佐藤雅美の「恵比寿屋喜兵衛手控え」を読んだ感想とあらすじ(最高に面白い!)

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覚書/感想/コメント

恵比寿屋喜兵衛手控え (講談社文庫)
講談社
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恵比寿屋喜兵衛手控え (講談社文庫) [Sep 12, 1996] 佐藤 雅美

第110回直木三十五賞受賞作品

江戸時代の裁判制度のうち、現代の民事裁判に相当する裁判を題材にしている。この民事裁判に相当する訴訟に挑む際、公事宿を根城にして訴訟に挑むことになる。この公事宿の主人が恵比寿屋喜兵衛である。

実際の公事宿は作中で画かれるようなものではなかったらしい。できるだけ長く逗留させ、つまり訴訟を長引かせて逗留費を稼ぎ出そうとするたちの悪い宿が多かったようである。

ただ、それだと小説としてはあまりにも意地汚いものになってしまう可能性があるので、設定を変えたのであろう。

この小説では、当時の訴訟の様子が細かくえがかれているのはもちろん、公事宿という特殊な宿の持つ特権も画かれている。この特権に関して、一悶着あるのだが、それは本書を読んで確認して頂きたい。

内容/あらすじ/ネタバレ

公事宿を営む喜兵衛の宿に、越後から来た六助という男がやってきて、兄のかわりに公事訴訟に挑む。兄が見知らぬ男から金を返せと言われたのである。

公事師による胡散臭い話の類だろうと喜兵衛は考える。

喜兵衛は六助に訴訟に関する事柄を教えながら、六助の手助けをする。この六助はなかなか筋がよかった。

一方、喜兵衛は妻の絹との不仲が続いていた。絹は寝たきりとなっているが、会いに行っても寒々しい空気が流れるだけである。

六助の持ち込んだ訴訟は複雑な様相を見せる。その訴訟に係わっている内に、喜兵衛は何者かに襲われる。六助の持ち込んだ訴訟と関係するのか?

そして、親戚の大津屋茂左衛門が公事宿仲間にとって迷惑となりうる動きを始めていた。

度重なる不審な刺客の動きに、喜兵衛は花田縫殿助に相談を持ちかける。しかし、この花田はもともとが強請たかりの類で糊代を稼ぐ口。この花田も不審な動きをみせ…。

様々に重なる人の思惑はもつれるばかりで、それぞれ複雑に絡んだ思惑を解きほぐすことはできるのか?

本書について

佐藤雅美
恵比寿屋喜兵衛手控え
講談社文庫 約四〇〇頁
江戸時代

目次

旅人宿
初音の馬場
見送る女
猫背の刺客
囲い込み
白州留
寺男
川突き
迷い蛍
六十六部

登場人物

恵比寿屋喜兵衛
嘉助…下代
おふじ…下女
絹…喜兵衛の妻
お種婆さん…絹の下女
糸…喜兵衛の娘
小夜…喜兵衛の妾
大津屋茂左衛門…親戚
六助…公事訴訟の代
庄助…六助の兄
奥松…庄助の知合い
正十郎…訴訟人
留吉…公事師
三国屋太郎左衛門
徳三…三国屋の番頭
仁杉七右衛門…吟味方与力
亀吉…喜兵衛の幼なじみ
花田縫殿助

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