楠木誠一郎の「甲子夜話秘録 第2巻 狐狩り」を読んだ感想とあらすじ

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覚書/感想/コメント


★★★★★☆☆☆☆☆

抜け荷を探るために隠居を余儀なくされた松浦静山。その手掛かりは中々つかめないでいる。

一方で、前回静山らの前に現れた鼠小僧一味。その首領が言い残したのは、鼠小僧が滅んでも、悪は滅びない、といった内容だった。

今回、その言葉を裏付けるように、新たな江戸の闇が姿を現す。

この江戸の闇が、抜け荷へつながっていくのだろうか?

どうにもこうにも残念でならないのが、次郎吉の存在である。十歳の子供を主要な登場人物にしてしまっているため、子供探偵団的な色合いが強くなっている。

ほのぼのとさせてくれるのだが、その分、物語の緊張感が薄れてしまっている気がする。

少年向けの小説としては悪くないのかもしれないが…ねぇ。

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内容/あらすじ/ネタバレ

文化四年(一八〇七)正月。

八百吉、松屋貞吉、名和屋千次郎が年賀のあいさつに松浦静山を訪ねてきた。

貞吉が客の竹村嘉兵衛の女房が狐に取りつかれたという。静山は次郎吉に使いを頼んだ。鳥越に住む行智という修験者を呼んでくるのだ。行智は梵字に詳しい。

三和土に足を踏み入れた途端、女の叫び声が聞こえてきた。竹村の女房はお幸という。

早速、行智によるおはらいが始まった。すべてが終わった後、行智は何か違和感があるという。

そして、静山はお幸の体に痣が多くあるのを見逃さなかった。

お幸は、最近どこかの寺だか神社に行っているという。そこでお布施の名目で金を吸いあがられているらしい。

寛永寺を過ぎ、下谷坂元町あたりにある豆腐屋の前に人だかりがしている。

厠の方で女の叫ぶ声がする。お牧の赤ん坊が厠に落ちてしまった。そこに亭主の佐七が駆けつけてきた。赤ん坊は死んでいた。

お牧は狐の祟りだという。また狐だ。それに訝しいのはお牧が赤ん坊をすぐに助けようとしなかったことだ。すでに死んでいるのを知っているとしか…。

このお牧も、最近、寺だか神社にいっているという。

林述斎が訪ねてきて、寺社奉行所で妙な噂があるといった。この近くで鎌鼬が出没しているというのだ。寺社奉行所の役人が被害にあっているらしい。

また、大奥の女中たちが徳川家ゆかりの神社仏閣でないところに仕切りに通っているという。先般、延命院事件が起きたばかりだというのに。

八百吉が鎌鼬にやられた。やられたのは、すぐ近くの妙源寺と番場町の間だ。

静山は次郎吉をともにその現場に向かった。すると、一見の妖しい屋敷がみつかった…。

例の屋敷について、寺社奉行の阿部主計頭が邪法の家と呼んでいるといった。

この邪法の家にお志乃とお絹が相談を装って入りこんだ。集まっているのは女性ばかりだ。森田市正と名乗る男が相手をしている。

二人は一のお守りを渡された。中には薬が入っているという。白く、細かな粉末の薬だ。辛さが癒える薬との触れ込みだ。一体これは…?
静山と次郎吉が邪法の家に潜入したが、二人とも捕まってしまう。

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本書について

楠木誠一郎
甲子夜話秘録2 狐狩り
だいわ文庫 約二七〇頁

目次

狐蠱し
豆腐屋の女房
鎌鼬
邪法の家

登場人物

松浦静山
お志乃
次郎吉
お絹
荻野長(八百吉)…御家人
松屋貞吉…札差
名和屋千次郎…芝居小屋の帳簿管理
行智…修験者
赤松左馬之助…老臣
林述斎…儒学者
中川飛騨守忠英…大目付
竹村嘉兵衛
お幸
お牧
佐七
朴念先生
阿部主計頭…寺社奉行
森田市正
お鶴

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