池波正太郎の「剣客商売 第12巻 十番斬り」を読んだ感想とあらすじ

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覚書/感想/コメント

シリーズ第十二弾。

このころでは大治郎が独自で事件にあたるようになっている。いつも父・小兵衛ならどうしたであろうかという自問自答が繰り返されるのだが、だんだんとその仕様が小兵衛に似てくるのがおかしい。やはり親子なのである。

「罪ほろぼし」は剣客商売 第2巻に収録されている「辻斬り」の続編的な内容である。この時に小兵衛と大治郎によって捕まった旗本・永井十太夫の息子が登場するからである。

内容/あらすじ/ネタバレ

白い猫

平山源左衛門から果たし合いの手紙を受けて、秋山小兵衛は朝早くから準備をしていた。この果たし合いは七年前からのものである。

約束の場所に向かう途中のこと。昔飼っていた猫に似た猫を斬ろうとする浪人がいた。これを打ち据えると、今度は仲間を連れて小兵衛を追いかけてきた。平山源左衛門との約束の時間が迫ってくるが…。

密通浪人

浪人の一人が他人の女房を寝取るのは面白いという。その相手があろう事か、秋山小兵衛の義弟の福原理兵衛の女房・お米だという。

しかし、このお米、背丈が低く、妙にぼってりとした躰つきで、眉・眼・鼻・口が何やら四方へ飛び散っているような顔の造作で、鼻の穴が天井を向いており、唇の両端が上へ切れ上がっている。どうみても、男が好むような女ではない。

浮寝鳥

稲荷坊主の老乞食が惨殺死体で発見された。殺された日、秋山大治郎はこの乞食を見かけている。それも少女と一緒にいる姿をだ。

馬道の清蔵という御用聞きと一緒に探っていると、大治郎と馬道の清蔵をつけている男がいた。逆にこれをつけると溝口丹波守という旗本が浮かんできた。一体何故大治郎たちをつけたのか?

十番斬り

秋山小兵衛がいつものように小川宗哲の所に碁をしにいったときのこと。村松太九蔵という浪人が宗哲に診てもらっていた。宗哲がいうには長くはないらしい。本人もそのことを知っている。しかし、やり残したことがあるようであと少しだけ生きたいという。

村松太九蔵の住む辺に十余名の無頼浪人が棲みついて、土地の人々の顰蹙を買っている。こやつらを懲らしめなければならない。村松太九蔵はそう思っていた。

同門の酒

毎年同門の連中で集まって酒食するのが恒例である。しかし矢村孫次郎がやってこない。来られない時は前もって連絡を寄越す男なのに不思議である。

気になる秋山小兵衛は弥七と共に矢村孫次郎の寄宿している寺へ行ってみる。すると、寺の人間は昨日の集まりのために喜んで出かけたという。では、矢村孫次郎は一体どうしたというのか?

逃げる人

秋山大治郎が高橋三右衛門と名乗る老人と親しくなってから、度々蕎麦屋で酒を一緒にするようになった。互いの事を深くは詮索しない水の如き交わりである。

この高橋三右衛門というのが偽名であり、なおかつ大治郎の知る橋本又太郎の敵であることを知った。高橋三右衛門にも情の移っている大治郎は困ったことになったと思う。

罪ほろぼし

辻斬りをして秋山小兵衛・大治郎親子に捕えられた旗本の永井十太夫の息・永井源太郎を小兵衛が助けた。

この永井源太郎は、父を死に追いやった小兵衛をそれと知りながら、決して怨みなどせずに助けられたことを素直に感謝した。今、源太郎は商家の金蔵の警固をしているという。

本書について

池波正太郎
剣客商売 十番斬り
新潮文庫 約三一〇頁
短編集
江戸時代 田沼時代

目次

白い猫
密通浪人
浮寝鳥
十番斬り
同門の酒
逃げる人
罪ほろぼし

登場人物

白い猫
 平山源左衛門
 青木昌之助

密通浪人
 福原理兵衛…小兵衛の義弟
 お米…理兵衛の女房
 高砂新六
 吉野家治助
 田島文五郎

浮寝鳥
 馬道の清蔵…御用聞き
 老乞食
 おみよ
 亀吉
 溝口丹波守…旗本

十番斬り
 村松太九蔵…浪人
 佐久間重六
 為吉…香具師

同門の酒
 矢村孫次郎
 神谷新左衛門
 内山文太
 おとき

逃げる人
 高橋三右衛門(山本半之助)
 橋本又太郎

罪ほろぼし
 永井源太郎
 おふく

剣客商売シリーズ

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