池波正太郎の「鬼平犯科帳 第10巻」を読んだ感想とあらすじ

3) かなり面白い
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覚書/感想/コメント

本書ではとても短い密偵生活で死んでしまう者が二名いる。一人は元盗賊の雨引の文五郎であり、もう一人は元火盗改方の同心・高松繁太郎である。今までのなじみの密偵同様に活躍するのかと思いきや、この巻だけの登場となってしまった。

特に高松繁太郎はもっと登場させても面白かったかもしれない。なぜなら、元火盗改方の同心であるという、今までの密偵達とは設定が異なるからである。

さて、今回一番ハラハラさせられるのが、”むかしなじみ”である。彦十の爺っつあん、まさか長谷川平蔵宣以を裏切るんじゃないよねぇ?と心配してしまうのである。人気のある脇役の進退がどうなるのか、とてもハラハラさせられる一話である。

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内容/あらすじ/ネタバレ

犬神の権三

佐嶋忠介は犬神の権三をばったりと出会ったところで捕まえた。

しかし、すぐに盗賊改方の役宅から火が出た。そのどさくさに犬神の権三がいなくなった。

どうやら役宅の人間が犬神の権三を逃がしたらしい。すぐに同心や密偵らを集めたが、一人いない者がいた。先頃捕まえて、密偵になった雨引の文五郎であった。

蛙の長助

舟形の宗平が見かけたのは蛙の長助という盗賊であった。その蛙の長助はどうやら借金取りをしているらしい。長助は借金取りの催促に行った先で、自分の娘らしい女を見る。この女の話を聞くといちいち頷けるものがあり、また長助にも身に覚えがあるのである。

追跡

元火付盗賊改方の目明しをしていた甚五郎を平蔵が偶然見かける。この甚五郎は盗賊に火盗改方の情報を流したこともある。

その甚五郎を見たからには、跡をつけずにいられない平蔵だったが、この平蔵に立ち会いを望む侍がいた。このしつこい侍のせいで甚五郎を見失ってしまう。

五月雨坊主

絵師の石田竹仙が役宅にきた。石田竹仙の家の前で人が死んだのだが、これが怪しかったためである。

どうやらこの死んだ人間は石田竹仙を別の人間と勘違いしていたらしく、しかもこの死んだ人間は盗賊だったようである。さっそく石田竹仙に似顔絵を描いてもらい探し回る。

むかしなじみ

相模の彦十が網虫の久六にあった。この久六から彦十は盗みを誘われる。少人数で押し込もうというのだ。この話を平蔵に話した彦十は、さらに探索を続けるために久六と会う。

その時に出た話が、彦十を深刻な様子にさせる。そしていつもの彦十とは様子が違っているのを平蔵は気が付く。

消えた男

元火盗改方同心の高松繁太郎と久しぶりにあった佐嶋忠介であった。この高松繁太郎は、火盗改方を辞める直前まで追っていたのが蛇骨の半九郎という盗賊であった。

お熊と茂平

〔笹や〕のお熊の茶友達である茂平が突然死んだ。その死の間際にお熊に頼んだことがある。一つは死んだことをある男に知らせて欲しいということ。
そしてもう一つはお金をある女に届けて欲しいということだった。しかし、このお金の金額が半端ではなかった。お熊は平蔵に相談しにいく。

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本書について

池波正太郎
鬼平犯科帳10
文春文庫 約三〇〇頁
連作短編
江戸時代

目次

犬神の権三
蛙の長助
追跡
五月雨坊主
むかしなじみ
消えた男
お熊と茂平

登場人物

犬神の権三
 犬神の権三…盗賊
 おしげ
 雨引の文五郎…密偵

蛙の長助
 蛙の長助…盗賊
 鈴木勘十郎…剣客

追跡
 甚五郎…元目明し
 下氏九兵衛…剣客

五月雨坊主
 石田竹仙…絵師
 善達…坊主
 羽黒の九兵衛…盗賊

むかしなじみ
 相模の彦十
 網虫の久六…盗賊
 水越の又平…盗賊

消えた男
 高松繁太郎…元同心
 お杉
 蛇骨の半九郎…盗賊

お熊と茂平
 お熊
 茂平…寺の下男

池波正太郎の火付盗賊改もの

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