池波正太郎の「鬼平犯科帳 第13巻」を読んだ感想とあらすじ

作家あ行
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覚書/感想/コメント

★★★★★★★☆☆☆

前巻で、辰蔵に見送られて湯治に出た長谷川平蔵宣以一行だが、結局湯治先でも盗賊と出会ってしまうのが因業なものである。

前巻で辰蔵が見送る際に涙を流していたのは、辰蔵も辰蔵なりに平蔵の心身を心配していたからなのであろうと思う。

すると、辰蔵も人間として成熟してきたのであろう。本作でもかつてのドラ息子ぶりが収まってきているのが感じられる。やはり蛙の子は蛙と言うことか。

最後の”一本眉”。木村忠吾がついに盗賊と分からなかった男=一本眉の男であるが、この一本眉の男もまさか忠吾が火盗改方の同心であるとは気が付かないで、互いに相手を好ましく思う点が、ほほえましい一作である。

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内容/あらすじ/ネタバレ

熱海みやげの宝物

熱海での湯治にも飽きてきた平蔵一行。そろそろ江戸に戻ろうかと思っていると、彦十が馬蕗の利平治が宿に入ってきたという。

湯治にきているからと言うことで平蔵は見逃すことにしたが、馬蕗の利平治には連れがいるという。気になる平蔵は、彦十に利平時との接触を命じる。

利平治の連れは橫川の庄八といい、利平治が所有する大切なものを狙っているのだという。平蔵は盗賊の頭というふれこみで、利平治を江戸まで送り届けることにした。果たして利平治が所有する大切なものとは何か?

殺しの波紋

火盗改方の与力・富田達五郎は殺しの現場を見られた。そしてそのことで脅されていた。脅している相手は分からない。そもそも、富田達五郎がしてしまった殺しは何のことはない諍いが原因である。

しかし、今となっては何とかしてこの脅迫から逃れたいと考える富田であるが…

夜針の音松

夜針の音松を追う同心・松永弥四郎。変装した格好でたまたま自分の女房のお節を見かけ、これを路上で襲う。

お節はすぐに自分の主人であることに気が付くが、その現場を平蔵の息子・辰蔵に見られてしまう。弥四郎このような振る舞いを覚えたのは、おきねという女に会った後からである。

墨つぼの孫八

おまさは久しぶりに墨斗の孫八とであった。そして盗みの手伝いをしてくれないかと頼まれる。おまさが大滝の五郎蔵の下で働いていると孫八にいうと、五郎蔵も一緒に手伝って欲しいと頼む。

この件はすぐに平蔵に伝えられた。やがて平蔵も孫八の盗みを手伝うという触込みで孫八と会う。

この孫八、自分の家族が病気等で次々と亡くした経験があり、自分もやがては病気で死ぬのではないかと異常に恐怖していた。

春雪

旗本の宮口伊織の懐を掏摸の宗八が狙った。これを見ていた平蔵は宗八を捉え、盗んだものをあらためた。すると、宮口伊織が所有していた紙入れから、どこかの家の間取りが記された紙が出てきた。

一体何か分からなかった平蔵だが、役宅に戻り、妻の久栄が放った一言にハッとする。平蔵が宮口伊織とこの紙の関係を考えるに当たって思いもよらなかったことを久栄が言ったからである。

一本眉

木村忠吾がよる飲み屋に眉が一本につながった男がいる。忠吾はこの一本眉の男から度々ご馳走になっていた。

しかし、この一本眉の男は淸洲の甚五郎という盗賊であった。この甚五郎が狙っていた店を別の盗賊が押し込んだ。しかも店のもの皆殺しという凶悪な手口である。甚五郎はこの手のやり方は気に入らなかった。さて、甚五郎はどうする?

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本書について

池波正太郎
鬼平犯科帳13
文春文庫 約二八〇頁
連作短編
江戸時代

目次

熱海みやげの宝物
殺しの波紋
夜針の音松
墨つぼの孫八
春雪
一本眉

登場人物

熱海みやげの宝物
 馬蕗の利平治…盗賊
 橫川の庄八…盗賊
 高橋九十郎…盗賊
 高窓の久太郎…盗賊

殺しの波紋
 富田達五郎…与力
 犬神の竹松…盗賊

夜針の音松
 松永弥四郎…同心
 お節…弥四郎の妻
 辰蔵
 夜針の音松…盗賊
 岩吉…密偵
 おきね

墨つぼの孫八
 墨斗の孫八…盗賊
 名瀬の宇兵衛…盗賊

春雪
 宮口伊織…旗本
 おきね
 宗八…掏摸

一本眉
 淸洲の甚五郎…盗賊
 おみち…盗賊
 倉淵の佐喜蔵…盗賊
 茂の市…座頭

池波正太郎の火付盗賊改もの

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