池波正太郎の「剣客商売番外編 第1 黒白」を読んだ感想とあらすじ

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覚書/感想/コメント

剣客商売番外編であるが、剣客商売シリーズの中では時系列的にこの作品が最初になる。若かりし頃の秋山小兵衛が描かれているからだ。そして、時系列的にはもう一つの番外編「ないしょ ないしょ」が本書の次に来る。そして、本編の剣客商売シリーズへと続く。

つまり順に読みたい場合、本書が剣客商売第一巻であると考え、本書から読まれることをお薦めする。

本書では、辻平右衛門が道場をたたみ、秋山小兵衛がその後を継がなかった経緯が述べられている。また、本書の物語の流れと大治郎の母・お貞との結婚に至るまでのことが絡められている点が面白い。

本書には真田騒動に絡んだ出来事や登場人物が登場する。主要な脇役の何人かはこの真田家縁の者である。この真田騒動は池波正太郎が「真田騒動-恩田木工」で詳しく書いている。合わせて読まれると、本書を理解しやすいと思う。

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内容/あらすじ/ネタバレ

大御所と呼ばれた徳川吉宗晩年、秋山小兵衛三十二才の時のこと。

波切八郎の弟子・水野新吾が他流試合をしてまわっているという話を聞いた。水野新吾はある事があってから師匠の波切八郎を軽んずるようになった。

そして、ある日波切八郎は水野新吾が辻斬りをしていることを知り、これを切捨ててしまう。剣客として直情的な部分のある波切八郎は弟子を導くことが出来なかったことを悔やみ、道場を捨てることを決意する。

ただ、気がかりなのは、秋山小兵衛と真剣での勝負の約定を交していたことである。

道場を去った波切八郎は橘屋忠兵衛のところに身を寄せた。父と懇意にしていたからである。そこで女中のお信と一線を越えた関係を持ってしまう。

このお信が何やら思い悩んでいる。波切八郎が尋ねると、お信の父の敵、高木勘蔵を見つけたのだが、自分ではどうにもならないのだという。波切八郎は高木勘蔵を討つことに決めた。そしてお信は父の敵を討つことが出来た。

しかし、このことが知れたらしい。橘屋忠兵衛がやって来てすぐに逃げろと言う。このときに引き合わされたのが、岡本弥助である。

この後の波切八郎は岡本弥助とともに方々を渡り歩くことになる。そして、いつしか波切八郎の目からは光が消え、荒んだ光が漂うようになる。

波切八郎は岡本弥助が惜しむにもかかわらず、岡本弥助と別れた。

一方、秋山小兵衛は波切八郎との約束の日、内山文太と共に平林寺へと向かう。しかし、約束の時間になっても波切八郎は現れない。あれほどの剣客が…、小兵衛は何やら納得しかねるところがあった。この後、小兵衛はお貞と夫婦になった。

小兵衛は波切八郎のところの下僕をしていた市蔵と知り合いになった。その市蔵が波切八郎を見かけたと泪声でいう。しかし、波切八郎を見失ってしまう。やがて、波切八郎が戻るまでのつもりで市蔵は小兵衛のところに世話になる。

岡本弥助はある旗本に雇われている。その旗本は徳川吉宗が紀州から連れてきた家臣の一人である。この旗本から岡本弥助が頼まれたのは森平七郎という侍の暗殺である。森はこの旗本を脅していたらしい。

森は強敵である。岡本弥助は波切八郎の助けを得られない。死を覚悟して敵に当たる。しかし、波切八郎の突然の助けによって岡本弥助は命が助かる。

その後、岡本弥助は旗本から暗殺の指令を受ける。岡本弥助はこれが最後の暗殺だと考えている。これが終わったら、何も言わずに旗本の下から消えようと思っていた。しかし、この暗殺の相手を旗本は言わない。一体誰を狙うのか?

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本書について

池波正太郎
黒白
剣客商売番外編
新潮文庫 上下計九九〇約頁
長編
江戸時代 徳川吉宗晩年

目次

有明行燈
蝙蝠
秋山小兵衛
雷雨
野火止・平林寺
白い蝶
桐屋の黒飴
秘密
浮寝鳥
旋風
除夜

春雪
三条大橋

登場人物

波切八郎…剣客
市蔵…下僕
橘屋忠兵衛…料理屋
お信…女中
お金…女中
久保田宗七…鞘師
堀大和守直行
近藤兵馬
岡本弥助
伊之吉
森平七郎
三上達之助…波切の弟子
水野新吾…波切の弟子
杉浦石見守孝豊…旗本
谷彦太郎…家来
高松小三郎…少年
友川正信…絵師
助五郎…御用聞き
弥七…助五郎の息子

剣客商売シリーズ

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