池波正太郎の「忍者丹波大介」(忍者もの5)を読んだ感想とあらすじ(面白い!)

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覚書/感想/コメント

★★★★★★★★★☆

豊臣秀吉が没してから、関ヶ原の戦いまでが本書の舞台である。話の視点は常に徳川家康とは反対の立場から描かれている。石田三成の家臣・島左近や真田昌幸・幸村親子の視点からというようにである。

そのため、本書から裏「真田太平記」という感じになってくる。それは登場人物にもあらわれている。「真田太平記」でおなじみの伊那忍びの向井佐助や奥村弥五兵衛、そして名は異なるが壺屋も登場するのは一緒である。

そういう意味において、是非「真田太平記」とあわせて読まれることをお薦めする。そのことによって本書が数倍面白く読めるはずである。

さて、前に一度述べているが、本書の主人公である丹波大介の設定についてもう一度述べておきたい。丹波大介と父・柏木甚十郎は「夜の戦士」の丸子笹之助と息子の和一郎を彷彿させる。

もちろん同一人物という設定ではないのだが、仮に丸子笹之助を柏木甚十郎とし、和一郎を大介と読み替えて読み進めるのも面白いとは思う。

最後に、この裏「真田太平記」としての物語は、あとの「火の国の城」でも続く。そして、この「火の国の城」では、「蝶の戦記」「忍びの風」で登場したお蝶が加わることになる。

忍者もの

明確なシリーズではない。設定や主人公を読み替えることで、シリーズのように楽しめる作品群。おすすめの順番は次の通り。

  1. 夜の戦士
  2. 蝶の戦記
  3. 忍びの風
  4. 忍びの旗
  5. 忍者丹波大介 本書
  6. 忍びの女
  7. 火の国の城
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内容/あらすじ/ネタバレ

豊臣秀吉が没した翌年。諸国大名達の勢力は徳川家康を中心としたものと、石田三成が醸成しつつある勢力の二つに割れ始めていた。


石田三成の家臣である島左近は柴山半蔵を呼び、そして忍びの岩根小五郎を呼んだ。そして、島左近が告げたのは家康襲撃の話だった。これを岩根小五郎が束ねる忍びで行うというものである。今家康を仕留めれば、天下は平穏となる。そういう考えがあった。

さて、この指令がでたあと、柴山半蔵は下女の於志津を呼んだ。そして、於志津を外に出した。実は柴山半蔵は家康の家臣・本多正信の間者なのである。だが、於志津が途中で襲われた。襲ったのは甲賀忍びの丹波大介である。

丹波大介は甲賀忍びであるが、その忍びの技は父・柏木甚十郎から伝えられたものであり、しかも、甲賀で学んだものではなかった。大介は丹波にいる時にこのすべを身につけたのだ。だから、自分の忍びの技は丹波の術であると公言する。

いま大介達は頭領・山中大和守俊房の命により真田家の忍びばたらきをしている。

真田家のために忍びばたらきをしていると考えていた大介達に思いもよらない命が出された。山中大和守俊房から新たに出された命とは、真田幸村、島左近の首を討つことであった。大介はこのこと戸惑った。

だが、実際に襲う段になって、大介は幸村と島左近を救い出してしまう。大介は甲賀を裏切ったのだ。

そのままの流れに任せて、大介は真田家に厄介になる。真田家では当主・昌幸の囲碁の相手をさせられ、げんなりとする大介であったが、その一方で居心地の良さを感じていた。

真田家の抱える伊那忍びとも心が通じるのを感じる大介であった。しかし、時代の流れが急に早まっていた。徳川家康が上杉景勝を討伐するために東征する軍を発したのだ。これを待って石田三成が挙兵するのを見越しての行動であった。徳川家康と石田三成との戦いは避けられない…

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本書について

池波正太郎
忍者丹波大介
新潮文庫 約六一五頁
長編
戦国時代末期

目次

第一部
 白い密使
 耳塚屋敷
 伏見騒擾
 甲賀命令
 大谷屋敷
 襲撃
 豪雨
 回復
 決意
第二部
 上田城にて
 忍びの血
 追行
 戦雲
 夏草
 呼応
 戦局(一)
 岐阜・赤坂
 戦局(二)
 関ヶ原
 別離
 氷湖

登場人物

丹波大介
(柏木甚十郎…大介の父)
笹江…大介の伯母
孫八
山中大和守俊房…甲賀頭領
お万喜
石田三成
島左近勝猛…三成家臣
伊丹十兵衛
柴山半蔵…左近の家臣
於志津
岩根小五郎…甲賀忍び
一本眉
真田安房守昌幸
真田源次郎幸村
池田長門守綱重
大谷刑部少輔吉継
<伊那忍び>
壺屋草庵(鴨宮九兵衛)
お波奈
奥村弥五兵衛
向井佐助
<伊賀忍び>
小虎

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