佐伯泰英の「酔いどれ小籐次留書 第8巻 竜笛嫋々」を読んだ感想とあらすじ

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覚書/感想/コメント

シリーズ第八弾。前作で天涯孤独となった駿太郎。預けていたおりょうのところに小籐次が出かけるところから事件が始まる。

おりょうに縁談が持ち込まれたのだが、この相手が怪しい。よからぬ噂がたんとあるのだ。そうこうしている内に、おりょうが失踪してしまう。怒りを爆発させる小籐次が、おりょう奪還を目指して派手に立ち回る。

赤ん坊の駿太郎であるが、早くも養父の小籐次の頭を悩ませている。子育てが大変ということではない。女衆に囲まれていると御機嫌になる様子を見て、早くも行く末を案じているのだ。まぁ、少なくとも小籐次よりは色男になるのは間違いないだろうが、いまから心配しなくても…。

さて、本作で久しぶりにおしんと仕事をする小籐次。このおしんに頼み事をしにいった時に、老中青山忠裕と対面を果たす。シリーズに度々名が登場する老中であるが、実際に登場したのは初めてである。年は小籐次とほぼ同じ。この二人が今後どのように絡んでいくのか、楽しみなところである。

次作では再び水戸へ行くことになりそうだ。本作で色んな所に伏線が張られている。水戸には、小籐次だけが行くわけではなさそうだ。久慈屋の将来を担うであろう、若者二人が同道し、また、小籐次と仲の良い小僧の国三も行くことになりそうだ。

この物語がどうなるのかは、次作でのお楽しみであるが、どういう敵が立ちはだかるのか?

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内容/あらすじ/ネタバレ

文政元年(一八一八)も終わり。小籐次はおりょうに預けていた駿太郎を迎えに行く途中だった。そこで五、六人のやくざ者が一人の娘の手を引いて東海道に現われた。小籐次はこのやくざ者達を片付け、娘を救い出した。

旗本水野監物邸に着いた小籐次は、おりょうから相談を受けた。おりょうに縁談が持ち込まれたのだという。小籐次はこの話に少なからず動揺した。相手は畠山頼近、高家肝煎である。ただ、おりょうの女の勘が畠山頼近訝しと主張している。

小籐次は老中青山忠裕の屋敷に行き、おしんに会った。おしんに畠山頼近の事を調べて欲しいというと、話を聞いたあとで、老中と面会することになった。どうも、老中も畠山頼近に関して動いているようである。

この後、久慈屋に寄った小籐次は、ここでも観右衛門に畠山頼近の事を調べてくれるように頼んだ。

こうしたことの後、小籐次はだいぶ溜まっている研ぎの仕事に専念することにした。

おりょうが実家に戻る時、小籐次は影ながら同行することにした。すると、柊売りに格好をした三人の影が現われた。おりょうはつけられていた。

畠山頼近は公家から来た養子である。珍しい例といわざるを得ないが、この養子に関して不審なことが起きている。養子話の前に、実父が死に、養子に入った直後に養父が死んでいる。また、高家肝煎を継ぐことに異を唱えた表高家の幾人かが死んでいるともいう。

畠山頼近は天皇家を守護する者の間に伝承される馬上太刀四方流の達人であり、ほかに妖術も身につけているといわれている人物だった。

水野家から急な知らせがきた。おりょうが畠山頼近と所帯を持つために年の瀬に奉公を辞するといい、そのまま屋敷を出ていなくなったというのだ。水野監物夫婦はいつものおりょうではないと感じていた。誰かに心身を操られていると思っているのだ。

年が明けた。怒りに燃えている小籐次の所におしんが現われた。おしんは麻野義蔵という人物を連れてきていた。この人物は畠山頼近を見知っていた。

だが、今の畠山頼近は知っている顔ではないという。すりかわっているのだ。今の畠山頼近は恐らくかつて外様の小藩だった津田高勝の子孫であろうという。一体、畠山頼近にすり替わった者は何が目的なのだ?

小籐次は読売屋に畠山頼近に関するネタを渡した。そうして畠山頼近をあぶり出す一方で、新たな知らせが入ってきた。それはこの度朱引きに組み入れられた品川宿六軒茶屋町外れに、京から江戸に下向してきた連中が潜り込んでいるというものだった。

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本書について

佐伯泰英
竜笛嫋々 酔いどれ小籐次留書8
幻冬舎文庫 約三二〇頁
江戸時代

目次

第一章 秘曲春暁
第二章 節季働き
第三章 おりょうの失踪
第四章 カブキ者
第五章 場末町の大雨

登場人物

おひろ
大井の強太郎
臥煙の仁蔵
畠山頼近(祭文高道)…高家肝煎
浩介…久慈屋の手代
おやえ…久慈屋の娘
志野田次郎左衛門…水野監物家臣
麻野義蔵
空蔵…読売屋
伊豆助…版木屋
とみ
草六…とみの亭主

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