池波正太郎の「鬼平犯科帳 第21巻」を読んだ感想とあらすじ

作家あ行
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覚書/感想/コメント

★★★★★★★★☆☆

「麻布一本松」では、久々に木村忠吾が面白い。このところ細川峯太郎にその役回りを奪われたかたちになっていたのだが、やはり本家本元のおっちょこちょいはこうでなくてはならない。特に、最後の場面は久々に可笑しかった。

さらに「男の隠れ家」で長谷川平蔵宣以は、こう語っている。

「いまの世は酔狂なやつどもが消えて、つまらなくなってきた。(中略)わしの配下にも、弥吉の弟分のようなのが二人ほどいるが…。」
「木村忠吾と細川峯太郎でございますね。」
「当った、大当り」

すると、やはり木村忠吾と細川峯太郎は酔狂な輩という事になり、平蔵にも幾ばくかの心の潤いを与えているようである。

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内容/あらすじ/ネタバレ

泣き男

お長への未練を断ち切れず、そのことが平蔵にばれ、勘定方へもどされてしまった細川峯太郎。非番の日に外へ赴いていると、座頭の辰の市を見かける。

しかし、座頭のはずの辰の市が目を見開いて歩いているではないか。おかしいと思った細川峯太郎は平蔵へ報告する。その辰の市だが、青木源兵衛という血を見る盗めをいとわない盗賊の誘いを受けていた。

瓶割り小僧

捕えた盗賊がしぶとくも何も吐かない。業を煮やしている与力であるが、平蔵はその訊問ぶりを見ていると、その盗賊の顔になんとなく見覚えがある。思い出したのは、小者の庄七が湯呑みを落として割ってしまった時だった。そう、盗賊はあのときの小僧だ。

麻布一本松

木村忠吾がむしゃくしゃしている折りに、石を蹴飛ばしたら、浪人の向こう脛に当ってしまった。浪人が怒ると、忠吾は逆に毒づき急所に一蹴り入れて逃げてしまった。数日後、忠吾は注意して、この近くを巡回して茶店にはいると忠吾に声をかけてきた女がいる。

討ち入り市兵衛

お熊の店先で倒れていたのは松戸の繁蔵という盗賊だった。松戸の繁蔵は蓮沼の市兵衛の片腕といわれた男だった。

この松戸の繁蔵を襲ったのは壁川の源内という盗賊の手下で、それは壁川の源内が江戸での盗めをするために助けて欲しいと頼んできたのを、蓮沼の市兵衛が断った事に対する腹いせだった。

春の淡雪

“穴掘り”の平野屋源助の所の番頭・茂兵衛が盗賊を見かけたと知らせてきた。それは雪崩の清松と日野の銀太郎という二人であった。

しかし、雪崩の清松は同心・大島勇五郎が使っている密偵である。大島は雪崩の清松を盗賊とは知らずに使っているようである。しかも、大島勇五郎はこの清松に弱みを握られてしまっていた。

男の隠れ家

泥亀の七蔵が玉村の弥吉を見かけたという知らせを持ってきた。芋ずる式に盗賊を捕えようと考え、密かに見張ってみた。すると玉村の弥吉の代わりに侍が出てきた。その侍をつけてみると、どことなくおかしい。

やがて、その侍が浪人に絡まれると、侍が実は町人の変装した姿である事が分かった。しかし一体何故この様なまねをしたのか?そして、この町人と玉村の弥吉の関係は?

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本書について

池波正太郎
鬼平犯科帳21
文春文庫 約二七〇頁
連作短編
江戸時代

目次

泣き男
瓶割り小僧
麻布一本松
討ち入り市兵衛
春の淡雪
男の隠れ家

登場人物

泣き男
 細川峯太郎
 辰の市…座頭
 お峰…辰の市の女房
 青木源兵衛…盗賊

瓶割り小僧
 石川の五兵衛…盗賊

麻布一本松
 木村忠吾
 市口又十郎…剣客
 お弓

討ち入り市兵衛
 蓮沼の市兵衛…盗賊
 松戸の繁蔵…盗賊
 壁川の源内…盗賊

春の淡雪
 雪崩の清松…盗賊
 日野の銀太郎…盗賊
 池田屋五平…盗賊
 大島勇五郎…同心
 茂兵衛…密偵

男の隠れ家
 玉村の弥吉…盗賊
 泥亀の七蔵…密偵
 吉野家

池波正太郎の火付盗賊改もの

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