佐藤雅美の「八州廻り桑山十兵衛 第2巻 殺された道案内」を読んだ感想とあらすじ(面白い!)

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覚書/感想/コメント

今回は木崎と忍を舞台にした連作短編。

木崎では伊勢崎屋源兵衛とそめを巡る話が始まり、本書の最後まで続く。また、忍では初枝と十兵衛を巡る話が始まり、本書の最後まで続く。

さらには、幕末・北辰一刀流で名をはせた千葉周作を巡る話が本書の最後まで続く。これら、三つの話が随所に出てきて、深みを増している。

また、あとがきに代えて、佐藤雅美による八州廻りの簡単な解説があるのも嬉しい一冊。

内容/あらすじ/ネタバレ

木崎の色地蔵

廻村をしていると、日光例幣使が近々通るという。この例幣使の一行は殆ど強請たかりの類のことをやりながら通り過ぎるので、村の人間には困った存在であった。

しかし、桑山十兵衛は関係ないことと考えていたが、ある拍子に十兵衛が八州廻りであることがばれ、村の人間がここぞとばかりに頼る。困ったことになったが無視出来ない。

そこで、十兵衛はできることなりに手助けをするが、この例幣使の一行に駕籠訴をした女がいる。そめである。

小幡に七蔵なければいい

小幡の鼻つまみ者であった七蔵が殺された。十兵衛は殺した犯人を捕まえるために小幡に向かう。

その途中で剣術の師・寺田五郎右衛門のもとに立ち寄ると、弟弟子にあたる千葉周作が馬庭念流の地元で華々しく活動しすぎているので、自粛するように伝えろと頼まれてしまう。

その後、小幡に着き、本来の仕事に取りかかるのだが、七蔵を殺したのは誰か?

順休さんの変死

そめを預かっていた十兵衛のもとに伊勢崎屋源兵衛がやってくる、そめに掛かった金額のいくらかを取り戻すつもりなのだ。十兵衛は源兵衛と折り合いをつけ、そめを引き取ることにした。

一方、留役・川端三五郎に呼ばれた十兵衛は、訴状を見せられる。この訴状を差出人の順休と話し合って何とかしてもらいたいというのだ。

三筋立結城縞の子供着

岡っ引の矢車の辰蔵が出入りをする白札屋の手代忠吉が三〇〇両を持って逃げた。辰蔵はその忠吉を探していたが、見つからず途方に暮れていた。

十兵衛も廻村の際に注意することを約束して分かれるが、十兵衛はその手がかりをつかみ、忠吉を追い始めた。しかし、あるところで足跡はぷっつりと消え…

殺された道案内

忍の道案内・権蔵が何者かに殺された。忍は十兵衛にとってあまり足を向けたくない地であった。かつてほのかな恋心を抱いた初枝がいるからである。

しかし、ことの性質上、忍にいくことになった。権蔵を殺したのはいったい誰なのか、そしてその理由は?

公方様の気まぐれ

真田九右衛門から呼ばれ、目安箱に投書された訴状で不可思議なものがあるので、その訴状を投書した理由を探れといわれる。

しかも公方様直々の御下問であるようだ。急ぎ出発する十兵衛だが、伊勢崎屋源兵衛がそめの件でまた問題を持ち込んでくる。

途方に暮れた顔

十兵衛は剣術の師・寺田五郎右衛門から千葉周作への伝言が果たされていないのを不満に思っているらしい。一方、忍阿部家は領地替えの憂き目にあっていた。

そのため城下に不穏な動きがないかどうかを探れと命ぜられた。忍に着いた十兵衛のもとに初枝がやって来て、夫・森本勘兵衛に愛想が尽きたので、十兵衛のもとで暮らしてもよいかという。

春の野に夢

そめに関して伊勢崎屋源兵衛と最後のやりとりが始まった。その一方、懸案の千葉周作のことも何とかしなければならない。これらを十兵衛はどのように片づけるのか、そして初枝とはどうなるのか?

本書について

佐藤雅美
殺された道案内 八州廻り桑山十兵衛
文春文庫 約三六〇頁
江戸時代

目次

木崎の色地蔵
小幡に七蔵なければいい
順休さんの変死
三筋立結城縞の子供着
殺された道案内
公方様の気まぐれ
途方に暮れた顔
春の野に夢

登場人物

桑山十兵衛…関東取締役出役(八州廻り)
八重…娘
粂蔵…十兵衛の小者
五兵衛…雇足軽
佐平…老僕
鏑木彦四郎…十兵衛の実兄
登喜…彦四郎の妻
藤縄弥五郎…関東取締役出役(八州廻り)
加賀美徳蔵…関東取締役出役(八州廻り)
松浦伊勢守…公事方勘定奉行
真田九右衛門…組頭
川端三五郎…留役
木崎の色地蔵
辰次…道案内
伊勢崎屋源兵衛…旅籠屋
そめ
はつ
小幡に七蔵なければいい
七蔵
徳兵衛…鍛冶屋
たき…徳蔵の娘
佐助…道案内
般若の繁蔵
寺田五郎右衛門…十兵衛の剣術の師
千葉周作…剣客
順休さんの変死
順休…旅の僧
真田九右衛門…組頭
伊勢崎屋源兵衛…旅籠屋
三筋立結城縞の子供着
忠吉…白札屋の手代
勝五郎…道案内
須﨑屋為蔵…網元
津国屋祐右衛門
矢車の辰蔵…岡っ引
殺された道案内
権蔵…道案内
千太…権蔵の手下
烏金のおつた
嘉六…道案内
川村左兵衛(兵馬)…忍阿部家の家臣
初枝…川村左兵衛の妹
森本勘兵衛…初枝の夫
公方様の気まぐれ
真田九右衛門…組頭
辰次…道案内
又八…道案内
大丸屋吉右衛門
草津屋利兵衛
つよ…信濃屋の娘
松五郎…掛取り商い
伊勢崎屋源兵衛…旅籠屋
そめ
途方に暮れた顔
清次
辰次…道案内
千葉周作…剣客
初枝…川村左兵衛の妹
春の野に夢
伊勢崎屋源兵衛…旅籠屋
そめ
九蔵
千葉周作

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