塩野七生の「コンスタンティノープルの陥落」を読んだ感想とあらすじ(面白い!)

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覚書/感想/コメント

★★★★★★★★★☆

地中海の覇権争いを描いた3部作の第1作目。

東ローマ帝国側からとオスマン・トルコ側からの視点を、それぞれの立場の人間を複数登場させつつ、こまめに入れ替える事で、緊迫感と臨場感がうまく演出出来ている。

オスマン・トルコ側はマホメッド二世の目から描くのではなく、小姓のトルサンの目を通じて描写されている。そうすることでマホメッド二世のもつ近寄りがたい雰囲気をうまく出している。

一方、東ローマ帝国側は、複数人の視点から描かれている。ヴェネツィアからの目は、ニコロという医者。皇帝は、フランゼスという近従。東ローマ帝国の帝国民はウベルティーノという学生。これらをうまく登場させる事で、陥落間近のコンスタンティノープルの様子を描ききっている。

印象的なのはマホメッド二世が先生と呼んでいる宰相カリル・パシャに放つ言葉。

「あの街をください」

全てが、この一言から急速に進展していく。

印象的な一言から始まる歴史を、緻密なタッチで書き、一気に読み通させる所はさすがである。

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内容/あらすじ/ネタバレ

15世紀。かつて広大な版図を築いた東ローマ帝国は昔日の面影はなく、コンスタンティノープルのみを有する都市国家に成り下がっていた。その周囲はすべて新興のオスマン・トルコの支配地である。

オスマン・トルコのスルタン・マホメッド二世は、父から受け継いだ領土の中にある都市・コンスタンティノープルを攻略するための準備を始めた。

準備はボスフォラス海峡の海上権を制圧する事である。そのために、既にあったアジアの城という意味の「アナドール・ヒサーリ」に加えて、ヨーロッパの城という意味の「ルメーリ・ヒサーリ」を構築し始めたのだ。

一方、東ローマ帝国の皇帝・コンスタンティヌス十一世は最後の抵抗のために西欧諸国に応援を求める。当時の西欧は東ローマ帝国に応援を派遣出来るような状況ではなかった。

しかし、それでも少数の応援部隊がコンスタンティノープルに集結した。そして、東ローマ帝国軍とオスマン・トルコ軍との激しい攻防がはじまる。

1453年5月29日コンスタンティノープルは陥落し、東ローマ帝国は滅亡する。

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本書について

塩野七生
コンスタンティノープルの陥落
新潮文庫 約二五〇頁
15世紀地中海

目次

第一章 二人の主人公
 コンスタンティノープルの都
 スルタン・マホメッド二世
第二章 現場証人たち
第三章 人みな、コンスタンティノープルへ
第四章 攻防はじまる
第五章 海戦の勝利
第六章 金角湾喪失
第七章 最後の努力
第八章 崩れゆく人々
第九章 コンスタンティノープル最後の日
第十章 エピローグ

登場人物

コンスタンティヌス十一世…東ローマ帝国皇帝
フランゼス…東ローマ帝国大臣
ガブリエレ・トレヴィザン…ヴェネツィア提督
ニコロ…ヴェネツィア医者
ミノット…ヴェネツィア大使
ヤコポ・テダルディ…フィレンツェ商人
イシドロス枢機卿
ゲオルギオス…修道士
ウベルティーノ…学生
アンジェロ・ロメリーノ…ジェノヴァ居留区代官
マホメッド二世…オスマン・トルコのスルタン
トルサン…マホメッドの小姓
ウルバン…ハンガリア人
ミハイロビッチ…セルビア人

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