池波正太郎の「鬼平犯科帳 第23巻 特別長編 炎の色」を読んだ感想とあらすじ

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覚書/感想/コメント

本書は女を主人公とした一冊である。

長谷川平蔵宣以の隠れた妹・お園、女賊・荒神のお夏。そして密偵・おまさ。この三人が織りなす物語である。

お園は亡き平蔵の父の面影を残す女である。と同時に平蔵自身にも似た面があるようでもある。気っぷの良さ、さっぱりした所など平蔵そっくりといって良い。一方、荒神のお夏は、今まで登場した事のない妖しい女である。その妖しさは本書でご確認頂きたい。

この両者に共通して言えるのは、今までの鬼平シリーズには登場してこなかったタイプの女である事である。今まで登場してきたのは、男を惑わすようなタイプの女ばかりであった。そういう点では、新しいタイプの女を登場させたのは、新鮮である。

内容/あらすじ/ネタバレ

長谷川家の元小者・久助が久方ぶりに平蔵に会いに来た。どうやら用事があるらしいが、用事を言いかねているらしい。平蔵が問うと、平蔵の父に隠し子がいた事を告げた。

女の隠し子で、つまり、平蔵の妹に当ることになる。唖然とする平蔵だが、続けて久助が言うのには、その”お園”という平蔵の妹が土地の顔役に目をつけられているので、助けてやってもらえないかというものだった。平蔵はこの事をしかと請負い、お園という自分の妹を見に行く。

程なくして、お園は襲われるのだが、そこを平蔵が助けてお園を連れて役宅に戻った。しかし、お園には本当の事を告げていない。やがて気が付くと、お園は女中達と供に役宅で働いていた。平蔵の妹であることを知るのは久栄のみである。

さて…おまさが出会ったのは、峰山の初蔵という盗賊であった。この峰山の初蔵は近く盗めをするので、引き込みとしておまさの助けを借りたいという。今度の盗めは荒神の二代目と一緒に行う事になっているとも言った。その荒神の二代目は、どうやら女らしい。

おまさが荒神の二代目事、お夏に会ってから、目的とする店に引き込みとして入り込んだ。これからがおまさと火付盗賊改方の苦労するところである。荒神のお夏と峰山の初蔵にばれないようにしていかに連絡するか、このことが平蔵を悩ませていた。

本書について

池波正太郎
鬼平犯科帳23
特別長編 炎の色
文春文庫 約二七〇頁
長編
江戸時代

目次

隠し子
炎の色
 夜鴉の声
 囮(おとり)
 荒神のお夏
 おまさとお園
 盗みの季節
 押し込みの夜

登場人物

荒神のお夏…盗賊
峰山の初蔵…盗賊
袖巻の半七…盗賊
夜鴉の仙之助…盗賊
おまさ
小柳安五郎
お園
久助…元長谷川家小者
丹羽庄九郎

池波正太郎の火付盗賊改もの

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