池波正太郎の「鬼平犯科帳 第18巻」を読んだ感想とあらすじ

作家あ行
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覚書/感想/コメント

★★★★★★★★☆☆

「俄か雨」で、長谷川平蔵宣以がけしからぬ事をした同心の細川峯太郎をいたぶる様が面白可笑しい。妻の久栄も隠れてこれを見守って笑っている。

途中、あまりの事に、うーんと気絶してしまう細川峯太郎。このあたりは、木村忠吾がかつて平蔵にいたぶられた様が甦るようである。忠吾が一人前の同心になってきたので、こういう道化役が新たに必要になったのだろうか。

次に「おれの弟」は、よくやった平蔵、といいたくなる作品である。権力に対して、真っ向から刃向かうことはしないものの、許せない事に関してはきっちりと落とし前をつけるところが、さすがに平蔵である。これを読んだら、ざまぁみろ、といいたくなるほど痛快である。

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内容/あらすじ/ネタバレ

俄か雨

平蔵が目黒不動での詣でを済まし、帰る途中で俄雨に降られた。廃屋となった家に雨宿りで入り込むと、そこには人の住んでいる形跡がある。

怪しんでいると、そこに人が入り込んできた。平蔵は身を隠したが、入ってきた者の声に聞き覚えがある。

間違いなく同心の細川峯太郎である。しかも女連れのようである。細川峯太郎は濡れた着物を脱ぎ、その場で女と事に及ぼうとしている。

平蔵は苦笑しつつも身を潜めていると、今度はこの廃屋の住人とおぼしき浪人が入ってきて、細川峯太郎を気絶させてしまった。

ここに来て平蔵は浪人を外に出して押さえ込みにかかったが、浪人を押さえて戻ると既に細川峯太郎は女と供に消えていた。しかし、細川峯太郎は下帯を残していたのだった。

馴馬の三蔵

小房の粂八が〔鶴や〕客と料理屋の万亀で食事をしていた。客が小房の粂八に馳走したのである。

粂八が厠で用を足し、戻ってくる途中で男が物置小屋に入り込むのを見てしまった。男が居坐り盗めをすると睨んだが、男は粂八の知る男で馴馬の三蔵という盗賊である。

粂八は馴馬の三蔵に対して恩がある。今度ばかりは平蔵に報告出来ず、粂八は馴馬の三蔵に犯行を思いとどまらせようと思う。

蛇苺

針ヶ谷の宗助は嘗役である。諸方の金のありそうな店の間取りを盗賊に売りつけて稼ぐのである。今度も沼目の太四郎に一カ所を売った宗助である。

その宗助の女房・おさわは宗助の体をむさぼりたくてしょうがない。宗助の体をむさぼる一方で、おさわは実は沼目の太四郎ともできていた。

一寸の虫

密偵の仁三郎が鹿谷の伴助と出会った。伴助は仁三郎に盗みの助けを頼み、仁三郎もこれを承知した。伴助と連絡をつければ芋ずる式に他の盗っ人も捕まえられると考えたからである。

今度の盗みの相手を聴いて仁三郎は驚いた。船影の忠兵衛を襲うというのだ。仁三郎は船影の忠兵衛に義理があるのだ。仁三郎はさんざんに迷ったあげく、ある覚悟をする。

おれの弟

高杉銀平門下の滝口丈助は平蔵の弟弟子でもある。その丈助がお市という女と歩いているのを平蔵は見かける。お市は嫁いでいるので、これはと心配した平蔵はそれとなく様子を見守ることにした。

すると、滝口丈助がどうやら決闘に挑むようであることが分かった。しかし、その決闘はまっとうなものではなく…

草雲雀

勘定方から見回りに変更になった細川峯太郎が墓参りに目黒に向かった。途中には平蔵に見つかった密会の相手のお長がいる。

細川峯太郎はよからぬ事も考えつつ歩いていると手配書に書かれた通りの特徴を持つ男に出会った。細川峯太郎は役宅に知らせを走らせる間、見張りを続ける。そこ出張ってくれたのは平蔵であった。

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登場する場所

本書について

池波正太郎
鬼平犯科帳18
文春文庫 約二五〇頁
連作短編
江戸時代

目次

俄か雨
馴馬の三蔵
蛇苺
一寸の虫
おれの弟
草雲雀

登場人物

俄か雨
 細川峯太郎…同心
 お長

馴馬の三蔵
 馴馬の三蔵…盗賊
 瀨田の万右衛門…盗賊

蛇苺
 針ヶ谷の宗助…嘗役
 おさわ
 沼目の太四郎…盗賊

一寸の虫
 仁三郎…密偵
 鹿谷の伴助…盗賊
 船影の忠兵衛…盗賊
 山崎庄五郎…同心

おれの弟
 滝口丈助
 お市
 石川源三郎…旗本の三男

草雲雀
 友次郎…盗賊
 鳥羽の彦蔵…盗賊
 お長

池波正太郎の火付盗賊改もの

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