藤沢周平の「用心棒日月抄 第4巻 凶刃」を読んだ感想とあらすじ

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覚書/感想/コメント

★★★★★★★★☆☆

同窓会的な内容である。十六年ぶりに再会する青江又八郎と佐知、細谷源太夫、相模屋吉蔵。それぞれに十六年の歳月が流れ、年相応に体つきが変わっている。時の残酷さを感じる内容でもある。

さて、藤沢周平はどうも長編のシリーズは苦手のようである。苦手と言うよりも、書いていて飽きてしまうのかもしれない。

時代小説の名手であるにもかかわらず、例えば池波正太郎や平岩弓枝のような超長編シリーズものは無い。作品のほとんどが短編か長編であり、シリーズものは少ない。そしていずれのシリーズも数冊で終了している。

だが、逆に池波正太郎に見られる習作的な作品は皆無なのが藤沢周平である。池波正太郎は習作的な作品を書いた後に本編とも言える作品を書くことが多い。だから、似たテーマ/プロットの作品群が出来上がっている。

一方、藤沢周平にはこれがない。この点に藤沢周平がシリーズものが少なくかつ短い理由があるのかもしれない。

  1. 用心棒日月抄
  2. 孤剣 用心棒日月抄
  3. 刺客 用心棒日月抄
  4. 凶刃 用心棒日月抄
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内容/あらすじ/ネタバレ

青江又八郎が寿庵保方の陰謀を阻止するために働いてから十六年の月日が過ぎた。国元では妻・由亀と子宝にも恵まれ平凡ながら幸せな日々を過ごしていた。

その青江又八郎が、江戸に短期ながら赴くことになった。病気療養のため国に戻ってくる小塚と交代するためである。

その江戸に赴く少し前に寺社奉行の榊原造酒から呼ばれた。頼み事があるというのだ。頼み事は嗅足組に関することだった。現在の頭領が榊原造酒なのだ。その頭領が言うには、殿の命で組を解散することになったので、江戸の組のものにその旨を伝えて欲しいというものだった。

榊原造酒が自ら赴けないのは、この事実を知った人間が寿庵保方のようによからぬ事を考える可能性があるため、組が解散したことを感づかせない必要があるためなのだ。

青江又八郎は承知した。しかし、出発の直前、榊原造酒が殺された。その後、青江又八郎は江戸に赴き、江戸の嗅足組を束ねる佐知と十六年ぶりの再会を果たす。

榊原造酒が殺され、状況は予断を許さない。そして、江戸の嗅足組の人間が次々と狙われていく。江戸の藩邸に隠された秘密があり、それに近づいたものが殺されているらしい。その秘密とは?そして一体何者が、何のために嗅足組を狙うのか?

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本書について

藤沢周平
凶刃
用心棒日月抄
新潮文庫 約三七〇頁
江戸時代 徳川吉宗治世

目次

凶刃

登場人物

青江又八郎
細谷源太夫
吉蔵…相模屋
佐知…嗅足組
由亀…又八郎の妻
初村賛之丞…丹波浪人

榊原造酒…寺社奉行
兼松甚左衛門…大目付

村越儀兵衛…内御用人
安斎彦十郎

渋谷甚之丞
渋谷雄之助…甚之丞の息子
牧与之助

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