江戸文化歴史検定協会編の「大江戸見聞録(初級)」を読んだ感想(最高に面白い!)

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覚書/感想/コメント

テキストとなっているが、読物としても十分に面白い一冊である。

また、幅広く江戸のいろんなことを扱っており、わかりやすい内容となっている。

メインとなるのは其之壱 日本橋にて、其之弐 山の手にて、其之参 中村座にて、其之四 隅田川にて、其之五 浅草寺にて、其之六 深川の長屋にて、其之七 品川の宿にての七つ。

「日本橋にて」では、ご隠居さんが日本橋界隈から神田今川橋まで案内してくれ、「山の手にて」では、留守居役が山の手の大名屋敷から上野寛永寺までの間を案内してくれる。

「中村座にて」では、芝居通のお内儀が、芝居見物のことを案内してくれ、「隅田川にて」では、古着屋をいとなむ商人が、大川(隅田川)を案内してくれる。

浅草寺にて」では、茶屋の主が浅草寺の由来などを案内してくれ、「深川の長屋にて」では、搗米屋のご隠居とともに深川を歩く。
最後に「品川の宿にて」では、旅人が品川を歩く。

それぞれの土地をいろんな人物たちが紹介するという読物形式になっているのだ。それに、ふんだんな写真や絵、注釈があり、読み手のことをとても配慮して構成されている。

また、コラムが用意されており、本筋では語られていないことを補足しているのも嬉しい。

コラムには度量衡、暦と時刻、江戸城の建築、江戸の治安、役者柄と役者色、お金と物価、ペットと園芸、火事と地震、江戸っ子の心意気、食べ物屋のいろいろ、富くじに託す夢、髪結いと銭湯、旅じたく、江戸切絵図などが用意されている。

最後のほうには、江戸とは関係のないものの、江戸時代における江戸以外の町のことなどが少し紹介されている。

個人的に、最初に掲載されている大江戸見聞録地図が興味深かった。

いわゆる「江戸」の範囲となる、朱引きと墨引きの両方が描かれており、およその「江戸」の範囲が一目でわかるようになっている。

特に朱引きは思っていた以上に広く、東は荒川まで、北は千住や飛鳥山、西は池袋の先、渋谷あたり、南は品川、目黒あたりだったようだ。

さて、最後になるが、本書が紹介しているのは、十八世紀末から十九世紀初めの江戸のようである。「其之参 中村座にて」で見に行く芝居の「近江源氏先陣館」の初演が1770年だそうで、ここからそう推測される。

とすると、十八世紀末の天明、寛政から十九世紀初めの文化、文政時期の江戸ということになる。

大ざっぱに言えば、松平定信の寛政の改革などがあり、大塩平八郎の乱がある前くらい。

また、葛飾北斎など、現在では、いわゆる「江戸」文化といったら思い浮かべるような、江戸時代を代表する文化人を多く排出した時代でもある。

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本書について

大江戸見聞録
江戸文化歴史検定公式テキスト(初級編)
江戸文化歴史検定協会編
小学館 約一九〇頁
解説書

目次

はじめに
大江戸見聞録地図
江戸略年表・人物生存年表
江戸の町、江戸の暮らし
其之壱 日本橋にて
其之弐 山の手にて
其之参 中村座にて
其之四 隅田川にて
其之五 浅草寺にて
其之六 深川の長屋にて
其之七 品川の宿にて
江戸時代の日本の各地
箱根の関にて
大坂堂島にて
大坂適塾にて
萩松下村塾にて
長崎出島にて
高山陣屋にて
会津日新館にて
箱館五稜郭にて
江戸がわかるミュージアム
江戸と出会うテーマパーク

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