北方謙三の「血涙 新楊家将(下)」を読んだ感想とあらすじ

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覚書/感想/コメント

★★★★★★☆☆☆☆

楊四郎が生きていた。

だが、それがために、哀しい戦いが始まる。

それは兄弟同士での戦い。

さて、「楊家将」と比べてなにが決定的に違うのだろうかと思う。

詠んでいる中で感じるのは、そのスケール感が小さくなっていることである。

最大の原因は、登場人物が少なくなってしまっていることであろう。これは筆者のせいではなく、原作の限界というしかない。様々な個性が活躍することによってうまれるスケール感というものが、登場人物が少なくなることによって失われてしまっている。

そして、楊業という男のスケールの大きさに対して、息子の六郎と七郎のスケール感が小さいということもあるだろうと思う。

結果としてこじんまりとしたものになってしまっている。

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内容/あらすじ/ネタバレ

代州にもどると、すぐに兵の補充の手配をした。

楊家軍は耶律休哥軍との戦いで負けはしなかったが、犠牲が大きかった。

楊家軍は春までに一万にする。それが六郎と七郎の考えだった。

六郎は一人で石幻果が四郎かどうかを確かめに行くことにした。

六郎は石幻果である四郎と、ただ話したかった。石幻果なの四郎なのかを確かめたかった。

石幻果は六郎に告げた。

楊四郎は死んだ。いまは石幻果であり、死ぬ時も石幻果でしかない。

女真の地に耶律休哥は向かっていた。

叛乱がおきていた。やむにやまれず起こした反乱だった。

宋の帝はまだ燕雲十六州の快復の悲願を待ち続けていた。

今や宋軍の頂点にいる柴礼は、軍権のすべてを軍に取り戻すつもりであることを六郎に隠そうとはしなかった。戦を続けることで、軍の力を取り戻す。それしか文官をしのぐ手段はなかった。六郎も柴礼と力を合わせるしかなかった。

六郎が代州に戻ると九妹が飛び出してきた。

兄が戻ってきたという。

行方不明になっていた五郎延徳であった。左腕をなくして僧形になっていた。

四郎は俺が斬ろうといった。

十年間。五郎は五台山で片手で剣を遣う。それだけをやってきた。

耶律休哥はどうにもならないような疲労感に襲われるようになっていた。

血を吐いた…。

四郎だけは斬らなければならない。四郎は楊家軍の前に亡霊として立ちふさがっている。

自分も亡霊だった。五郎はそう思っていた。亡霊は亡霊が斬らなければならない。

途中、潘仁美の息子に遭遇した。

やつも亡霊だった。亡霊は斬るしかなかった。

五郎には予感があった。四郎は自分を待っている…。

宋の帝は不退転の決意だった。

死ぬ前に燕雲十六州を回復する。軍には遂行する権限だけを与え、止める権限を与えなかった。

六郎は柴礼から独立行動権のようなものを与えられた。

六郎はふと思った。帝の命はあと数カ月なのではないかと。

柴礼は楊家軍に死に兵になれと言っていた。崩御となれば、服喪のために軍を引く。それまではひたすら勝ち続ける。楊家軍の犠牲を顧みないということだった。

戦は一つの段階を進めたと石幻果は思っていた。

最前線が楊家軍に突破され、潰走している。

六郎は耶律休哥軍と三日間にわたって戦い続けた。

延光が討たれた。それでもかまっていられなかった。

宋の帝が死んだ。

楊家軍の損失がようやく回復してきた。

あの時、楊家軍は負けていた。不意に攻撃の手が緩んだ。それがなければ楊家軍は総崩れになっていた。

遼では石幻果が禁軍三万を率いることになったという。

遼は疲弊していた。

あと一度だけ。一度だけ民を命ぎりぎりのところまで耐えさせるしかない。

遼の中に物資は悲惨というほどに無くなってきていた。

宋の国力は年々上がっている。そのつもりなら、再び遠征軍を起こせるだろう。

賭けしかなかった。

それは宋軍の裏をかいて、一気に開封府を攻略することだった。

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本書について

北方謙三
楊家将2 血涙 新楊家将(下)
PHP文庫 約四〇〇頁

目次

第七章 死生ともにありて
第八章 黄塵
第九章 砂上の幻
第十章 哭く旗
第十一章 秋がいま
第十二章 旗なき者たち
終章 草原

登場人物

○遼
石幻果…宋の将軍、楊四郎延朗
䔥太后…皇太后
瓊峨姫…䔥太后の娘
䔥英材…石幻果と瓊峨姫の長男
耶律休哥…白き狼
麻哩阿吉…耶律休哥の副官
耶律斜軫…禁軍の総帥
耶律学古
䔥逸理…石幻果の従者
○楊家
楊六郎延昭…六男
楊七郎延嗣…七男
楊五郎延徳…五男、行方不明
延光…長男延平の息子
八娘
九妹
王貴…楊業の側近
張文…楊家武将
柴敢…六郎の将校
○宋
趙光義…帝
八王
七王
潘仁美…将軍

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