覚書/感想/コメント
第1巻でカドフェルが登場し、事件を解決したときの「聖ウィニフレッド」が再登場。このときの事件のあらましは、第1巻に譲るとして、その後これまで、シュルーズベリ修道院では聖ウィニフレッドのもたらす奇蹟が現れなかった。
カドフェルは真相を知るものとして、重い荷物を背負っている感じがしつづけていた。この荷物が下ろされるのか?これは本書で確認して頂きたい。
さて、再登場といえば、第6巻で登場したオリヴィエ・ド・ブルターニュもそう。本書ではじめてヒュー・ベリンガーと正式に対面を果たすことになる。互いに良き友となったようである。
また、オリヴィエ・ド・ブルターニュは第6巻「氷のなかの処女」に登場したアーミーナ・ユーゴニンと結婚を果たす。このオリヴィエ・ド・ブルターニュとカドフェルの関係は本書の最後に明言されているので(第6巻ではそれとなく書かれていたが)、楽しみながら読んで頂きたい。
内容/あらすじ/ネタバレ
聖ウィニフレッドの祭りが行われようとしていた。そのために、各地から巡礼者がシュルーズベリに集まってきていた。
足の悪いルーンをつれた、アリス・ウィーヴァーとミランゲルの一行と、その一行とたまたま道連れになったキアランとマシューの二人組も、これらの人々に混じっていた。
キアランとマシューの二人組は人目に付いた。なぜなら、キアランは裸足に十字架を背負って、傷だらけだったからである。彼らは、改悛の旅をしているようにも見えたが…
一方、女帝モードを批判した者が殺された。そして、その殺人者が逃亡しているという。この事件に関連して失踪した者を探すためにオリヴィエ・ド・ブルターニュがやってきた。
キアランとマシューの目的とは何なのか?そして、オリヴィエ・ド・ブルターニュが探す者は見つかるのか?
本書について
エリス・ピーターズ
憎しみの巡礼
光文社文庫 約320頁
12世紀イギリス
登場人物
カドフェル…修道士
ラドルファス…修道院長
アリス・ウィーヴァー…織物商
ミランゲル…アリスの姪
ルーン…アリスの甥
キアラン…巡礼者
マシュー…キアランの連れ
シメオ・ポウアー…ギルフォードの商人
オリヴィエ・ド・ブルターニュ…ダンジューの家臣(第6巻「氷のなかの処女」に登場)
ヒュー・ベリンガー…州執行長官