このアルバム
セカンド・アルバム。
グレゴリアン・チャントがなくなり、トライバルでエスニックな作りになっている。逆に、グレゴリアン・チャントを聞きたい人には、畑違い。
前作に比べてポップにもなり、聞きやすい一枚。ダンストラックとしてとらえるにはポップすぎるが、こうしたエスニックテイストのダンストラックの入門としては最適な一枚。
このアルバムはトライバル系の広い裾野への案内をしてくれるディスクだと思う。バラエティにも富んでおり、面白いアルバムである。
Enigma本来の音とは違うという評価もあるようだが、根っこにある音は同質である。プログレッシブ・ロックの影響を受けている曲もあるが、こうした点もEnigmaらしいと思うが…。
グレゴリアン・チャント系のテイストがある曲もある。が、これに民族音楽的な音も重ね合わせているので、ボーダレスな感じになっている。一つの試みとして面白い。
1曲目Second Chapter:短いが、若干グレゴリアン・チャント系のテイストが感じられる。
3曲目Return to Innocence:アフリカンなボーカルがポップに処理されており、聞きやすい。
7曲目Age of Loneliness (Carly’s Song):歌い上げる女性ボーカルと囁くような女性ボーカルの2種類のボーカルがミスマッチのようで、マッチしている。これに大笛の野太い音色が心地よく流れる。
8曲目Out from the Deep:個人的にはプログレッシブ・ロックにしか聞こえない。とてもメロディアス。
9曲目The Cross of Changes:ピアノのゆったり感はチルアウト。ただ、チルアウトDJは使わないだろうなぁ。メジャーなアーティストすぎてミーハーに思われるだろうから。それにすごく短いし…。
※この系統の音楽で他のアーティストを探したい場合は「美しき曲たち ワールドでファンタジックな音色」が多少なりとも参考になると思います。
曲目
Enigma
1993
Album title
“the Cross of Change”
Label : Virgin
曲目
1 Second Chapter
2 The Eyes of Truth
3 Return to Innocence
4 I Love You… I’ll Kill You
5 Silent Warrior
6 The Dream of the Dolphin
7 Age of Loneliness (Carly’s Song)
8 Out from the Deep
9 The Cross of Changes
アルバムの評価
★★★★★★★★★☆
【評価の内訳】4.6
【構成・バランス】A=2
【飽きのこなさ】A=2
【曲の好み】Av.0.6
Aランク:3曲目
Bランク:1曲目、7曲目、8曲目、9曲目
プロフィール
Enigma(エニグマ)は、Michael Cretu(マイケル・クレトゥ)のソロ・プロジェクトである。
1990年から活動を始めている。
デビュー・アルバム”MCMXC a.D.”(1990年)はヨーロッパ中でセンセーションを巻き起こした。
グレゴリアン聖歌をベースにしたダンストラックが新鮮であった。
Michael Cretu(マイケル・クレトゥ)はスペインのイビサ島に住んでいる。
アルバム
- MCMXC a.D. (1990)
- The Cross of Changes (1993) 本作
- Le Roi Est Mort, Vive Le Roi! (1996)
- The Screen Behind the Mirror (2000)
- Voyageur (2003)
- A Posteriori (2006)
- Seven Lives Many Faces (2008)
- The Fall of a Rebel Angel (2016)