西洋が舞台
ローマが舞台
リンゼイ・デイヴィス女史による「密偵ファルコ」というシリーズがある。本国イギリスでは常に上位に入ってくるほど人気のシリーズということである。
紀元前70年から始まるシリーズもので、皇帝はヴェスパシアヌス。1年間に4人も皇帝が替わった激動の時代である。
ヴェスパシアヌスの息子で皇帝を継いだティトゥス、ドミティアヌスも登場する。
ちなみに、この3人が開いたのがフラウィウス朝と呼ばれ、この後に五賢帝の時代が到来する。
主人公は題名のとおり密偵のファルコ。「おれ」という風に、ファルコ自身の視点から書かれている。諧謔性に富んだシリーズで、くすくす笑うというよりはニヤニヤしながら読めるところがいい。
古代ローマが好きな人には「超」のつくほどお薦めのシリーズだ。
ファルコはローマのスラム出身。住んでいる家は雨漏りなど当たり前のひどい状況。プレイボーイなのだが母親や姉達には頭が上がらない。密偵としての腕はそこそこだが、時たまピンチに陥る。
そんなファルコが身分違いのヘレナに恋をしてしまい、二人の身分を隔てた恋の行方もシリーズの大きな楽しみである。
私も徐々に読み始めているが、時代小説県歴史小説村に掲載されるのは来年以降になりそうである。
なにせ、他の本の掲載予定が詰まっていて…。
参考までだが、リンゼイ・デイヴィス女史は「修道士カドフェル」シリーズで有名なエリス・ピーターズ、数多くのペンネームがあるP・C・ドハティーと共に「歴史ミステリー御三家」と呼ばれているそうだ。
フランスやイタリア
- 佐藤賢一「双頭の鷲」:フランスが産んだ戦の天才、ベルトラン・デュ・ゲクランの生涯を描いた作品。
- 塩野七生「緋色のヴェネツィア 聖マルコ殺人事件」:ルネサンス歴史絵巻三部作の一作目。他に「銀色のフィレンツェ メディチ家殺人事件」「黄金のローマ 法王庁殺人事件」があります。
東洋が舞台
中国古代
最近はずっと宮城谷昌光氏の小説を読んでいる。
かなり面白い。
夏、商(殷)、周、戦国・春秋時代と古代中国をネタにした小説群で宮城谷昌光氏を上回るものを書ける作家は今後出てこないだろう。
それ位、どの作品も素晴らしい出来栄えである。
本来ならば、時系列で読んでいきたい所だが、半分手当たり次第という感じになっている。
読み終えたの
- 「天空の舟 小説・伊尹伝」
- 「華栄の丘」
- 「重耳」
- 「孟夏の太陽」
- 「孟嘗君」
他にも手元に大分あり、これを機に一気に宮城谷作品を読んでいこうと思う。
中国ものというと、他には陳舜臣氏が多くの作品を書かれており、他には塚本青史氏(青の字は異なるが、文字化けするためこの字にしている。)、田中芳樹氏、井上裕美子氏、藤水名子氏などが作品数が多い。
中国もの
- 海音寺潮五郎「孫子」:兵法書としての「孫子」を描いているのではなく、孫武と孫臏の物語。
- 白石一郎「怒濤のごとく」:日本で国姓爺の名で知られる鄭成功と、父・鄭芝龍の物語。
- 宮城谷昌光「晏子」:父・晏弱と春秋時代を通じて管仲と並び称される名宰相・晏嬰の物語。