くんだりで埋もれるつもりはなかったので、広瀬宰平に岩倉具視の名をそれとなく口にする。

広瀬宰平は住友の別子銅山を守ることが出来るのか。

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本書について

佐藤雅美
幕末「住友」参謀 広瀬宰平
人物文庫(学陽書房) 約三二〇頁
江戸幕末

目次

隠密
条件闘争
密命
汐見橋の出会い
復権
抜擢
両全仕法
米騒動
幕府崩壊
土佐の陰謀
銅山売却
銅山再生
引退

登場人物

広瀬宰平
鷹藁源兵衛…住友日勤老分
今沢卯兵衛…別子銅山支配役、後に住友日勤老分
北脇治右衛門…叔父、別子銅山支配役
川田小一郎(河田元右衛門)…土佐藩士、後の日銀総裁
岩倉具視…議定副総裁
住友友聞…九代当主
住友友視…十代当主
住友友訓…十一代当主
住友友親…十二代当主

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