池波正太郎の「剣客商売 第5巻 白い鬼」を読んだ感想とあらすじ

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覚書/感想/コメント


★★★★★★★★☆☆

シリーズ第五弾。

本作はバラエティに富んでいる短編になっている。盗賊が登場したりするところは、一瞬「鬼平犯科帳」を想像させてしまったり、大身旗本の醜聞につながるような出来事、大大名の屋敷内での不祥事…など盛りだくさんである。

また、本作で見逃せないのが、秋山大治郎と佐々木三冬という二人の朴念仁の恋の行方である。互いに好ましく思っているにもかかわらず、どうしてよいのやら分からずにいるところは何とも微笑ましい。

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内容/あらすじ/ネタバレ

白い鬼

秋山小兵衛の弟子・竜野庄蔵が見たのは、金子伊太郎という者だった。沼田藩士としては、見たからには捨てておけぬ。小兵衛宅を訪問する約束だったが、竜野庄蔵は金子伊太郎をつけた。そして、返り討ちにあった。

この金子伊太郎はかつて沼田城下で道場を開いている野村房之介という剣客のところで修行をしていたが、その野村の妻女を殺して逃げた男だった。その殺し方が残忍であった。その陰所が切り抉られていたのだ。

西村屋お小夜

佐々木三冬は松屋の倅・利太郎が女と淫らなことをしている場面に遭遇してしまった。三冬はその女にも覚えがあった。西村屋の娘・お小夜であったからだ。

しかし、このお小夜は実家に盗賊どもが押し入り、誘拐されてしまったという。ならば、三冬が見たお小夜とは?見間違いなのだろうか?

手裏剣お秀

鰻売りの又八の母が聞いたのは隣に住む浪人が漏らした物騒な言葉だった。女を殺すのはどうも嫌だなというのである。

探っている内に、分かってきたのは、どうやら旗本の子弟どもが、悪ふざけで対決した相手にしたたかにやられてしまい、浪人どもをつかって仕返しをしようということらしい。その旗本の子弟どもをしたたかにのしたのが女だったのである。

暗殺

遠雷が聞こえる中だった。秋山大治郎が聞きつけたのは何者かが襲っている音だった。襲われた者は傷は深く、結局助からなかったが、最後に女が待っていると言い残した。

この襲われた者は笹野小文吾といい、五千石の大身旗本・杉浦丹後守の家来であった。この杉浦丹後守が用人の鈴木市兵衛と密談をかわしている。その内容とは…

雨避け小兵衛

亀戸天神への参詣を済ませた帰りだった。雨に降られた秋山小兵衛は雨宿りのため小屋の中に入った。そして外で悲鳴が聞こえたかと思えば、その後すぐに小屋に入ってきた者がいた。

浪人とおぼしき男が娘をつれ大刀をひっさげたままの格好である。その浪人は娘を返してもらいたければ五十両持ってこいという。小兵衛はこの浪人に見覚えがあった。

三冬の縁談

佐々木三冬に再び縁談が持上がっている。例によって相手が三冬に勝てば嫁ぐというものである。このことを秋山大治郎は三冬本人の口から聞き、多少なりとも動揺している。

そして、その対戦相手が大和・郡山藩士の大久保兵蔵と聞き、大治郎は愕然とする。大久保兵蔵では三冬は勝てない…。大治郎はどうするのか?

たのまれ男

おはるが腹をこわして寝込んでしまった。秋山大治郎は見舞いに鐘ヶ淵の小兵衛の隠宅に出かけてみた。

その帰りのこと…。暗闇の中で、なにやら怪しげな人間が大きなものを川に投げ込もうとしている。とっさに大治郎はこれを阻止した。思った通り、投げ込まれようとしていたのは人だった。しかも、この投げ込まれようとしていたのは大治郎の知っている小針又三郎だった。

小針又三郎は東海道・島田の宿でおかねという女から頼まれたものがあった。おかねが頼んだ油紙の包みの中には二十二両入っている。そしてこれがもとで、川に投げ込まれそうになったようであるが、一体真相は?

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本書について

池波正太郎
剣客商売 白い鬼
新潮文庫 約三四〇頁
短編集
江戸時代 田沼時代

目次

白い鬼
西村屋お小夜
手裏剣お秀
暗殺
雨避け小兵衛
三冬の縁談
たのまれ男

登場人物

白い鬼
 竜野庄蔵…沼田藩士
 田中宗作…沼田藩士
 金子伊太郎

西村屋お小夜
 松屋利太郎
 お小夜
 松田官兵衛…浪人

手裏剣お秀
 杉原秀
 加藤勝之助…旗本の子弟
 益田忠六…浪人
 釜本九十郎

暗殺
 笹野小文吾
 杉浦丹後守…旗本
 鈴木市兵衛…用人
 釜本九十郎

雨避け小兵衛
 関山虎次郎
 伊勢屋吉兵衛
 おみつ…娘

三冬の縁談
 大久保兵蔵…大和郡山藩士
 柳喜十郎…剣客

たのまれ男
 小針又三郎
 おかね
 由太郎
 銀平…中間小頭
 杉山米次郎…立花家家臣

剣客商売シリーズ

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